食料・農業・農村政策審議会食料産業部会 第19回食品リサイクル小委員会 中央環境審議会循環型社会部会 第17回食品リサイクル専門委員会 第17回合同会合 議事録

平成30年11月12日(月) 10:00~12:00、13:00~15:00

農林水産省本館 7階 第3特別会議室

<議事次第>

(1)

関係者からのヒアリング

(2)

その他

<配布資料>

議事次第[PDF 62KB]

資料 1

山崎製パン株式会社 ヒアリング資料[PDF 4300KB]

資料 2

三菱食品株式会社 ヒアリング資料[PDF 846KB]

資料 3

株式会社ローソン ヒアリング資料[PDF 1800KB]

資料 4

株式会社カスミ ヒアリング資料[PDF 1400KB]

資料 5 株式会社吉野家ホールディングス ヒアリング資料[PDF 3200KB]
資料 6 津南町農業協同組合 ヒアリング資料[PDF 1400KB]
資料 7 株式会社開成 ヒアリング資料[PDF 4600KB]
資料 8 北九州市 ヒアリング資料[PDF 2200KB]

<議事録>

午前10時00分 開会

○冨安室長 それでは定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の第17回合同会合を開催させていただきます。

 環境省リサイクル推進室長の冨安でございます。今日はよろしくお願いいたします。

 委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本合同委員会の事務局及び議事進行は、農林水産省と環境省で持ち回りとさせていただいております。今回は環境省が事務局を務めさせていただきます。したがいまして、今回の座長につきましては、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会座長の石川先生にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、報道各社の皆様におかれましては、御理解のほどよろしくお願いをいたします。

 それでは、前回の合同会合に御欠席をされまして、今回御出席の委員の方を御紹介させていただきます。

 一般社団法人全国清掃事業連合会専務理事でいらっしゃいます山田久委員でございます。

 本日の委員の出席状況でございますが、両審議会の委員数は合わせて24名となっておりまして、お二人遅れていらっしゃるという御連絡をいただいている先生もございますけれども、21名の委員の御出席をいただくということで聞いてございます。

 中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会のほうでは、委員数16名のうち14名の御出席を頂戴いたしております。

 続きまして、食料・農業・農村政策審議会につきましては、農水省様からよろしくお願いします。

○野島室長 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会では、委員数14名のうち、12名の御出席をいただいております。

○冨安室長 ありがとうございました。

 それでは、以降の議事進行を石川座長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○石川座長 おはようございます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日は午前、午後の4時間と長丁場になりますが、どうかよろしくお願いいたします。主にヒアリングということですので、現場で何が起こっているのか、どういう課題があるのかということを伺うという意味で、恐らくインプットとして一番重要な日になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず議事に入る前に、事務局より資料の確認をお願いしたいと思います。

○冨安室長 資料の確認からさせていただきます。

 お手元の資料を御確認願えますでしょうか。議事次第、委員名簿、座席表、資料1から資料9までのヒアリング先から頂戴しております資料をお配りいたしております。お手元の資料を御確認いただけますでしょうか。もし過不足等ありましたら、事務局まで御連絡を頂戴できればと思います。

 なお、本日の資料につきましては原則全て公開とさせていただきます。また、合同会合終了後には、発言者名を示しました議事録を作成いたしまして、各委員、ヒアリングへの対応者に配付、御確認いただきました上で公開をさせていただきたいと存じます。

 以上でございます。

○石川座長 ありがとうございました。

 それではヒアリングに入りたいと思いますが、まずヒアリング先の選定につきましては座長一任ということになっておりました。セクターとしてはサプライチェーンの川上から川下、それから収集したものの再資源化、それから地方自治体、それから消費者団体というセクターに分けて、代表的なトライアルをやられているというところで、総合的に判断して選ばせていただきました。

 本日、午前が5件、午後が4件ということで多数ございます。1件当たり15分ということで発表をお願いしたいというふうに思います。発表終了3分前に1度事務局からお知らせをして、15分たったところで終了していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず最初、山崎製パン株式会社の森本様から御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山崎製パン株式会社(森本様) ただいま御紹介をいただきました山崎製パンの森本でございます。本日は事例の発表のお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 それでは、お時間も限られておりますので、早速プレゼンに入らせていただきます。

 「ヤマザキパンの食を大切にする取り組み」ということで、次のページをお開きください。

 右上にページ数が打ってございます。

 まず山崎製パンの概要でございますが、設立は昭和23年ということで、本年創業70周年を迎えております。また、売り上げにつきましては、連結で1兆500億余り、また従業員数、こちらも連結で2万7,000人ほど、パートの方を含めると6万人強となります。販売先といたしましては、11万店のお店に日々お届けをいたしております。

 次をお願いいたします。

 山崎製パンの事業の内容でございますが、パン・和洋菓子製造販売を主な事業といたしております。そちらに写真があるような製品でございます。

 次のページをお願いいたします。

 また、グループ会社におきましてお弁当、おにぎり、サンドイッチ、麺類、あるいは製菓といったものを扱っております。右下の不二家、東ハト、あるいはヤマザキビスケットなどもグループの会社でございます。

 次をお願いいたします。

 また、販売店のチェーン展開もいたしておりまして、コンビニエンス業態といたしましては、左上のデイリーヤマザキがフランチャイズ展開をいたしております。また、その右、サンエトワール、焼きたてパンのチェーン展開をいたしております。

 下2つはグループ会社で行っている展開でございまして、ヴィ・ド・フランス、あるいはデリフランスという名前で駅などに出店をいたしております。

 次をお願いいたします。

 ヤマザキパンの全国の拠点でございますが、生産拠点といたしまして、工場が29カ所ございます。非常に多くの工場になっておりますが、パンは日もちがしないこと、鮮度が要求されるということがございまして、配送に時間がかけられないと、そういったことがございまして、工場を多く設置いたしております。

 また、同じ理由で、問屋等を通す時間が非常にございません。ということで、直接工場からお店に納品をいたしますので、物流拠点も非常に多くなっております。

 次をお願いいたします。

 受注から納品の流れですが、今90%以上がオンラインの受注になっております。そのデータをもとに工場で生産をいたしましてお店に直接届けるということですが、基本的には1日2回配送を行っております。

 次のページをお願いいたします。

 廃棄物についての考え方でございますが、事業活動に伴って、どうしても廃棄物というのは発生いたしますが、現在、ほとんどの廃棄物が資源ということで有効活用されておりますので、「廃棄物」と呼ばずに「排出物」と呼ぼうと。また、特に食品につきましては「食品廃棄物」とせずに「未利用食料」と呼んでいこうということをやっております。

 次をお願いいたします。

 排出物の処理につきまして、法令遵守が最も重要でございますが、法令遵守の取組といたしまして、1つ、委託先とのコミュニケーションの促進。定期的な現地確認や情報交換を行っております。また、電子マニフェストの導入を進めておりまして、確実な処理確認をしていこうということで、今全工場で約350本ほどの委託契約がございますが、大体8割ぐらいが電子マニフェストの契約となっております。

 また、3つ目、トラックスケール。右に写真がございますが、トラックごと重量をはかる機械でございまして、発生量や委託量の正確な把握を進めていこうということでございます。ほとんどの工場に導入しております。

 次をお願いいたします。

 ここから、どうしても出てしまう未利用食料の有効利用でございますが、まず発生抑制を進めていこうと。これには副産物の食品への利用も含まれております。次には、飼料化、肥料化、また油脂製品化、エネルギー化なども順次やっております。

 右の円グラフのとおり、8割ぐらいのものについては飼料原料として利用しております。

 次をお願いいたします。

 未利用食料の発生量でございますが、昨年13万4,000トン余りが発生しております。右の円グラフで御覧のとおり、半分以上、「ランチパック」等を生産する際の食パンの耳、副産物として出る食パンの耳が最も多く出るものでございます。

 次をお願いいたします。

 発生抑制、食品リサイクルの実績でございますが、食品リサイクル法で業種別の原単位の発生抑制目標が設定されておりますが、パン製造業につきましては売上高100万円当たり194キロ以下と設定されておりますが、昨年度187キロでクリアをいたしております。

 また、2つ目のリサイクル率でございますが、こちらもリサイクル法で2019年までの食品製造業のリサイクル率として95%が設定されておりますが、昨年度98.2%でクリアをいたしております。

 次をお願いいたします。

 ここから具体的な取組の例でございます。まず発生抑制でございますが、一番発生量が多い食パンの耳の食品利用の例でございます。右の写真の「ランチパック」という製品がございますが、これは左のイラストのように、食パンの中をくり抜いてつくる製品でございまして、周りの、いわゆる耳が残るということでございますが、これをグループのお菓子メーカーのほうでお菓子にして販売しています。「ちょいパクラスク」という名前で発売しておりますが、これは2012年度のエコプロ大賞の環境大臣賞を頂戴いたしました。

 次のページをお願いいたします。

 こちらも食品利用の例で、右上の写真で「まるごとバナナ」という、これは洋菓子の製品でございますが、スポンジにバナナと生クリームを巻き込んだ製品でございまして、バナナは左下の写真のように両端をカットして利用しております。そのカットした部分を右下の、例えばパウンドケーキに使ったりいたしております。

 次をお願いいたします。

 これも同じく「まるごとバナナ」の例ですが、周りのスポンジにつきまして、左のような円筒形のケースで焼いたものをスライスして使いますが、一番上と一番下の面が焼き色がついて使えないということがあります。それを右下のパイケーキの製品に使っているといった例でございます。

 次のページをお願いいたします。

 これはパン粉の委託加工の例でございます。左下のように、食パンを生産する際に、どうしても耳が出てしまいますが、これをパン粉メーカーのほうで使っていただいております。そのパン粉を伊勢崎というハンバーグなどをつくっている工場でまた仕入れまして、メンチカツやハンバーグのつなぎとして利用して、そのメンチカツなどを、そこの写真にございますような製品にまた利用していくということで、1つのリサイクルループの例でございます。

 次をお願いいたします。

 次は工場ではないのですが、農産物の発生抑制ということで、未利用農産物の食品への利用の例でございます。例えば、一昨年10月に鳥取県で大きな地震が発生いたしまして、倉吉市などで梨の実が全部落ちてしまうというようなことがございました。その落ちた梨を使いまして、グループ会社でピューレ─まあ、ジャムのようなものですが、それに加工して、鳥取県を担当する岡山工場でそのジャムを使った地産地消製品を発売しているといった例でございます。

 次のページをお願いいたします。

 これも同じような例で、形が悪いなどで市場に出せない規格外農産物を原料として使っているという例でございます。ほとんどが地元のJAさんとの共同企画でやっている例でございます。

