「地球温暖化対策のための税」が、平成24年10月から施行されます。
ここでは、「地球温暖化対策のための税」についての基本的な情報を広く国民の皆様に提供する目的で、質問形式で、簡単にまとめたものを紹介します。
「地球温暖化対策のための税」は、税制による地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していく観点から導入するものです。
具体的には、原油やガス、石炭といった全化石燃料に対して、CO2排出量に応じた税率を課すものです。
(参考)「地球温暖化対策のための税」について [PDF 209KB]
地球温暖化の防止は人類共通の課題であり、あらゆる人に利益をもたらすものです。従って、そのための負担は、エネルギーを利用する方全体で幅広く公平に担っていくべきと考えています。
こうした「受益と負担」の関係に着目し、温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO2の原因をもたらす全化石燃料に対し、「広く薄く」公平にCO2排出量に応じた課税を行うこととしました。
もちろん、現下の経済情勢を踏まえ、急激な負担増を避けるために、施行から3年半で段階的に実施していくこととしているほか、特定の分野、産業の負担増に配慮した免税や還付措置、導入に伴う各種の負担軽減措置なども、あわせて行うこととしています。
また、税収を、産業・民生・運輸といった広範な分野への効果的な地球温暖化対策に活用し、新たな需要・イノベーションを喚起することも期待できると考えています。
環境省の中央環境審議会中長期ロードマップ小委員会における研究者の発表では、主要3施策(地球温暖化対策のための税、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、国内排出量取引制度)を導入した場合の2020年時点の経済への影響(※)は、+0.1%~-0.1%程度と試算されています。
また、税の導入に当たっては、エネルギー使用量の多い業種や地域においては、特に負担が重くなってしまうため、特定の分野・産業の負担増に配慮した免税・還付措置のほか、燃料の生産・流通や、物流・交通、過疎・寒冷地に係る支援策を実施することとしています。
※ 2020年に現行の地球温暖化対策を継続し追加的な対策を行わなかった場合である2020年参照ケース(BAU)からのGDPの乖離率(2005年から2020までの15年間の累積の値)。
「地球温暖化対策のための税」を導入した場合、施行から3年半を経た最終的な時点(平成28年度~)で、現在と比較すれば、月約100円程度のご負担になると試算されています。
ただし、これは、施行から3年半かけて実施されていくものであり、24年度の負担増は、この6分の1になります。
また、「地球温暖化対策のための税」の導入に伴って実施される、ガソリンや軽油等に関する負担軽減策について考慮していない試算であることにも留意が必要です。
さらに、「地球温暖化対策のための税」の導入を機に、ライフスタイルをエコなものに見直していただくことで、税によるご負担は軽減されますので、ご家庭や職場でも、これを契機として、エコスタイルを実践していただければ幸いです。
地球温暖化対策税によるCO2削減効果としては、主として、[1]「価格効果」:課税を通じたCO2の排出抑制効果と[2]「財源効果」:税収をエネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策に活用することによるCO2削減効果の二つが見込まれます。
このほか、税施行前の排出抑制効果(事前アナウンスメント効果)や税導入により国民各層に普及がなされ地球温暖化対策への意識や行動変革を促す(シグナリング効果)といった[3]「アナウンスメント効果」などが考えられます。
このうち、地球温暖化対策税による価格効果と財源効果について、試算したところ、2020年において1990年比で約-0.5%~-2.2%のCO2削減効果、量にして約600万トン~約2,400万トンのCO2削減が見込まれます。
加えて、税の普及効果により追加的な取組みが行われることで更なるCO2削減効果が期待できます。また、産業・イノベーションの誘発効果として低炭素の技術・取組みが経済社会全体に浸透することによるCO2削減効果も期待されます。
地球温暖化対策税の税収は、初年度(平成24年度)391億円、平年度(平成28年度以降)2,623億円と見込まれています。
この税収を活用して、省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などのエネルギー起源CO2排出抑制の諸施策を着実に実施していくこととされており(第4次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)[PDF]p.75参照)、例えば、リチウムイオン電池などの革新的な低炭素技術集約産業の国内立地の推進、中小企業等による省エネ設備導入の推進、グリーンニューディール基金等を活用した地方の特性に合わせた再生可能エネルギー導入の推進等の諸施策が行われることとされています。
欧州諸国を中心とした諸外国では、1990年代以降、燃料などのCO2排出源に対する課税を強化し、価格メカニズムを通じたCO2排出の抑制や企業による省エネ設備導入の支援などを行う施策が進められています。また、2012年には、オーストラリアで排出量取引制度に移行することを前提とした炭素価格付け制度も創設されています。
第4次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)[PDF]においては、「税制については、諸外国の状況も含め、エネルギー課税、車体課税といった環境関連税制等による環境効果等を総合的・体系的に調査・分析することにより、税制全体のグリーン化を推進する」こととされています。(p.38参照)
環境省としては、第4次環境基本計画に基づき、持続可能な社会を構築するため、低炭素・循環型・自然共生など幅広い環境分野において税制全体のグリーン化を検討・推進し、公平で効率的な税制の実現に努めてまいります。