地球環境・国際環境協力

オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第22回締約国会合(概要)

平成22年11月12日
日本代表団

  1. 1.11月8日(月)から12日(金)までバンコクにおいて、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書第22回締約国会合(MOP22)が開催され、締約国196か国(含むEC)のうち約140か国から参加があった。我が国からは、外務省、農林水産省、経済産業省及び環境省の関係者が出席した。
  2. 2.今次会合では、昨年に引き続き、オゾン層を破壊しないが高い温室効果を有する代替フロンであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)の扱いに関する議論が関心を集めた。また、ODS(オゾン層破壊物質)のバンク(市中に既に出回っている冷凍空調機器の冷媒等として使用・貯蔵されているものや、これらが廃棄物として回収されもしくは税関等で没収されたものの破壊されずに放置されているもの)対策、臭化メチルに関する不可欠用途申請等につき、コンタクトグループや少人数会合等を含めた長時間にわたる交渉の結果、下記の内容が合意された。

(1)HFC

 HFCの生産・消費を規制するためにモントリオール議定書を改正するとの北米三か国(米・カナダ・メキシコ)等の提案が昨年に引き続き提出された。
 ODSでないHFCについて、モントリオール議定書の枠組みで議論することに対してインド、中国、ブラジル等の途上国より引き続き強い反発があったが、我が国を含む先進国等は議論を行うべきと主張したため、ODS削減に係るガイドラインの評価についてのブラジル等からの提案とともに、低温室効果物質に関する非公式グループで議論されることとなった。
 非公式グループでは、上記提案のうちブラジル等の提案に絞って議論が行われたが、HFCの扱い等に関して対立が解消せず、来年開催される第31回公開作業部会(OEWG31)で引き続き議論されることとなった。

 なお、HFCの使用の増加による気候変動への影響に留意すること、低温室効果物質への代替を促進するために適切な措置を講じること等が、米国、カナダ、我が国を含む91カ国によって宣言された。

(2)ODS破壊処理

 今後のODS破壊処理について、ODS破壊技術とODSバンク処理のための資金との二点を中心にコンタクトグループを設けて議論が行われた。

 ODS破壊技術については、2010年の技術経済パネルの報告に臭化メチル等を破壊する新たな技術が示されたことを踏まえ、MOP15で決定された破壊技術のリストを更新すること、破壊技術や施設に関する基準の作成をTEAPに求める内容の決定が採択された。
 一方ODSバンク処理のための資金については、本年7月に開催されたODS破壊に関するセミナーの結果等を踏まえ、引き続き議論を継続していくこととなった。

(3)臭化メチル

 土壌くん蒸用臭化メチルの使用を2013年で全廃することとしているわが国の2012年使用分の数量については、MBTOC(臭化メチル技術選択肢委員会)による勧告数量どおり決定された。これにより、わが国の2012年使用分数量は、土壌くん蒸用については申請数量どおりの216.12トン、一方収穫物くん蒸用については、代替剤であるヨウ化メチル剤が農薬登録されていることから、申請数量に対し30%減の3.489トンとなった。

 また、臭化メチルの検疫及び輸出前使用(QPSMB)について、EUからOEWG30に提出された決定案を全面的に修文した決定案が提出された。本決定案は、TEAPに対し、各国におけるQPSMBに関する詳細な情報を収集すること、各国のQPSMBに関する規則等を調査すること、またQPSMBの削減可能量等を評価することを求めており、コンタクトグループでは、米国、豪州、NZから反対が表明された。EUが再度修文のうえ議論することとなったが、米国等が検討に時間的余裕のないことを表明し採択は見送られることとなった。

(4)資金メカニズム・事務局の運営

 3年に一回行われるMLFの増資交渉を来年に控え、2012−2014年の増資における必要額をTEAPで試算するための調査の実施要領が決定された。また、カナダからの提案により昨年以来議論されていたMLFの運営状況や成果に関する評価の実施要領が決定され、来年一年間かけて評価を実施することになった。

(了)

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