 次のページをお願いいたします。

 こちらはお店や家庭での食品ロスの削減につながる発生抑制の事例でございますが、消費期限・賞味期限を延ばしていこうということでございます。どうしても短いと、お店や家庭での廃棄ロスにつながる可能性が高くなるといったことがございますので延ばしていこうということでございます。1つは包材などの改善によって延ばしていくという例でございますが、左下の例えば焼き菓子です。こちらは、それまで密閉された容器ではなかったのですが、これをバリア性の高い容器に改善し、また包材の中に脱酸素剤を入れることによりまして、15日から45日に延長したという例でございます。

 右のロールケーキにつきましても、5日から10日に延ばしたといったことでございます。

 次をお願いいたします。

 こちらも消費期限・賞味期限の延長の例ですが、こちらは特別な改善をしたということではなくて、設定基準の見直しによって延長した例でございますが、消費期限は2005年の厚生労働省・農林水産省の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」、これに基づいて設定いたしております。科学的根拠に基づいた保存可能期間に1未満の安全係数を掛けて設定するとされておりますが、1未満より小さければ小さいほど消費期限が短くなります。したがって、廃棄ロスの可能性が高くなるということでございますが、そういったこともありまして、2015年に消費者庁から食品表示基準のQ&Aというものが出されておりまして、安全係数は0.8以上を目安に設定することが望ましいといったことが出されております。これに基づきまして、一部製品の設定を見直しまして、そちらに書いておりますような、例えば和菓子を3日から4日、あるいはミニパンを3日から4日、惣菜系の「ランチパック」について2日から3日という形で最近延ばさせていただきました。

 一部のお店にお聞きしますと、廃棄ロスがかなり減少したということをお聞きしております。

 次をお願いいたします。

 こちらは、いわゆる量目の少ない製品の企画の例でございますが、右下のグラフのように、単身世帯が今非常に伸びておりまして、ここ20年で倍近くに伸びているということがありまして、ハーフサイズの食パンであるとか、量目の少ない製品を企画して出しております。需要は非常に伸びております。

 次をお願いいたします。

 また、啓発活動といたしまして、先ほどの各工場にヤマザキマーケットクルー、通称「Mクルー」と申しますが、女性の営業スタッフが100名ほど写真のようにおりまして、学校や店頭などでミールソリューション活動、あるいは食の大切さを訴える活動を行っております。

 次のページをお願いいたします。

 続いてはリサイクルの例で、先ほど申し上げましたとおり、80%ぐらいの未利用食料は飼料に利用されているということでございますが、左下の写真のように、ほとんどのものは養豚用の飼料として利用されております。

 次をお願いいたします。

 その飼料を使ったリサイクルループの取組の例でございますが、これは安城工場で、左下の安城工場から、パンをつくる際に出る耳を使って、飼料メーカーが飼料をつくります。これはエコフィードの認証を得ておられます。それを使って豚を育て、食肉センターで肉にし、加工品メーカーでハムやソーセージにします。それをまた使ってパンをつくるといったループの例でございます。

 次をお願いいたします。

 こちらも全く同じループの例で、これも横浜工場で行っている例でございます。こちらもエコフィードの認証を取っております。また、畜産物を使った製品につきましては、弊社がエコフィード利用畜産物認証をいただいております。

 次のページをお願いいたします。

 こちらは、できた豚肉を肉のまま、グループのスーパーで精肉として販売しているループの例でございます。そこにありますとおり、「エコニコポーク」という名前で販売をいたしております。また、このお肉を全国の工場の食堂で仕入れまして、従業員食堂で「エコポークの日」というものを設けて、従業員にメニューを提供しているといった例でございます。

 次をお願いいたします。

 最後に、フードバンクの取組でございます。

 今全国で4つのフードバンクの団体と試験的に取組を行っております。右上の松戸・千葉の工場ではセカンドハーベストジャパンさん、その下、グループ会社でございますが、サンキムラヤではフードバンク山梨さん、左上、広島工場ではフードバンク広島さん、名古屋工場ではセカンドハーベスト名古屋さんと取り組み、昨年度11万個ほどの寄贈を行っております。

 次をお願いいたします。

 今後の課題ということですが、パン製品は消費期限が非常に短いということがあり、過剰製品を繰り越して出荷するということができませんので、見込み生産によるロスをどうやって減していくかといったことが1つございます。

 また、副産物、先ほど食パンの耳が一番出ると言いましたが、副産物の食品へのさらなる利用、これを進めていくといった課題がございます。

 以上、大変足早な説明でお聞き苦しい点もあったと思いますが、今後とも関連先と連携しまして食品ロスの削減に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御指導のほどよろしくお願いいたします。

 以上です。ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございました。時間ぴったりでした。

 先ほど御説明を忘れていたんですけれども、午前中5件終わってから、まとめて質問、御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは続きまして、資料2のほうから三菱食品株式会社様にお願いいたします。

○三菱食品株式会社(瀬山様) それでは、御紹介いただきました三菱食品株式会社における食品ロス削減と食品リサイクルの取組状況並びに現状の課題につき、お手元の資料に沿って御報告させていただきます。

 私は法務グループ環境業法ユニットの瀬山と申します。よろしくお願いします。こちらがロジスティクス本部戦略オフィスの小林でございます。よろしくお願いいたします。座らせていただきます。

 それでは、アジェンダをお願いいたします。本日、このアジェンダの項に沿って御説明を申し上げます。

 まず、弊社の概要。次に、弊社における食品廃棄物の排出量の推移、これをお示しした後、弊社の食品ロス削減及び食品リサイクルの取組、続いて現状の課題についてお話をいたします。

 まず、弊社の概要についてでございます。次のページを御覧ください。

 弊社、三菱食品株式会社は、三菱商事株式会社を親会社に持つ総合食品卸売業の会社でございます。

 弊社の概要は、資料に記載のとおりでございます。

 なお、弊社は農林水産省所管の業界団体である一般社団法人日本加工食品卸協会、以降「日食協」と申し上げますが、ここの会員企業でございます。環境問題対応については、日食協環境問題対応ワーキンググループにて定期的に会合を開催して、意見交換、情報共有等を行っております。

 次に、弊社における食品廃棄物等の排出量の推移について御説明いたします。

 次のページを御覧ください。

 このグラフは、弊社が食品リサイクル法の定期報告書に記載した直近3年間の実績を時系列に表したものでございます。平成27年度は関東・東北における豪雨、河川決壊、平成28年度は九州北部豪雨、熊本大震災などの自然災害により、食品廃棄物等の発生増加に影響があったものと思われます。

 また、平成29年度は、弊社社内において食品廃棄物の適正処理管理の重要性を従前より強く説いていったことにより適正処理が進み、排出量全体が多くなっているものと考えております。

 次のページを御覧ください。

 このグラフは、弊社の食品再生利用率を時系列に示したものです。青い棒グラフは、食品リサイクル法定期報告書に記載されている再生利用率、オレンジ色の折れ線グラフは再生利用実施量と熱回収量の和を食品廃棄物等排出量で除算した数値でございます。

 定期報告書に記載される再生利用実施率である青い棒については、ここ2年間は目標値である70%を超えております。

 また、単純な年度ごとの再生利用率を示すオレンジ色の折れ線の数値も同様に卸売業の目標値が70%を超えることとなり、単なる焼却廃棄から再生利用へ転換が進みつつあります。

 次のページを御覧ください。

 食品リサイクル法では、業種ごとに発生抑制目標値が設定されており、私ども食料・飲料卸売業、そちらでは目標値は平成26年3月度まで100万円当たり4.78キログラムでした。しかしながら、実際に数値を取得して100万円当たりの発生量を算出すると、毎年度その数値を大きく下回っており、同業他社においても同様の数値で推移しているというふうに聞いております。

 平成26年4月以降は、食品卸売業界にて、この100万円当たり4.78キログラムの目標値を自主的に継続して目標値とすることを業界団体の定める低炭素社会実行計画に記載の上、排出抑制に努めております。

 次のページでは、弊社での取組内容について御説明いたします。次のページをお願いいたします。

 まずは食品ロス削減の取組についてですが、御覧の項目を進めております。全て弊社の業務に直結した取組ですが、どれも即効性のある施策ではなく、継続することで効果が現れる取組でございます。中でも特筆すべきは、項目番号2番の製配販の連携による返品削減です。食品卸1企業だけではなく、業界団体である日食協会員企業を中心としてメーカー小売と連携を行い、サプライチェーン全体での業務改革に伴う流通在庫の適正化、ひいては食品ロスの削減を進めているところであります。

 また、いわゆる3分の1ルールについては、生活者の意識の問題も含めて、今後も議論が必要となる課題と考えております。

 なお、私どもの食品廃棄物等の発生状況については、平成24年度に開催された農林水産省のワーキンググループの報告書に概要説明がございます。

 次のページを御覧ください。

 食品卸売業における食品廃棄物等の発生状況及び発生抑制の可能性について、平成24年1月に公示された食品廃棄物の発生抑制の目標値検討ワーキンググループ報告書に調査結果として、その概要が記載されております。

 次に、弊社の食品リサイクルの取組について御説明いたします。次のページとなります。

 食品リサイクルの取組について、再生利用実施率、発生抑制ともに目標値を上回っており、地道な継続的な努力が続けられているものと考えております。以前は社内でもリサイクルの意識がなかったため、再生利用業者との処理委託契約をトップダウンで進め、処分場視察を義務づける等、ルールを徹底したことが功を奏しているかと思われます。

 なお、フードバンクの活用については、提供する商品の問題、商品ブランドを抱えるメーカーとの取組等も絡んでおり、近年、弊社では縮小傾向にございます。

 処分場視察については、社内で廃棄物全般に汎用的に使用できる帳票により対応いたしております。

 次のページにイメージをお示ししております。これがそのチェックリストです。各拠点の環境対応担当者は、この帳票をもとに処理委託契約先である処理業者への処分場視察を行います。なお、その際、写真撮影をさせていただきます。そして、処分場の撮影を拒否する業者と処理委託契約は締結しないということにしております。その理由は、皆様御存じのことと思います。

 次のページをお願いいたします。

 御説明したとおり、食品ロス削減や食品リサイクルの取組を続けていると、食品廃棄物の発生抑制、これが最も重要であることがわかります。前述した発生抑制の目標値を見ると、他業種よりも目標値が低いことがおわかりいただけると思いますが、弊社の主な食品廃棄物の発生現場である物流拠点でその実物を見ると、食品廃棄物等がなければ、それを処理する必要もない、そのコストもかからないということを改めて認識させられます。

 どうしても発生してしまう食品廃棄物等を処理するに当たっては、課題は幾つか挙げられます。次のページに記載いたしました。

 まず、私どもが排出する食品廃棄物等は容器包装が可食部分と一体であり、分別が極めて難しいことが挙げられます。近年、労働力不足が叫ばれる中、食品卸売業においても、それは当てはまります。

