研究成果報告書 J94B0250.HTM

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[B−2.メタン・亜酸化窒素の放出源及び放出量の解明に関する研究]

(5)産業廃棄物からの放出量の解明に関する研究


[研究代表者]

 

環境影響予測部 広域域間環境研究室

●林 正康

[通産省 工業技術院資源環境技術総合研究所]

 

熱エネルギー利用技術部 燃焼システム研究室

●城戸伸夫・守富 寛・鈴木善三

安全工学部 保安システム研究室

●井清武弘

大気圏環境保全部保全技術研究室

●水野光一


[平成2〜6年度合計予算額]

21,250千円(平成6年度予算額 4,781千円)


[要旨]

 温室効果ガスの一つであるメタン(CH4)と亜酸化窒素(N20)について、産業活動起源の発生量を推定した。発生源として、メタンについては石炭鉱山、亜酸化窒素については石油、石炭等の化石燃焼によるものを対象とした。
 わが国をはじめ先進諸国の炭鉱では保安確保のため鉱山保安法によりメタンの発生量を把握、管理しており、各種炭坑別のメタン発生量のデータが比較的整備されている。このデータを基に炭鉱からのメタン発生量を推定した。その結果、日本での出炭量当たりの平均排出係数は27m3/ton、メタンガスの発生総量は0.22Tg、そのうち大気への全放出量は0.15Tgという値を得た。また、中国における石炭採掘に伴うメタンガスの発生量を石炭の採掘量から推定し、中国全体の石炭算出量1,138百万トンを基にすると8.8Tgのメタンガスが排出されたと推定された。日本において化石燃料の燃焼に伴い発生するN2Oについては、エネルギー統計を基に、各種燃焼施設におけるN2Oの排出係数を決めることにより総量を推定した。その結果、化石燃料を使用する固定燃焼施設全体では約5Gg−N/Year、このうち大規模火力発電施設では1Gg−N/Yearと推定された。この中では石炭の流動層燃焼により発生するN2Oが全体の半分を占める。次に、中国及び全球における石炭燃焼に伴うN2O発生量を推定し、中国では約12Gg−N/Year、全球では90−210Gg−N/Yearと推定された。
 N2Oの発生量が大きい流動層燃焼についてその生成機構を実験的に調べると共に、効果的なN2Oの低減方法を検討した。その結果、N2Oの低減のためには装置内に補助燃料ガスを吹き込むことが効果的であることが判明した。


[キーワード]

メタン、亜酸化窒素、石炭、燃焼、産業活動