自然環境・生物多様性

ツシマヤマネコ

1.概要

(1)分類
  • ネコ目 ネコ科
  • ツシマヤマネコ
  • 学名  Prionailurus bengalensis euptilurus
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
  • 平成6年1月に国内希少野生動植物種に指定
  • 国の天然記念物
(2)分布及び個体数
  • 長崎県対馬のみに分布。
  • 生息数は100頭弱(70頭又は100頭)と推定されている。
  • 近年は対馬下島での生息情報が途絶えていたが、平成19年3月、自動撮影カメラにより23年ぶりに生息が確認され、その後4地域で生息情報が得られている。

写真:ツシマヤマネコ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 成体の体重3~5kg、体長50~60cmで、イエネコと同じかやや大きい程度。
  • 体全体の斑点模様、額の縞、太く長い尾や耳裏の白斑(虎耳状班)が特徴。
  • 夜行性で単独性。出産については、一回に通常1,2頭(飼育下での平均は2頭弱)で、イエネコと比較して少産である。
  • もっとも重要な餌はネズミ類で、他に鳥類や昆虫類等を食べる。

3.好適な生息地と生息を脅かす要因

  • 森林性で落葉広葉樹林を選好。主として谷筋や低地部を利用するが、集落周辺の田や畑も利用することが多い。
  • 好適生息地である落葉広葉樹林が減少した他、間伐の行われていない針葉樹植林が増加した結果、餌となるネズミ類の生息密度が低下したことに加え、河川改修や道路建設などによる生息地の分断、交通事故死が主な減少要因となっている。また、近年イエネコからの病気感染や餌資源の競合も問題となっている。
  • イノシシやシカによる植生の変化の影響が懸念される。

4.主な保護対策

  • 生息域内における保護対策(好適生息環境の維持・再生、交通事故対策、イエネコ対策、とらばさみ対策等)。
  • 生息域外における保護対策(飼育下個体群の確立、普及啓発等)
  • ツシマヤマネコと共生する地域社会の実現(普及啓発・環境教育、環境と経済の両立、行動計画づくり等)
  • 関係者の横断的連携の促進、科学的知見に基づく順応的管理

5.飼育下繁殖の実施と飼育分散(2015年1月時点)

  • 平成8年より5頭の野生個体を確保し、平成11年より福岡市動物園の協力を得て飼育下繁殖を実施。平成12年に初めて繁殖に成功。
  • リスク分散のため、日動水の協力を得て9園で31頭を飼育。5園で繁殖に取り組んでいる。
  • 平成26年に5年ぶりに繁殖に成功したが、飼育下個体群の高齢化が進んでおり、繁殖技術の向上や人工授精等の新たな技術の確立が必要。

6.参考

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