 食品廃棄物と容器包装を分別する人員に加えて、物流拠点の管理者、作業者自体を確保することも容易でないのが現状でございます。また、地域により私どもの排出する食品廃棄物等を処理できる業者が少ないこと、食品リサイクル法の規制に関して対応したくても対応しづらい要因もあると考えております。そして、食品リサイクルをよりよいものにするには、再生利用業者が製造した飼料・肥料、内容や売り先についても把握する必要があるのではないかと考えております。

 なお、業者選定については食品リサイクル法が最初に改正された平成19年、弊社は当時の再生利用業者117者に対してアンケートを実施いたしました。

 次のページをお願いいたします。

 このアンケートでは、このページの右下部分に記載した、弊社が排出する食品廃棄物等の特徴を説明した上でヒアリングを行いましたが、やはり容器包装の分別や塩分、香辛料等の多さがその足かせになる場合が多かったことを記憶してございます。今では、容器包装ごと処理をしていただける業者も散見されますが、その数は多くないのが現状でございます。

 最後にまとめとなります。

 まず、社内の食品廃棄に関する意識をさらに向上させ、まずは排出量自体の削減を進めなくてはなりませんと弊社は考えております。その上で、どうしても発生してしまう食品廃棄物に関しては、適切にリサイクルを実施してまいりたいと考えております。

 また、自社の取組だけではなく、食品サプライチェーン上のほかの企業や業種と協働で無駄のない食品流通を進めていくことにより、食品廃棄物等の削減を図ることが重要であると考えております。

 私どもの報告は以上です。早口で申し上げて、ちょっとわかりづらかったと思いますが、以上です。よろしくお願いいたします。

○石川座長 どうもありがとうございました。大変簡潔に、卸売業特有の課題を正直に述べていただいたのかなというふうに思います。

 続いて、株式会社ローソン様の三浦様からお願いいたします。

○株式会社ローソン(三浦様) 皆さん、こんにちは。株式会社ローソン環境社会共生・地域連携推進部の三浦と申します。本日はよろしくお願いいたします。座らせていただきます。

 弊社は、会社概要ということで記載をさせていただいているんですが、店舗数1万4,340店舗。本日は国内の話ですので、国内の店舗数ということで御説明をさせていただきます。1日のお越しいただいているお客様の延べ人数ということで、1,150万人の方にお越しいただいています。

 弊社の店舗のブランドなんですが、主には青い看板のローソン、そのほかに東京、関東のみに展開しております「ナチュラルローソン」、それと「ローソンストア100」という低価格のブランド、主にこの3本の店舗の形態で店舗運営をしております。

 次をお願いいたします。

 こちらが「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」と、こちらが弊社の企業理念ということで、全社員、アルバイトも含み、こちらを実現するために店舗経営をしておるということになります。

 ローソングループの目指す姿ということで、次のページになります。これは体系図なのですが、一番左下にある社会課題。昨今、食品廃棄のみならず、コンビニで抱える課題というのが非常に大きくクローズアップされている中で、ここに対してどういう打ち手をしていって、最終的に先ほど申しました企業理念をどう具現化するかと。その中でSDGsにも貢献できるような企業につくり上げていきたいというのが我々の考え方ということになります。

 次をお願いいたします。

 ローソングループの環境方針ということで、基本理念を記載の内容で掲げております。常に環境に配慮した事業活動を行うとともに、地域社会との共生と持続可能な発展に向けて積極的に行動します。

 次のページがその方針の中身ということですが、一番トップのところに、1番のところに低炭素社会の構築に向けてということで、廃棄物の削減に取り組むということを弊社はうたっております。

 それでは、具体的な内容に入りたいというふうに思います。次のページを御覧ください。

 店舗の廃棄物発生量ということで記載をしております。弊社は全国津々浦々に店舗がございますので、この円グラフが全国全店この数字かと言われれば、これは全く違うものですが、目安として。我々は年に何回か展開調査を行って、いろいろなパターンのお店、いろいろなお客様の来られる偏差をとりながら展開調査というのを行っております。

 主に店舗で発生する廃棄物に関しては、店舗で自ら出す廃棄物とお客様が持ち込まれる店頭、場合によっては店内にあるんですが、ごみ箱がございまして、そちらの廃棄物の合計ということになります。

 本日のテーマである廃棄物、食品のリサイクルということに関して申しますと、売れ残り食品、左上のところに書いてある9.2キログラム、こちらの数字が1店舗当たりの排出量ということになります。食品リサイクル法に該当する範囲で言うと、廃油2.2キロ、こちらのほうも全店舗にフライヤーを装備していますので、廃油が大体1日当たりこのぐらい出るということになります。

 参考までですが、右側の燃やすごみについては、こちらはお客様が持ち込まれるごみの量がかなり多くを占めるということになります。

 あとペットボトルとか缶もそうです。お店のほうから排出をするというのは、こちらのほうもあまりないということになります。

 右側に記載をさせていただいているローソンの廃棄物削減対策ということで、発生抑制と再生利用ということで、これから説明をさせていただきたいと思います。

 次のページをお願いします。

 「セミオート発注」という聞き慣れない名前が書いてあるかと思うんですが、ローソンでは弁当やおにぎり、調理パンなどの商品の発注にセミオート(半自動)発注システムというのを設けております。これは、基本的にはオーナー様の店舗経営をサポートするということで、いろいろな、例えば天気であるとか、昨年の実績であるとか、客層であるとか、そういったことを分析しながら、AIを使って、ある程度お店に、「今日はこのぐらいお弁当があればよろしいのではないでしょうか」ということを提案するシステムなんですが、これで発注の精度が上がって、発注業務も簡素化されると。お客様に支持される売り場の実現が可能になりますということなのですが、これはこちらにも記載していないんですが、このセミオート発注の提案の発注数というのは、同時にお弁当をつくっている製造工場にもデータが配信されます。これによって、今まではお弁当を切らしてはいけないということで、製造工場のほうでも見切りでお弁当を事前にある程度の数をつくっておったということで、そこから発生するロスもそれなりに存在をしたのが、お店は大体今日このぐらいの発注が上がってくるだろうということを、ある程度の根拠を持った数字を製造工場のほうにも御提案することによって、トータル的に廃棄を抑制したいというようなシステムになっております。

 次のページを御覧ください。

 食品リサイクル実施店舗の推移ということでまとめさせていただいております。

 弊社の食品リサイクル率は44.5、法定目標は42.5ということで、かろうじてクリアをしておるという状況ですが、赤枠で囲っているところに書いてあるのは店舗数なんですが、13,156、1万3,156と記載されているのが廃油のリサイクルです。ですので、先ほど弊社は1万4,000店舗ほどございますというお話をさせていただいたんですが、概ね廃油はリサイクルされている。その上に2,845という数字があるんですが、こちらの数字が食品リサイクル、食品残さをリサイクルしている店舗数ということで、急激に店舗数が下がるということで、ここが我々の最大の課題です。ここで店舗数が少ない最大の理由は、店舗を出店しているエリアに食品リサイクルをする施設がないということが1点。それと、あっても一般廃としての食品残さを受け入れてくれないと。産廃でまとまった量を受けるというふうな形で、各店舗からの収集は難しいというふうに言われる会社さんが非常に多いという中で、取引先を探すというのは我々の現状の課題ということになります。

 その中で、若干成功をしている内容を書かせていただいています。次のページです。

 千葉でリサイクルループということで、店舗で回収した食品残さを食品リサイクル工場で加工して、飼料化してニワトリの餌にして、その卵をまたローソンで販売するということで実施をしております。このローソンの店舗というのは、概ね東京の店舗の食品残さをこちらのほうは利用しております。

 次のページなんですが、こちらのほうは、弊社は「からあげクン」というお客様に非常に支持されている商品があるんですが、それを製造するときに使っております廃食油を加工して精製して、店舗の発電システムに利用しているという店舗が、これは兵庫県にある夢前スマートインターというお店なんですが、テストで実験をしております。機械自体の騒音が非常に大きいとか、発電効率がまだ悪いとかというような課題があるので、なかなか水平展開はできておらないんですが、もう少し低価格になれば機器も低価格になって静音性も高まればということで開発を考えておるということです。

 次のページがサプライチェーンにおける取組ということで、こちらは弊社の製造の段階から配送に至るまでの流れが書いてあるんですが、ここで「ムダを出さない製造体制」というところに赤枠をしております。

 次のページをお願いいたします。

 次に説明をしてまいりますが、弊社は全国に23カ所農場を持っております。その農場でつくられた野菜は、野菜として販売をする以外にも、規格外の野菜が生産された場合は、それをサラダとか、ほかの商品に再利用することで無駄をなくしているというようなスキームをつくっております。

 次のページをお願いします。

 ローソンファーム、先ほど御説明したとおり、23カ所で現状展開をしておるということなんですが、このローソンファームでも食品リサイクルで生成された堆肥を投入してほしいという要請を行っておるんですが、食品リサイクルから生成される堆肥が野菜をつくる上ではなかなか合わないことが多いということで、ここでのスキームをなかなかうまくつくれないのが、今ちょっともどかしいところでございます。

 次のページがローソンファームのこだわりということで、中嶋農法ということですが、これは御確認をいただければよろしいかなと思います。

 次のページをお願いいたします。

 ローソンファームにおけるJGAP認証の取得ということで、ローソンファームは一部を除いてJGAP認証を全て取得しておるということになっております。今後ASIAGAPとか、そういったところにもトライをしていきたいということになります。

 最後、「地域一番店」を目指してということで、弊社の社是のところを記載させていただいております。

 長くなりましたが、以上です。ありがとうございました。

○石川座長 三浦様、どうもありがとうございました。大変簡潔にわかりやすく御説明いただいたかと思います。

 続きまして、株式会社カスミの齋藤様から御説明をお願いいたします。

○株式会社カスミ(齋藤様) ありがとうございます。株式会社カスミ環境社会貢献部の齋藤と申します。着座にて失礼いたします。

 食品ロス削減、あと食品リサイクル取組状況と課題といたしまして、まずカスミの会社概要となります。弊社はイオングループに所属しておりまして、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスという形で、カスミは茨城県を中心に11月1日現在、184店舗の会社でございます。茨城県が102店舗、埼玉県が29店舗という形で、次に千葉県、あと群馬県、栃木県、東京という形になっております。

 売上高のほうは2,616億円という形で、従業員数1万7,100人。事業内容は、食料品、家庭用品、あと衣料品は少しですけれども、小売販売を行うスーパーマーケット事業となっております。

