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フロン排出抑制法の概要

フロン排出抑制法の背景・目的

1. フロン類とは

フロンとは、フルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称です。フロン排出抑制法では、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)を「フロン類」と呼んでいます。


化学的にきわめて安定した性質で扱いやすく、人体に毒性が小さいといった性質を有していることから、エアコン、冷蔵・冷凍庫の冷媒や、建物の断熱材、スプレーの噴射剤など、身の回りの様々な用途に活用されてきました。

この図は、身の回りのフロン類の活用例を示した図です

しかし、オゾン層の破壊、地球温暖化といった地球環境への影響が明らかになったため、より影響の少ないフロン類や他の物質への代替が、可能な分野から進められています。

2. オゾン層への影響と対策

オゾン層は上空の成層圏に有り、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守っています。しかし、CFC,HCFCといった一部のフロンが大気中に放出されるとオゾン層まで到達して、オゾン層を破壊してしまいます。


南極では、オゾン層に穴が空いたような状態になる、いわゆるオゾンホールが発生し、1980年代以降、急激に拡大しました。現時点では長期的な拡大傾向はみられなくなり、今世紀末には元の状態に回復すると予想されていますが依然として深刻な状況にあり、引き続き対策が必要です。

この図は、南極のオゾンホールの状態を示した図です

3. 地球温暖化への影響と対策

CFC、HCFC はオゾン層保護対策として生産・輸入が規制されていますが、温室効果も大きい物質です。CFC、HCFC の代替として、主に HFC(代替フロン)への転換を進めてきましたが、HFC は、オゾン層を破壊しないものの、二酸化炭素の 100 倍から 10,000 倍以上の大きな温室効果があります。地球温暖化の防止のためフロンの排出を抑制するとともに、ノンフロンや温室効果の低い物質にしていくことが重要となっています。

この図は、オゾン層保護対策の概要を示した図です

4. フロン排出抑制法の制定

日本では、平成13年に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」が制定され、業務用冷凍空調機器の整備時・廃棄時のフロン類の回収、回収されたフロン類の破壊等が進められてきました。


しかし、「冷媒HFCの急増」 、「冷媒回収率の低迷」、「機器使用中の大規模漏えいの判明」等の問題について、「ノンフロン・低GWP製品の技術開発・商業化の進展」、「HFC の世界的な規制への動き」といったフロン類をとりまく状況の変化も踏まえて対応をすることが必要となってきました。


そのため、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策が取られるよう、平成25年6月に法改正し、名称も「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」と改めました(平成27年4月1日施行)。

5. フロン排出抑制法の改正

10年以上4割弱で低迷していた廃棄時回収率向上のため、令和元年6月には機器廃棄時にユーザーがフロン回収を行わない違反に対する直接罰の導入等、抜本的な対策を講じる改正を行いました(令和2年4月1日施行)。

フロン排出抑制法とは?法の全体像についてご紹介します。

Q&Aよくあるご質問についてお答えします。

環境省政策ホームページ オゾン層保護・フロン類対策「フロン排出抑制法」

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