課題名

B-2 メタン・亜酸化窒素の放出源及び放出量の解明に関する研究

課題代表者名

陽 捷行 (国際農林水産業研究センター環境資源部)

研究期間

平成2−6年度

合計予算額

242,042千円 (うち6年度 53,799千円)

研究体制

(1)廃棄物処理場からの放出量の解明に関する研究(厚生省国立公衆衛生院)

(2)火山等からの放出量の解明に関する研究(通産省地質調査所)

(3)農耕地からの放出量の解明に関する研究(農水省農業環境技術研究所)

(4)家畜等畜産からの放出量の解明に関する研究

  _斑椶らのメタンの放出量の解明に関する研究(農水省畜産試験場)

 ◆〜霖呂砲ける温室効果微量ガス放出量の解明に関する研究(農水省草地試験場)

(5)産業廃棄物からの放出量の解明に関する研究(通産省資源環境技術総合研究所)

(6)閉鎖性水域からの放出量の解明に関する研究(環境庁国立環境研究所)

(7)下水処理場からの放出量の解明に関する研究(建設省土木研究所)

(8)自動車からの放出量の解明に関する研究(運輸省交通安全公害研究所)

研究概要

 自然および人為的過程で生成されるメタン及び亜酸化窒素の、各放出源における発生メカニズムと動態、計測手法、放出変動及び放出源別の大気環境への量的評価などを明らかにした。これによって、各放出源のメタン及び亜酸化窒素の放出量を、日本及び全球レベルで推定した。このことにより、メタン及び亜酸化窒素の温暖化への寄与率に基礎的のデータを提供できた。

研究成果

 大気中のメタンおよび亜酸化窒素濃度の増加が報告されてから、すでに15年以上の年月が経過したが、これらの気体の濃度増加の原因に対する一致した見解は得られていない。ここでは、自然及び人為的過程で生成されるこれらのガスの各種放出源における発生メカニズムや動態、計測手法、放出変動及び放出源別の大気環境への量的評価を明らかにするため、下記の研究を実施し、以下の成果を得た。

(1)廃棄物処理場からの放出量の解明に関する研究:ごみ焼却施設、し尿処理施設及び浄化槽からの放出量を実測し、わが国からのメタン放出量を推定した。ごみ焼却施設についての実測値を基に、OECD加盟国の放出量を推定した。廃棄物埋立地からのメタンの全球放出量を見積った。

(2)火山等からの放出量の解明に関する研究:いくつかの火山において、火山ガスを採取・分析し、メタン濃度について検討を行った。同時に行った火山ガスの放出調査の結果と総合し、メタン放出量の推定を行った。これまでの結果と、文献からの火山ガスの総放出量とにより、火山からの全球での放出量を見積った。

(3)農耕地からの放出量の解明に関する研究:日本・中国・タイ国の水田からのメタンフラックスを測定した。自動モニタリング方法を完成した。日本の水田からの発生量を推定した。肥料の種類による亜酸化窒素の発生量を調査した。水稲を通して発生するメタンのメカニズムを解明した。これらのデータと土壌の特性から、世界の水田からのメタン発生量を見積った。

(4)家畜等畜産からの放出量の解明に関する研究:反すう家畜のメタン発生量に及ぼす飼料の質・量の影響を明らかにし、わが国および全球の発生量を明かにした。草地におけるメタン・亜酸化窒素の放出量と放出変動要因を解明した。また、草地における放出量及び吸収量を試算した。

(5)産業活動からの放出量の解明に関する研究:メタンについては、日本国内の炭坑のモニタリングシステムのデータを分析し、各炭坑毎の発生量を推定した。また、世界最大の産炭国である中国のメタン発生量も推定した。亜酸化窒素については、各燃焼施設毎の排出係数と燃料消費量を用いて日本全体の化石燃料発電施設からの発生量を推定した。

(6)閉鎖性水域からの放出量の解明に関する研究:わが国の湖沼の栄養度とメタン濃度の関係を明らかにした。東京湾のメタン濃度の変動を明らかにし、海洋沿岸域および全球での発生量を推定した。

(7)下水処理場からの放出量の解明に関する研究:メタンは、下水の嫌気化および汚泥処理系からの逆流水に起因し、エアレーションタンク前部で曝気により放出されること、亜酸化窒素は、汚泥焼却炉からの放出量の割合が大きいことを明らかにした。これを基に日本と全球からの放出量を見積った。

(8)自動車からの放出量の解明に関する研究:自動車からのメタン及び亜酸化窒素測定手法を開発

し、種々の燃焼式自動車排出量を測定することにより、わが国及び全球における放出量を見積った。