 企業理念といたしまして、「お客様のために地域に深く根差した企業でありたい」という形でやらせていただいております。

 また、私が所属している部署でファイブ・ア・デイ協会の食育活動という形で、園児であったり、小学生であったりという形で食育活動のほうを実施させていただいております。

 3ページのほうをよろしくお願いいたします。食品循環資源の再生利用などの実施率という形ですが、弊社、2016年度は73%、また2017年度は74.1%という形で小売業の55%という形はクリアしているような状況です。

 また、下のほうです。細かく出ておりますけれども、やはりリサイクルされているものといたしましては、魚のあらであったり、生ごみ、あと廃油という形になっております。

 次のページをお願いいたします。

 食品リサイクルへの取組事例となっております。今現在、先ほど申し上げましたように184店舗ございますが、魚のあらに関しましては、鮮魚を扱っている181店舗に関しては、全店飼料化施設のほうに出しているような形になっております。また、食用油、こちらのほうも全店リサイクルされているような状況になっております。ただ、青果物であったり、ベーカリーであったりの部分の食品リサイクルに関しましては、現在108店舗のみの実施となっております。内訳といたしましては、飼料化施設に対して11店舗、あと肥料化ができているところは65、あとメタン化処理施設に対して31店舗という形になっております。

 次のページをお願いいたします。

 実際、それぞれの地域別の内訳となっております。飼料化に対して出せているお店に関しては千葉県であったり群馬県、あと肥料化に関しましては、最も多いところでは茨城県の下妻市のほうにございます施設に、44店舗という形で肥料化という形で出させていただいております。

 また、メタン化に関しましては、土浦市にあります企業さんに、25店舗の部分を出させていただいております。

 次をお願いいたします。

 フードバンクの取組事例となります。加工食品の部分で、どうしても出てしまった廃棄物をお店のほうからお客様のほう─お客様というか、フードバンクのほうに出させていただいております。「もったいない」を「ありがとう」にするという形で実施させていただいております。

 次のページをお願いいたします。

 フードバンクの取組事例になりますけれども、店舗におきまして賞味期限チェックという部分をしております。賞味期限をチェックというか、販売期限というのを設けさせていただいておりまして、販売期限切れのものをバックルームのほうに下げまして、当店では廃棄登録をした後に通い箱に入れまして、月に2回、フードバンクの方がとりに見えられるという形でお渡ししているような状況になっております。

 次をお願いします。

 次になりますけれども、フードバンクの取組事例といたしまして、当社、一番最初に2016年11月からフードバンク茨城と一緒にやり始めまして、2017年度の段階では24店舗、次にフードバンク北関東、宇都宮というふうに広がりまして、千葉、埼玉。直近では東海村の社会福祉協議会と2店舗を始めまして、今現在、58店舗でフードバンクの取組をさせていただいております。

 こちらのほうは、販売期限が切れましたお米であったり、缶のへこみがある缶詰であったり、お菓子であったりという形をお渡しさせていただいております。

 足早ですみません。最後に、課題と問題点という形なんですが、先ほど全店食品リサイクルのほうが実施できていないというふうにお話しさせていただいたんですが、今までの方からもありましたように、リサイクル業者、再生利用のところがない地域がございまして、特に茨城県の中で県北と言われるひたちなか市であったり、常陸大宮市であったり、北のほうの26店舗のお店が実際に食品リサイクルのほうに回せていないような状況になっております。

 また、埼玉県、千葉県でも、当社がお店を出している部分に関しまして、遠いところにそういう業者があるという形で、運搬代のほうが大分かかってしまうという形でなかなか踏み切れないという部分もございます。

 また、フードバンクのほうは、限られた場所であったり、ボランティアの方がとりに来ていただく形になっておりますので、なかなか全店に広げられないような状況になっております。

 という部分で、先ほど申し上げました東海村のような社会福祉協議会と一緒になって、今次の市ともやっていくような形でやっていっております。

 ただ、フードバンクをやっておりますと、今度は子ども食堂をやっている方から、直接支援をいただけないかというお話をいただくんですが、そういう部分の支援というのがなかなかできない状況がございます。

 私のほうからは以上となります。ありがとうございます。

○石川座長 どうもありがとうございます。大変簡潔に、もう持ち時間の半分ぐらいじゃないかと思うんですけれども、どうもありがとうございます。

 伺った内容だと、これまで何カ所か、やはり共通する問題はかなり出てきているんじゃないかなと思います。

 皆様の御協力をいただきまして、多分、ディスカッションの以上を予定以上にとれそうだと思いますので、ぜひ御活発にお願いしたいと思います。

 午前中の最後の説明ということになりますが、吉野家ホールディングスの関口様からお願いいたします。

○株式会社吉野家ホールディングス(関口様) 吉野家ホールディングスの関口です。よろしくお願いします。座らせていただきます。

 弊社グループは、主に牛丼を販売している「吉野家」、あとセルフうどんを展開している「はなまるうどん」、回転ずし、持ち帰りずしの販売をしている「京樽」、あとファミリーレストラン、主にハンバーグであったりステーキを販売している「フォルクス」「どん」というような多種多様な業態、販売スタイルで営業させていただいております。

 その中で中心になる吉野家について、まずお話をさせていただいて、その他のグループ会社の状況であったり、外食産業全体の取組状況について御報告させていただきます。

 まず、ページをめくっていただいて、最初、吉野家での取組について、大きく3つの段階でお話をさせていただきます。

 まず製造段階での取組ということで、ページをめくっていただいて、まず工場段階での取組としましては、規格外品のほかの商品への転用ということで、牛丼で使っている食材、牛肉とタマネギについてですが、そちらについては、スライスして残った部分であったり、大きさが合わなかった部分については、ミンチにしてハンバーグの材料、グループのレストランで使っているハンバーグの材料にしたり、ドレッシングにしたりということで、規格外品をほかの商品につくりかえていくというようなことで取組をしております。

 その他、葉物野菜については、近隣の動物園へ飼料提供させていただいたり、学校、主に小学校なんですが、小学校で鳥であったり、動物を飼育されている学校が多いと思いますが、そちらのほうに餌として提供させていただいたりというような、近隣にそういうような施設がたまたまございましたので、そういうような飼料提供をさせていただいております。

 ページをめくっていただいて、工場の外観について写真を載せておりますが、工場の中には生ごみ処理機を入れておりまして、1日約4トンの生ごみを処理できる能力を持った機械を使っております。そこでは、主に漬け物で使う白菜であったり、キャベツの芯を生ごみ処理機で減容化しているというようなことで取組をしております。

 続いて流通、物流段階での取組ですが、ここでは主に品質保持ということを目的として、定温輸送。一定温度で工場から店舗まで運ぶということを主に心がけて取り組んでおります。

 また、店舗で新商品を導入した際等に、どうしても販売予測とずれるということがあって、物流センターに過剰在庫となってしまうようなことが起きますが、それについては全国の物流センターの在庫管理を一元化しておりますので、そちらのほうで、ほかの物流センターのほうに在庫を回して消費期限内で消費できるような形で取組をしております。

 3番目、今度は店舗段階での取組ということについてお話をさせていただきます。

 まず店舗段階での取組といたしましては、食材仕入れの決定方法についてですが、こちらについては自動発注システムで、地域のイベントであったり、外的環境変化等々、過去の販売実績に基づいて、1日ごとの販売数を予測して毎日配送を行うということで、食材を多く持たないということで、まず必要な分だけ日々入荷させるというような仕組みでやっております。

 各店舗の食材準備の仕方についてですが、1時間ごとに各販売品目の販売予測を立てて、それに基づいて下調理を行っているというような形で、食材の仕込みについても多量に持たない、小まめにつくるということで取組をしております。

 また、調理過程において、主に牛丼の場合ですが、牛肉を煮込んだときに出る余分な油については全国で回収して、飼料へリサイクルするというような取組をしております。

 また、商品提供後の食べ残し残さについては、こちらについても日々全店で計量して、作成方法のミスがなかったか、お客様のニーズに合っているかというような調査の資料、データとして取り扱って、そのデータの蓄積によって次回以降の商品開発、特にボリュームであったり、そういうようなものを見直すきっかけにさせていただいております。

 次のページが具体的にどのような形で店舗に取組をさせているかということで、簡単ではございますが、店舗の冷蔵庫のレイアウトは、こういうような形でやってくださいというような見本を示すことによって、食材の管理がしやすいような状況、多品目扱いますので、それぞれ入れ間違いがないか、日付が管理できるような形で管理手法を明示して取組をしております。

 ページをめくっていただいて、食べ残し残さの計量風景。これは吉野家全店で日々計量して、その日の調理状況であったり、顧客のニーズであったりを捉えるデータとしております。

 その他、食べ残し残さについては、近隣にリサイクル施設があるところについては、店舗で発生する生ごみを肥料化・飼料化などのリサイクルを行っていますが、先ほど来御紹介があったように、店舗がある場所とリサイクル施設がある場所の位置関係がなかなかマッチしないというところが多くありまして、多くは一般廃棄物として廃棄しているのが現状です。ほぼ吉野家の場合、約1割の店舗、全国で120店舗程度がリサイクルに回せているんですが、残り9割については廃棄物として処理するという形になっております。

 また、吉野家は通販、ネット販売もやっておりまして、そちらのほうでは、過剰在庫になった場合にはフードバンクへの提供をさせていただいたり、社内での販売という形でロスをさせないというような取組をしております。

 昨年の弊社の食品リサイクルの率ですが、工場では100%リサイクルができております。店舗段階では、1,267店で5,516トンの食品廃棄物が発生しています。リサイクル合計でいきますと79.2%と、外食の目標の50%は大きくクリアできているんですが、このほとんどが先ほど御紹介させていただいた牛脂のリサイクルが主な要因になっています。

 グループ企業の中には30%であったり、目標の50%ぎりぎりであったりということで、こちら低いところについては陳列販売する、営業時間が決まって、オープン・クローズがあるようなところの場合には、どうしても陳列しておかなければ売れないという部分がありまして、最終的なクローズ、閉店時間には、どうしてもロスが出るというような販売形態をとっているお店から出てくるもの。そういうような形で実施率がなかなか上がらなかったり、あとコーヒーについては、売れば売るほど廃棄物が増えてしまうといったような、商品の特性によるものもあります。

 最後になりますが、外食産業全体としましては、ほぼ半分が個人事業主の方で、弊社で言う店舗段階の取組の部分だけができるところであって、製造段階であったり、流通段階であったりの取組というのがなく、その多くは食べ残しによる廃棄物が多いという部分で、どうしてもお客様に1度提供した後のものについては事業者側ではコントロールしづらいというのが現状あります。また、食べ残したものについても、それこそ紙ナプキンであったり、爪ようじであったりというようなものが混ざっていて、それを仕分けしてリサイクル施設にというところまでは現状なかなかできないというのが飲食店の現状であります。

 簡単ではございますが、御報告させていただきました。ありがとうございます。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 これで午前中の部の御説明は終わり、これから御質問、御意見をいただきたいと思います。

