地球環境・国際環境協力

オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第24回締約国会合(概要)

平成24年11月16日
日本代表団

  1. 1.11月12日(月)から16日(金)までジュネーブにおいて、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第24回締約国会合(MOP24)が開催されたところ、会議の概要は以下の通り。我が国からは、外務省、農林水産省、経済産業省及び環境省の関係者が出席した。
  2. 2.本年がモントリオール議定書採択25周年にあたることから、会合の前日にこの25周年を振り返るセミナーが開催された。また、昨年に引き続き、オゾン層を破壊しないが高い温室効果を有する代替フロンであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)の扱いおよびその代替技術に関する議論が関心を集めた。また、臭化メチルを含むオゾン層破壊物質(ODS)に関する不可欠用途申請等につき、コンタクトグループや少人数会合等を含めた長時間にわたる交渉が行われ、主に下記の結果となった。

(1)HFC

 HFCの生産・消費を規制するためにモントリオール議定書を改正するとの北米三か国(米・カナダ・メキシコ)等による提案が昨年に引き続き提出された。
 ODSでないHFCについて、モントリオール議定書の枠組みで議論することに対してインド、中国、ブラジル等の途上国より引き続き強い反発があったが、我が国を含む先進国等は議論を行うべきと主張したため、ディスカッショングループが設けられた。同グループでは、代替技術や財政面の課題等について、これまでの会議に比べ実質的な議論が行われたが、各国の状況等に係る情報交換にとどまり、来年開催される第33回公開作業部会(OEWG33)で引き続き扱われることとなった。

(2)モントリオール議定書採択25周年記念セミナー

 会合前日の11月11日に、モントリオール議定書の25周年を振り返るセミナーが開催され、オゾンホールの発見とモントリオール議定書の成立に貢献したカリフォルニア大学モリーナ教授(ノーベル賞受賞者)、猪又JIU監査官を含む有識者によるハイレベルパネルが設けられた。パネルでは、モントリオール議定書は気候変動の緩和に大きく貢献しておりオゾン層保護と気候の問題は徐々に相互補完的になっていること、モントリオール議定書の履行により、HFCの使用が急増しているとの見解が共有された。

(3)臭化メチル

 米、カナダ及び豪からの2014年のイチゴ栽培土壌くん蒸用途等の不可欠用途申請に関し、MBTOC(臭化メチル技術選択肢委員会)により削減された勧告数量を受け入れられないとして三ヶ国は申請数量をそのまま認めることを求め、これに反対するEUとの間で議論が行われたが、最終的に申請数量どおり採択された。
 また、臭化メチルの検疫及び輸出前の使用(QPSMB)についてEU等から提出された決定案についてコンタクトグループで議論が行われ、昨年の決定に基づき各国から提出される情報も考慮して、OEWG33においてTEAP(技術経済評価パネル)に対して要請する分析の内容を検討すること、事務局が各国に対して昨年の決定に基づく情報提出をリマインドすること等が採択された。

(4)ODS代替物質の検討

 途上国のHCFCの段階的撤廃が2013年から始まることより、今次会合では、HCFC―22の副生物として排出されるHFC−23の扱いに関する議論、低温室効果のHCFC代替物質の環境便益や安全面からの検討等、HCFC代替に関する複数の議題が設けられ、コンタクトグループや非公式協議で議論が行われた。各議題の議論の過程において、多くの国が気候変動との連携の重要性は認識するものの、低温室効果の代替物質の導入にあたっては、途上国における技術の普及やコスト面など様々な問題があることが認識された。
 HCFC代替物質に係る議論では、環境調和型の技術やそのような技術を導入する際の障壁となる規制等について、TEAPが各国からの情報をとりまとめ、OEWG33で報告することが採択された。また、その際、安全面や健康への影響、地域の気候等についても考慮することとされた。

(了)

ページ先頭へ