 御質問、御意見をお持ちの方は名札を立ててお示しいただけますでしょうか。御質問いただく方には、どなたへの質問かというのを最初にお示しいただけますでしょうか。

 それでは、こちらからの順で、犬伏委員からお願いいたします。

○犬伏委員 ありがとうございます。

 ローソンさんにお伺いしたいんですが、最後のほうの15ページ目でしょうか。中嶋農法というような紹介がありましたけれども、ちょっと時間の関係で飛ばされた。川下、一番下を私が持っておりますので、土壌肥料の代表としてお聞きしたいんですが、最終的にできたものを使う場合に、農家さんが使いにくいと、堆肥が合わないというようなことをちょっとおっしゃったかと思いますけれども。

 そこで、このスライドでは「ミネラルバランスを整え」と。あるいはどうでしょうか、塩分なんか問題になるんでしょうか。そういうようなところをどういうふうにクリアされているのか、もう少し御説明いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○株式会社ローソン(三浦様) ありがとうございます。

 中嶋農法という農法なんですけれども、御存じの方、多くいらっしゃるかもしれませんけれども、熊本の阿蘇のほうで会社を起こされているところと協力をさせていただいて、このローソンファームというのは弊社が完全にゼロから立ち上げているわけではなくて、もともと全国の農家さんと提携をして、若干の資本を入れさせていただく中で、この中嶋農法による土壌チェックを受けて、その栽培方法を守っていただくということと、JGAPの認証を取っていただくということを前提に、「ローソンファーム」という冠をつけて商売をしていただいて、野菜をつくられているということなんですが、その中嶋農法の農法の中に食品リサイクルでつくられた食品残さを受け入れるというスキームがもともとなかったものですから、特に食品リサイクルで生み出される、コンビニ系から生み出される堆肥はリン酸が非常に多いものですから、葉物の野菜と、あと一部の果物でしか使用が難しいという話も中嶋農法からもいただいていますし、農家の方からもいただいているということで、慎重に慎重にテストを重ねていると、そういったことです。

 中嶋農法の説明を入れてはいるんですけれども、食品リサイクルの部分とは若干違うところの、毛色の違うところの話ということで御理解いただければと思います。

○石川座長 ありがとうございます。

○犬伏委員 ありがとうございます。これは午後の議論でも、またあるかと思うんですが、私は午後は大学に戻らなきゃいけないので、続けてもう一つお聞きしたいんですけれども。

 結局、これは土壌分析ということからフィードバックして、どういうものがいいかというようなトライ・アンド・エラーに基づいているような気もするんですけれども、もう少し一歩踏み込んで、例えばこういうものだったらいい、こういうものだったらだめだと。さっきちょっとおっしゃったリン酸の含量も、入ってくるものに対するチェックみたいな基準は設けられているのかどうか、教えていただければと思います。

○株式会社ローソン(三浦様) ありがとうございます。つくっている種別、今御覧いただいている中嶋農法のページの次に、それぞれのファームがどういったものをつくられているかという一覧が記載されておるんですが、それぞれに合わせて非常に細かいチェックリストが存在をしていて、それに合った肥料も実際に、こういうケースの場合にこの肥料をこの時期に使いなさいというのを全てコントロール、中嶋農法のスキームの中でコントロールをしているということになります。ですので、今御質問いただいたとおり、非常にトライ・アンド・エラーも繰り返しながら、かつ、非常に細かい指導も中嶋農法の中ではしておるということになります。

 ただ、食品リサイクルの残さを使っていただくというスキームをまだその中に組み切れていないものですから、そこを今後しっかりと育成をしていきたいということになろうかと思います。

○犬伏委員 ありがとうございます。

 農水省さんに質問ですけれども、そういうような意味でのフォローがどこまでできているのかというものも、また後日でも情報提供していただければありがたいと思います。

 ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございました。それでは、農水さんからのほうは、後ほどまとめた議論のときにお願いします。あっ、犬伏委員がいなくなっちゃうのか。午前中だけですよね。

○犬伏委員 はい。

○石川座長 では、後ほどお願いします。

 では、大熊委員お願いします。

○大熊委員 御質問させていただければと思います。

 カスミさんなんですけれども、フードバンクのほうに回されているということなんですけれども、その中で品目として取り扱う量が、何が、どんなものが多いのかなという。逆に言うと、余ってしまうものが多いものはどんなものなのかということと、子ども食堂になかなか回せないというようなお話でしたけれども、その主な理由というか、そういったものでございます。

 あと吉野家さんですけれども、可食部と不可食部の分別が非常に難しいということなんですけれども、店舗で店員が細かく分別するというのがなかなか難しいのかどうか、その理由をお聞きできればと思います。

 以上でございます。

○株式会社カスミ(齋藤様) そうしましたら、まず最初にカスミの齋藤です。

 出てくるものとしましては、一番多いのは、やはりお米です。重量的に多いのはお米になります。あとはタレ、一部特殊なタレであったり、ソースであったり、あとはドレッシングであったりという部分ですので、先ほどおっしゃられた子ども食堂のほうではお料理に使う食材ですので、そういう特殊なソースであったりというのが結局使用されないという部分で、子ども食堂のほうが必要とする食材をそのタイミングで出せないという部分がございます。

 あとはフードバンクのほうでは、お菓子類であったりという部分が多いです。

 以上になります。

○株式会社吉野家ホールディングス(関口様) 吉野家の関口です。

 先ほどの御質問に対しては、まず分別ができる、できないで言えば、理論的にはできるんですが、現実的には労働力の問題と、我々がお客様に提供するサービスの時間を割いてまで食べ残しを分別するかという─まあ、価値観とまでは言わないですが、どちらを優先するかということで、現実的には厳しいというところです。

○石川座長 よろしいですか。

 カスミさんへの御質問の中で、子ども食堂へ直接出せない理由という御趣旨だったかなと思うんですが、何か追加の御説明はございますか。

○株式会社カスミ(齋藤様) 直接出せない。当社の中では今のところ、子ども食堂に出す場合も、フードバンクに1度出してから、フードバンクさんのほうから出す分にはという部分で設けておりますので、今現状では直接出せないというような経営判断になっております。

○石川座長 ありがとうございます。多分管理上の問題ですよね。

○株式会社カスミ(齋藤様) そうですね。

○石川座長 どうもありがとうございます。

 それでは戻りますが、牛久保先生お願いします。

○牛久保委員 すみません、後出しであったにもかかわらず御指名いただきまして、ありがとうございます。

 まず、三菱食品さんにお願いいたします。返品の削減ということで、3分の1ルールの商慣習について言及されましたけれども、この問題というのは、要するに製造・卸・小売一貫の、いわゆるフードチェーン全体で考えなきゃならない問題なんですけれども、御社で取り組まれている積極的な方策としては、会社単独で、要するに商慣習に対する考え方を実施されているのか。いわゆる一般社団法人の日本加工食品卸協会さんを通じて団体として、卸業界というのは製造と小売のちょうどはざまなものですから、そこの制度をクリアしたり、またはある程度改善していくために、努力が非常に必要かと思うんですけれども、そこら辺はどのように対応されているのか。いわゆる品目についても、どんなものを特に対象にしているのかということをちょっとお話しいただければと思います。まず、そこを1点お願いします。

○三菱食品株式会社(小林様) 質問ありがとうございます。

 3分の1ルール絡みにつきましては、やはり単独の企業では─まあ、例えば1つの小売業さんでしても、幾つかの問屋さんが入られているとか、そういったこともあろうかと思いますので、なかなか単独ではやりづらい部分があると私は思っておりまして、実際もそういうふうになっていると思います。ですので、業界団体であるとか、例えば経産省の取組でありましたら、流通経済研究所さんを通した取組であるとか、そういったところから実験的に少しずつ進めているというのが現実だと思っておりまして、我が社が率先してということではないという認識があります。

○牛久保委員 ありがとうございました。

 確かに今のように単独1社だけですと、他社、同業の企業も、同様な商品を取り扱っていますので、御社だけが3分の1ルールを2分の1にするというようなことはなかなか難しいと思います。結局、業界団体でということですけれども、卸売業界が、ほかの製造等の食品関連の団体だとか、または外食含めた小売の団体とも連携を働きかけていただくように、そこら辺についてはまた御努力いただければというふうに思います。

○三菱食品株式会社(小林様) わかりました。申し伝えます。

○牛久保委員 それから、共通の問題として1つ挙げられているのは、リサイクラーが地域、地方では少ないというような御発言があって、リサイクルを考えてもなかなか難しいということで、環境省にお伺いする形になるかと思うんですけれども、前回の見直しの議論の中で、地方自治体の一般廃棄物処理計画の中に、「食品リサイクル法に絡んで、食品廃棄物の再生利用等が円滑に行われるように配慮すべきだ」ということで書き込みされましたけれども、実際に例えば先ほどのお話のように、一般廃棄物であると焼却に回っているような率が高い傾向にありそうだと。排出者側としては、なるべくリサイクル、再生利用等をしたいということなんですが、全国的に見て、一般廃棄物の処理計画がどの程度浸透性を持ち、また実施に向かっているのかという、その実績がありましたら、そこら辺のところを数字的な関わり合いを含めた上で発表していただければ幸いなんですが。

○寺井室長補佐 前回の見直しの際に牛久保先生御指摘の御意見がございました。この場には資料をまだお出しできておりませんが、今回の見直しに備えて、現在調査を進めております。次回の会合までには、全国1,700市町村のというのはいきませんが、人口カバー率という観点から大規模な都市を抽出しまして、全国都道府県の県庁所在地と政令市、合計五十いくつになりますけれども、どういった記載がされているのか、定性的にも定量的にも分析を行っておりますので、次回結果をお示しできたらと考えております。

○牛久保委員 ありがとうございます。では、次回期待しておりますけれども、我々、議論している食品リサイクル関連の審議会としても、それをバックアップして、何とか数字を高めるような方策をこの中で議論し、フォローアップ、バックアップをしていければなというふうに考えております。

 それから、カスミさんにフードバンクの活動についてなんですけれども、フードバンクの活用に関して、社内でコンセンサスをとられてフードバンクを活用されているとのことですが、結構活用を躊躇れてしまう食品関連企業者がいらっしゃる。それはどういうことかというと、フードバンクでの食品の取り扱いについて安心・安全の面から懐疑的なところがあったりするとということのようです。これに対して農林水産省がフードバンクに関する手引き書が出されて、要するにちゃんと覚書だとか契約を交わしながら、安心・安全を担保して確実に物が期限内に流れるということなんですけれども、カスミさんが社内で一旦廃棄登録をされているということですが、まだ要するに販売期限内のものであっても、社内では廃棄の手続をした形でフードバンクに提供しているという、そういう考え方でよろしいんでしょうか。

○株式会社カスミ(齋藤様) はい、そうですね。金額ベースの部分で廃棄登録という形でさせていただいております。

○牛久保委員 そういう事例で扱われているところというのは多いんでしょうか。それはカスミさんが単独で考えられて、そういうシステムにされたかどうか、そこら辺のところはいかがなんですか。

○株式会社カスミ(齋藤様) すみません、他社の部分は。当社、フードバンクの取組をしておりまして、他企業のスーパーの方から、流通業の方からもお話という形で来るんですけれども、やはり皆さん言うのは安心・安全という部分でなかなかできないという部分の声を聞きますけれども、実際にやっているところの会社さんでの廃棄登録というのは、お伺いしていない。

○牛久保委員 フードバンクの受ける側としても廃棄されたものを受けているというような感覚にならないように、お互いに信頼関係があろうかなと思ってちょっと質問させていただきました、ありがとうございます。

 以上でございます。ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございました。

 それでは、あと6名の方が名札立っております。30分ぐらいでいければいいかなと思っておりますので、小林委員お願いします。

○小林委員 ありがとうございます。手短に1点だけお聞きしたいと思います。

 主に山崎さんとローソンさんなんですけれども、未利用農産物ですとか、あるいは規格外農産物の利用というところについてお聞きしたいんですけれども、今後、こういう規格外の農産物を利用するということをより推進する、より取扱量を増やしていくという可能性があるのかどうかということをお聞きしたいんですが。

 なぜかというと、この分野というのは恐らく食品リサイクル法のある種範囲外になる。深読みすれば範疇に入れることもできなくはないかもしれないんですけれども、少なくとも646万トンの中には生産の現場の産地廃棄の部分は入っていない。そういった中で、こういう取組、個人的には非常にすばらしいんではないかなと思うんですが、どういうモチベーションで会社の中で進めておられるのか。場合によっては、法律があるという前提でそれを進めておられるのか、それとも全然違うモチベーションがほかにあるのかということも含めて、ちょっとお話しいただければと思います。

 以上です。

○山崎製パン株式会社(森本様) 進めていく方針のようなものは今のところないとは思います。本来はこれは出ないほうがいいものなので、これを増やしていくという発想自体はないのですが、現実に出てしまっているものは、先ほど言いましたように工場が全国に非常に多いので、身近なところで、地域の例えばJAさんとか生産者団体さんと、いわゆる接触するパターン、機会が多いということで、こういうどうしても出てしまったものは使っていこうというモチベーションはあります。

○株式会社ローソン(三浦様) では、引き続きましてローソンのほうから。

 こちらは、なぜ弊社がこの取組をしておるのかという最大の理由は、このローソンファームの経営の安定ということで、そこの農場からつくられるものは可能な限り買い取りたいということから生まれていることです。ですので、ローソンファームを今後展開、拡大展開はしていきたいというふうには考えておりますので、それに合わせてこの取組というのは可能な限り継続していくということになろうかと思います。ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、﨑田委員お願いします。

○﨑田委員 ありがとうございます。1つずつ質問させていただきたいというふうに思います。

 山崎製パンへの質問ですが、2012年に「ちょいパクラスク」が発売されたたときに非常に感動しまして、今日の発表を伺いましても、それ以来、いろいろと熱心に多様な取組をしておられますが、1つ伺いたいのは、長年こうやって食品ロス削減に熱心に取り組んでおられて、その効果、成果をどういうふうに考えておられるかをちょっと伺いたいんですが。

 例えば、基本は食料を無駄にしないこととか、食品の廃棄物を減量するとか、コストを削減するとかあると思うんですが、スタッフの働いておられる方の意識変化とか、あるいは投資家の投資判断に非常に好影響したとか、何かそういうようなことは起こっていないのか、先進企業として社会に発信できるような効果・成果など、伺いたいなというふうに思います。

 あとは簡単に申します。三菱食品さんは、フードバンクの活用はだんだん減っているというお話がありました。その理由を教えていただければありがたいと思います。

 ローソンさんとカスミさんには、今日の発生抑制とか食品リサイクルなど、いろいろな取組の中に消費者との関連という項目がほとんど出ていないんですけれども、例えばお店ですと、消費者の購入行動に対して呼びかけるとか、夕方になると安くするとか、色々な取り組み方もあるんじゃないかと思うんですが、そういうことに関してはローソンさんとカスミさんはどう考えておられるのか教えていただきたい。

 吉野家さんは、今日のお話の中で、食品廃棄物の計測もしっかりお店ごとにやっておられますけれども、そうすると、お店ごとの競争意識が出てくるんじゃないかと思うんですが、そうやってみんなで減らそうという雰囲気は起こっていないのか、その辺を教えていただければありがたい。

○山崎製パン株式会社(森本様) それでは、最初に山崎製パンからよろしいでしょうか。

 いろいろな取組が─まあ、ちょっと難しいですけれども、例えば、いわゆるESG投資に貢献するとか、そういった表立ったスタンスではないと思います。例えばロスがなければ生産性も上がるので、そういう観点で、全従業員の取組として、例えば困ったこと、もったいないことを身の回りからなくしていくというような活動は工場挙げて、先ほど言いましたとおり、従業員は非常に多くございますので、一人一人がそういう意識を持ってやっていこうということでやっております。

 むしろ、上からの大きな目標というよりは、みんなの個々のそういう意識やモチベーションを高めるといったことから、ひいては、いわゆるロスがなくなったり、もったいないことがなくなって生産性の向上にもつながる、そういうようなことかと思います。

 例えば、「エコポークの日」というものを設けて、食堂でそういうリサイクルループでつくった食事を提供することを全工場でやっておりますけれども、そういったことをやると従業員がそういう取組に気がつき、もったいないことをなくすということを意識するということで、まあ、ちょっと草の根的なんですけれども、むしろそちらのほうが強いと思います。

○三菱食品株式会社(小林様) 御質問の内容はフードバンクへの取組、活用が少なくなってきた理由についてということですが、まず1つは、先ほどのプレゼンでもあったとおり、商品がフードバンクが求めるもの、例えば先ほどの御発表でも出ましたけれども、何々のタレみたいなのが、果たしてフードバンクのほうで求められているかというのが、なかなか合ってこないという点が1つ。

 それから、これは実体験ですけれども、私ども自体が商品自体をつくっているわけではないので、メーカーさん、製造業から買って、それを売って、なりわいとしていますので、その製品、商品のブランドというか、それを大事にする製造業の方というのもいらっしゃるわけで、そうなると、メーカーさんとそういうところに、フードバンクに出しますよというようなところで話し合いをして折衝しなきゃならないということも出てくるんです。そういったことがあったりするので、なかなか進んでいかないということがあるとお考えいただきたいと思います。

○株式会社ローソン(三浦様) 御指摘のとおりかと思います。消費者の方に、いかに今後理解をしていただいて、我々もそういう努力をしていく必要というのは多分にあろうかと思うんですが、我々365日24時間営業で経営をしている中で、例えば事例でおっしゃられたと思うんですけれども、値引きのところなんですが、基本的に値引きは各店舗のオーナー様が自由に価格設定できるのがコンビニエンスストアですので、それぞれのオーナー様が値引くことが最終的に廃棄を減らすという御判断であれば、それはそうしていただければとは思うんですが、本部のほうで、例えば期限が近くなったお弁当がどこかのお店にあったとしたら、それを消費者の方に情報発信することによって来ていただいて、何らかのインセンティブがつくとか、そういったことというのはそれぞれ─まあ、少なくとも弊社は検討中でございますので、そういった方向性というのはかけていきたいと。

 あともう一つは、食品リサイクルで生み出された、例えば豚であるとか、そういったものを本当に消費者が好んで買っていただけるのかと、今そういう風土にあるのかというのは慎重に考えていかなければだめだし、アピールもしていかないといけないというふうに考えております。

 以上です。

○株式会社カスミ(齋藤様) カスミのほうです。

 御質問ですけれども、当社はスーパーですので24時閉店、また22時閉店というお店がございますが、やはり時間に合わせて値引き販売です。あと天気によってお客様数が変わったりしますので、それもお店に任せて値引き販売という形をさせていただいております。

 また、あと料理提案をするブースがございますが、そういった部分で食品を使い切る、あとストックになってしまっているものを使い切るという形で、そういう料理提案もするようにさせていただいております。

○株式会社吉野家ホールディングス(関口様) 吉野家の関口です。

 先ほどの御質問にあった計量によるお店ごとの競争意識という部分ですが、もともとおいしさのバロメーターとして食べ残し量をはかるという文化がありましたので、社員の─まあ、いろいろな店舗の数字の競争意識というものがありますが、その中の1つとしては、おっしゃるとおり競争意識のテーマとして認識はしております。

○﨑田委員 効果は出ていますか。

○株式会社吉野家ホールディングス(関口様) 効果─まあ、具体的な事例でいくと、近隣の店長間で、今日は入客がどれだけあったとか、食べ残しがどのぐらいあるとかというような情報交換の中で、「ここはうちのほうがおいしいよ」とか、そういうような自慢のし合いですが、そういうのはあります。

○﨑田委員 ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、髙橋勝浩委員お願いいたします。

○髙橋(勝)委員 ありがとうございます。時間の関係で1点に絞らせていただきたいと思いますが、山崎様に質問させていただきます。

 第一次産業での生産現場での農産物なんかのロスというのは、厳密に言うと、食品リサイクルの議論の範疇からは外れるのかなとは思うんですが、私ども東京都稲城市も梨の特産がありますので、台風とかで落下をした部分については大変課題があります。

 そこで、先ほど御紹介いただきました鳥取での事例でございますけれども、落下した梨の実を加工して原料に使うと。大変すばらしいなと思うんですが、自社工場ではなく、委託先で原料として加工するということでありますけれども、常時こういった原料がないわけです。たまたま台風で落下した、あるいは地震で落下したというところを、こういううまく対応するというのは非常に難しいんだと思うんですけれども、こうした常時原料が供給されないことについて、即時に対応できるというような、こういう仕組みの何か特色が御紹介いただければ、少し教えていただければなと思います。

○山崎製パン株式会社(森本様) そうですね。先ほどちょっと言葉足らずだったかもしれないのですけれども、本来は梨の実が落ちないでくれたほうが私どもはもちろんいいので、そういう意味で、例えばこういうものを使っていくということを数値目標にしたりはもちろんしていないのですけれども、あれば使いたいというモチベーションは、先ほど申し上げたとおり、どこの工場も持っているので、そういう事例が地産地消ということも相まって非常に多くなっているということでございます。

 これは、梨が落ちることはもちろん想定していないわけで、非常に早い対応だったのですけれども、先ほどグループの紹介のとおりで、お菓子メーカーとか、お弁当のメーカーとか、食品のいわゆるグループ企業がいろいろなことをやっております。

 先ほどメンチカツとかコロッケなどの、要するにパンとかの中に入れる具材なども、いわゆる自前でつくっているということがありますので、そういう幅広い関係で、ここのピューレを作った工場も「不二家サンヨー」と書いてあります。「ネクター」とか、そういうものをもともとつくっているところなんで、そこのラインでこれをつくっていただいたということで、そういったグループの関係ですか、グループとの連絡を密にやっているので、即対応できたということがあろうかと思います。

 あとはよろしいでしょうか。

○髙橋(勝)委員 はい。ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございました。

 それでは、髙橋委員お願いします。

○髙橋(巧)委員 三菱食品さんのほうで、先ほど話の中で倉庫から出るものが産廃と一般廃で非常に難しい形だという話があったと思うんですけれども、実際的にリサイクラーですとか、収集運搬の会社さん自体も、この問題に結構いつも苦慮しているというところがございまして、現時点では、三菱食品さんとしては、本社はどういう形で現場を指導していらっしゃるのかという点と、将来的にどういう制度になれば扱いやすくなるのか、食品リサイクル法、食品リサイクルは進めていけるのかと。まあ、個人的な意見でも結構ですので、イメージをお答えいただければと思います。

○三菱食品株式会社(小林様) なかなか難しい質問で、ちょっと困惑しておりますが、基本的に法規制上は、私どもは食品卸売業ですので、食品残さ、いわゆる動植物性残さという産業廃棄物には当たらないわけです。ですから、事業系の一般廃棄物ということで処理はしたいんですが、基本的にはそういうところも徐々に増えてきていますけれども、汚泥であるとか、廃酸であるとかというところで産廃として処理して、結局廃棄ですねというところになっているのも事実です。

 そういったところも鑑みますと、私どもも排出量がゼロではないので、産廃として処理できるようなところも御検討いただくこともあったらよいかなというふうには常々考えております。

 以上です。

○髙橋(巧)委員 ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、西山委員。

○西山委員 フランチャイズチェーン協会の西山でございます。今日は皆様、ありがとうございました。

 ローソンさんのお話を聞きながら感じたことですが、そもそもリサイクル施設がないとか、フードバンクがないところでは取り組めないと思います。これは全国展開をされているチェーンと一定の地域で御商売をされているチェーンとが同じ食品リサイクル率の目標で本当にいいのかということを感じながらお話を聞かせていただきました。

 今ありとあらゆるリサイクルをされているというお話をお伺いしましたが、製品化して販売店に行って、そこから戻ってくるものが、いわゆる返品があるかどうかちょっとわかりませんが、あるとしたら、そういうものがどういうふうに扱われているのか。また工場から出荷するときに、包装して出荷するタイミングになって、いろいろな事情で出荷できないものも、まあ、多少はあると思いますが、その辺りについて何かお取組をされていれば御教示いただければと思います。

○山崎製パン株式会社(森本様) 返品につきましては、基本的には、いわゆる買い取り販売をしておりますので、もちろん、若干の返品はございますけれども、数量としてはほとんどございません。

 それから、続いての質問、ちょっとまたメモしていない。申し訳ない。

○西山委員 包装済みの製品をリサイクルに回している事例があれば教えて頂ければと思います。

○山崎製パン株式会社(森本様) 包装済みの製品は、先ほどの課題にもありましたが、きっちり注文数をつくるということはどうしても難しいということがあります。どこの製造メーカーさんももちろん見込みでつくられるのでしょうけれども、先ほど言いましたように、消費期限が短いので、つくり過ぎた製品は繰り越して出荷ができない、在庫ができないということがありますので、どうしてもそういうものはございます。

 そういうものは、例えば社内の、いわゆる社内販売に回せるものは回したり、それから先ほど幾つかの工場ではフードバンクさんと取り組んだり、そういうふうにして、なるべくそのまま廃棄はしないように。廃棄をするものはないのですけれども、(飼料原料に回りますので)なるべく、先ほどの課題にもありました食品への有効利用ができれば一番いいかなということがありますので、1つは、食品の利用率は今まだ2割までは行っていないので、それをちょっと上げていきたいということがございます。

○西山委員 ありがとうございました。

○石川座長 どうもありがとうございます。

 それでは、古尾谷委員お願いします。

○古尾谷委員 フードバンクについてちょっとお聞きしたかったんですが、﨑田委員から大体の質問が出ましたので、その点は結構でございます。

 ただ1点、カスミの方から問題点と課題がいろいろ出されていて、フードバンク、限られた場所、地域での活動となるんで、全体を網羅してくれるところとやっていきたいというお話がありました。

 今日お集まりの企業の皆さんは先進的な取組をなさっているところだと思いますので、基本的には、そういう意味で単体の企業の努力、意識では限界がある中で、やっていくに当たって、ある程度の形というか、範囲というか、フードバンク、例えば県単位ぐらいであったらいいとか、地域単位で、数カ所の市町村単位であったらいいとか、あるいは北関東ぐらいのロットがあったほうがいいとか、企業の側から相手方として、恐らくコーディネーターがいないんだと思いますけれども、何かお話があったら教えていただきたいと思います。

 それと、山崎製パンさんの岡山の鳥取地震のときの取組も含めて、今年も西日本豪雨や豪雨の災害がありまして、北海道でもありまして、宇和島のミカンなんかも、私ども国、農水省含めて、いろいろ御要望させていただいている中で、落下したり、せっかく1年育てたものが何も売れなくなる、あるいはちょっとこすれると果実は売り物にならないということで廃棄してしまうというような例もあるということで、営農継続の意欲が大変厳しいと、高齢者が多い中で業を廃止せざるを得ないというお声も聞きます。その面では、そういう売れないものに取り組んでいただくというのは大変貴重な取組でございまして、ぜひこれからももっと拡大推進していただきたいというのが、いろいろな、北海道からもジャガイモ農家や、あるいは全国、今年の災害があったところからはそういうお話が続いておりますので、よろしく。これは意見ではございませんので、ありがとうございますということでございます。

○山崎製パン株式会社(森本様) こちらこそありがとうございます。

 先ほど申しましたように、そういう台風で実が落下するようなことがないことが一番望ましいのですけれども、そういうものの利用を、もしそういうことが起こった際には各地の工場でできる取組は進めていきたいというふうに思っておりますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。

○株式会社カスミ(齋藤様) カスミです。

 フードバンク事業に関しましてですけれども、「全体を網羅してくれるところと今後やっていきたい」というふうに書いていますが、実際のところ、ボランティアの部分でフードバンクの方も取りに来ていただけるので、今現状、こちらから商品をそちらのほうにお持ちするという形ではなく、フードバンクの方が取りに来るという状況なんです。月2回やっていても、ボランティアの方の都合かと思うんですけれども、取りに来ていただけないという場所、その日に取りに来ていただけないということも発生しているような状況です。ですので、フードバンク茨城・千葉とか、そういう大きい団体とももちろんやっていきますけれども、もっと市町村の部分で細かい部分とやっていくという形で社会福祉協議会という形で、そのまま欲しい方のところに届けられるという部分で取り組んでいくような形をとっております。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、五十嵐委員お願いします。

○五十嵐委員 吉野家さんにお尋ねをしたいと思います。

 工場外観が載っております資料でございますけれども、生ごみ処理機で調理残さを処理なさっていると思いますけれども、まず、どのくらいの時間で減容をして、減容した結果、何割残っていて、そして減容したものがその後どう処理していらっしゃるかという工程をお尋ねしたい。

 あと食品リサイクル、飼料をつくるにも、肥料をつくるにも業者が大変危惧しますのは、におい、音、振動の3つをどうやって東京都の環境確保条例以下にしていくかというのが大変苦労するわけでございますので、その辺のにおい、音、振動についてもどういうふうになさっているか、工夫をお尋ねしたいということ。

 それから最後でございますけれども、食べ残しの残さを計量なさっていますけれども、残さを計量して、水を切って、ごみ箱ということですけれども、その後はどういうふうに処理していらっしゃるかということをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○株式会社吉野家ホールディングス(関口様) まず生ごみ処理機については、1日8時間稼働させています。こちらについては、主に白菜の芯とキャベツの芯を先ほど御紹介させていただきましたが、その処理をして、これは最終的に水に分解するという形で、100%処理で残量はゼロという形になります。

 におい、音については、工場内でやっていますので、近隣への臭気等々は特に問題なくやっております。また、廃油、牛脂等々については、専門の取引先に引き取っていただいて再生工場のほうでやっておりますので、そちらのほうの現地確認等は行かせていただきますが、私たちのほうから特にオーダーするというようなことはありません。

 最後に、店舗の食べ残し残さの計量の後については、ほとんどは一般廃、先ほどもお話しさせていただいた9割の店舗では一般廃の処理となります。百二十数店舗については、食品リサイクルという形で処理をしているのが現状です。

○五十嵐委員 ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございました。これで一通り、御質問、御意見をいただいたかなと思います。

 あと犬伏委員から農水省に質問がありましたが、これは後ほどメールか何かでよろしいでしょうか。

○犬伏委員 いや、情報共有したほうがいいと思いますので、次回でも構いません。

○石川座長 次回に。

 どうも御協力ありがとうございました。

 予定の時間より少し早目に終わりましたので、食堂もすいているかなというふうに思います。

 それでは、午後は1時でよろしいですか。

○冨安室長 昼食についてでございますけれども、お手元に農林水産省内の食堂や売店のマップがございますので、昼食の際の御参考にしていただければと思います。

 また、会議室を出たところで弁当も売られておりますので、この会議室でお食事をとっていただくことも可能でございます。

 午後の部につきましては1時から開始いたしますので、それまでに御着席いただければと思います。よろしくお願いをいたします。

(休 憩)

○石川座長 それでは定刻になりましたので、午後の部を始めたいと思います。

 午後は、4件のヒアリングを予定しております。

 午前中と重なりますが、御説明の方がかわりますので、ヒアリングの進め方を改めて御説明させていただきたいと思います。

 1件15分でお願いしたいと思います。終了前3分のところで事務局より合図をいたします。15分経過のところでまた合図をいたしますので、発表を終了するようにしていただきたいと思います。

 4件の御説明をいただいた後に25分程度質疑の時間をとりまして、その後、午前、午後を通じた質疑を行いたいと思います。

 では、よろしくお願いいたします。

 まず最初は、津南町農業協同組合の桑原様にお願いいたします。よろしくお願いします。

○津南町農業協同組合(桑原様) 今御紹介いただきました新潟のJA津南町の桑原と申します。よろしくお願いいたします。

 それでは、私のほうから発表をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、当JAの取組に至るまでの経過から先に報告をさせていただきます。

 平成13年から食品リサイクルの取組を行っており、スーパー原信の野菜残さを受け入れし、堆肥化を行ってまいりました。しかしながら、リサイクルに関する法整備がなされていなく、廃掃法上、市町村を越えての運搬はできなく、有価物としてこの取組を行っていました。しかし、法整備がなされていない状況を踏まえ、幾度となく市町村を訪れ、一般廃棄物の収集運搬許可申請をお願いしましたが、結論は「許可はできない」と言われ続けて、このままだとJAがコンプライアンス違反をしてしまうのではないかと思い、何か手だてはないものか模索をしていたところでございます。

 そして、平成19年6月に食品リサイクル法改正に伴い、この取組に飛びついたというのが申請までの流れでございます。いかに法改正により、取組の状況が変化していくのかを身をもって体験させていただきました。

 それでは、本題に入りたいと思います。

 この事業を語る上で重要な部分である堆肥の供給先農家の状況についてお話をさせていただきます。津南町管内の経営規模の推移で平成2年度と平成27年度を見比べた数値でございます。

 0.5から2ヘクタールの農家は減少し、担い手に集約されてきていますが、農家総数は平成2年から25年間の間に69%にまで減少しております。この状況は全国的にも言えることかと思います。ただし、津南町では、専業農家戸数は平成2年とほぼ同数となっております。

 次に、平成29年度の津南町の作付分布と環境資源の活用量及び販売量の推移です。

 平成21年から平成29年まで処理量と販売量は、ほぼ同等です。

 次に、畑作と水稲の堆肥の販売量です。当初は畑作は3倍以上の利用量だったのが、最近は畑作の利用が減少傾向にあります。これは高齢化による廃作等が近年出始めているのが原因で、水稲と違い、機械化体系がまだまだ整っていない畑作では人海戦術による作業が多く、担い手の普及に至っていないことが背景にあります。

 6カ月間雪の中の津南町は、機械化できる加工・業務用野菜では収益は上がらず、どうしても付加価値をつけた単収のよい野菜づくりが好まれているからです。特に昨今の気象状況の中で1作しかできない加工用野菜等に走るのはなかなかのリスクを伴い、踏み切る人がいないのが現状です。

 JA津南町では、この状況を改善するため、津南産野菜の販売単価向上に取り組んでいます。とにかく収益性の向上を図らない限り、後継者や担い手の育成にはつながっていきません。

 リサイクルループを行っていく上でしっかりとした土台を築き、堆肥の利用促進に当たらなければリサイクルループの一辺が崩れる結果となり、強いてはでき上がった製品ばかりが増え、需要と供給のバランスが崩れ、不法投棄の原因になりかねない。これではリサイクルループが成り立たなくなります。

 また、肥料取締法、製造・販売の届け出不要について、ある程度専門的な知識が必要ではないかと考えます。良質堆肥を製造し、提供していかないと、特定農産物が安全・安心とは言えないのではないでしょうか。

 このことについては、昨年発生した肥料製造業者による肥料取締法違反で被害をこうむるのは農家だったということです。でき上がったリサイクル肥料が安全・安心でなくてはなりません。

 ここで、うちの全体フローを見ていただきたいと思います。ここの数値は申請書類の数値に合わせてあります。前段で見ていただいたとおり、ほぼ同数量となっております。特定飼料である堆肥には助成も行って利用促進に努めていますので、何とか販売量を保っています。また、近年では堆肥の水田委託散布にも力を入れ、農産物の付加価値向上に向けた取組を行っています。

 次に、収集運搬について進めていきます。

 環境に配慮した車両の選定。細部の改良を加え、燃費効率の改善に努め、計量器つきのパッカー車にすることにより、各店舗ごとの回収量を自動計量、運転手の負担軽減に役立っています。

 当JAでは、回収車に写真のような文字を車両3台に示してあります。当初の車は会社のロゴも全て入れておりました。朝の登校時の子どもたちが信号待ちの当車両を見て文字を読み上げて、このことが親元に伝わり、食品関連事業者のステークホルダーに対するCSR活動として社会的なレピュテーションの向上につながっていきます。

 この車両が日曜日以外の毎日、各店舗に入るわけですので、徐々に浸透して、店舗拡大の一端を担っていると思っています。

 私も気づかなかったのですが、後々よく見ましたら、この文字なんですが、私、最初は「地球にやさしい食品循環資源」ということでお願いをしておったのですが、車がかわったら「食品環境資源」という文字に変わっておりまして、最近になって気がついてしまいました。

 それでは、広域回収の範囲について見てみます。基本的には新潟方面と長岡方面の2形態に分かれております。そして、この事業が浸透していくほどに回収範囲が広がり、広域収集をすることで時間がかかり、時間短縮が一番のネックとなっていて、長岡が65キロ圏内で8時間、新潟が130キロ圏内で約12時間近くかかっています。1日の走行距離は長岡で219キロ、新潟で332キロとなっています。

 排出業者との関係強化は、先ほどお話ししたとおりです。現在では取組が進み、新店舗の増加で回収店舗数が増え、回収時間と距離がかかり、それに伴う人件費が増え、経営を圧迫してきています。

 そして、現在は店舗ごとに発生抑制がされ、1店舗当たりの回収量は減っている。この状況が収集運搬に係る経費に直接影響をしています。

 ということで、今一番の問題点として回収料金の改定がありますが、リサイクルループはお互いウイン・ウインの関係でなくては、その一端から崩れていく可能性が大きいと思われます。

 ポツの3つ目の特定農産物についてですが、今現時点ではメリットは見出せておりません。リサイクル肥料を使ってつくった特定農産物。この特定農産物に付加価値をなかなかつけづらい。認証シールなり、決められたものがあれば少しは動きが出るのか、また第三者認証的な消費者にアピールできるものがあれば取り組みやすくなるのでは。実際は津南の大地、名水の郷、さまざまな気象状況と大自然の中で育っていた農産物としてアピールし、販売を行っております。

 ただ、近年、地球温暖化による異常気象は生産者の懐事情を直撃しています。津南の大自然の中にいればこそ、自然の変化を敏感に感じ取れます。

 それでは、少しだけ当施設の収支について軽く触れておきます。食品循環資源関係の支出と施設全体の支出についてグラフ化したものです。御覧いただいているように、労務費がかなりを占めております。ここからは別の目線で発言をさせていただきたいと思います。

 加工事業の納品期限(3分の1ルール)は決まったわけではないのですが、暗黙の了解という中で賞味期限が短い商品には非常に痛手であり、私どもも結構と苦労しております。また、コンビニ等の賞味期限そのものの見直しや表示方法等を流通・食品業界を含めた食品・流通全体で見直すことができれば、食品ロスは削減できるのでは。そして、フードバンクの活動を7月に私は初めて知りまして、日本で食事をとることのできない子どもたちがいることに大きな衝撃を受けました。

 このフードバンク事業の後押しと食品の流通を根本的に見直すことで食品ロスは改善されていくのではないでしょうか。

 最後は自分の感じたことを述べさせていただきました。簡単ではありますが、これで報告を終わります。御清聴ありがとうございました。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 それでは、株式会社開成の遠山様より御発表をお願いいたします。

○株式会社開成(遠山様) 皆様こんにちは。ただいま御紹介いただきました株式会社開成の遠山と申します。限られた時間ですので、ちょっと口早になるかもしれませんが、御説明させていただきます。

 2ページ目を御覧いただきたいと思います。

 私ども1999年に会社を設立しまして今に至っているわけですけれども、具体的には2012年から小型のメタン発酵のプラントをスタートしまして、最初から食品リサイクルを使った農産物の生産及び販売・加工を目指して、このモデルを全国に展開するということを前提に事業を進めてきております。

 食品リサイクルをスタートしたのは2014年、農水省さんのほうで認定いただきまして、そのときに消化液の液肥を使ったループ認定第一号ということでスタートをさせていただきました。

 次のページを御覧いただきまして、私どもの新潟県村上市は新潟県の上のほう、山形寄りの県境でして、私どもの施設があるところは日本海に面しておりまして、非常に過酷なところです。これから過酷になるところです。

 次のページを御覧いただきまして、施設は横型の乾式メタン発酵プラント。メタン発酵プラントは大型でないと収支が合わないとか、話をたまにいろいろ聞くんですが、私どもは小型のメタン発酵プラントで、なおかつ食品リサイクル施設ということで最初から進めておりまして、特に食品リサイクル、メタン発酵で食品リサイクルを進めるに当たりまして─あっ、メタン発酵というか、廃棄物系のバイオマスです。それで進めるに当たって一番問題なのが廃掃法です。その廃掃法をクリア─クリアするというか、ちょっとハードルを落とすために日量5トン以下の4.9トンという施設許可をいただいておりまして進めております。5トン以上になりますと設置許可等出てきますので、事業化するのに非常に時間がかかるというデメリットがあります。

 これは瀬波南国フルーツ園というのは、メタン発酵プラントの隣に温室ハウスがございまして、発電した余剰熱を熱源として南国の果物を栽培しております。

 次のページを御覧いただきまして、これは六次産業化の一つとしまして、消化液を使ったお米を栽培しておりまして、そのお米を加工したのが、この「いなほスープ」。発売して、もう十数年たっておりますけれども、一時期、某インターネットショップではランキング2位になったぐらい、結構人気商品です。

 あとジェラート。これも温室ハウスで、いわゆる食品残さからエネルギーを得た熱源として、要は化石燃料を一切使わずに、新潟の寒い冬の中でつくった南国を原料にしてジェラートを生産しております。そしてその加工品、ジャムやパッションピューレとかです。

 ちなみに、この加工品につきましては高級割烹とか、日本の三本指に入るぐらいの高級某料亭さんでも使っていただいておりますし、かなりのパティシエのお店ですか、イタリアンレストランとか、そういうところでも利用していただいております。

 次のページを御覧いただきまして、六次産業化の取組ということで、メタン発酵プラントを使って食品リサイクル、そして六次産業化とか、そういう施設がなかなかないということで、私どもの施設に年間1,000名以上の方々が視察に来ていただいておりますけれども、基本的には私も一応現役の農業者でして、要は農業一本ではなく、六次産業化までやるということが最初のスタートの理念でして、今現在ではジェラートの加工、お米の加工までやっております。これからはこのモデルを全国に展開していくというのが今スタートしております。

 あとこれは食品リサイクルから若干外れますけれども、メタン発酵試験とか、私ども第1号施設は研究開発も兼ねておりますので、さまざまなメタン発酵の試験をしております。基本的には食品リサイクルを目的としておりますので、食品残さ等がメインになっておりますけれども、そこに一般廃棄物の剪定枝とか、あとは家畜排せつ物とか、もしくは食品工場の、これは産業廃棄物になりますけれども、あらゆるものを発酵処理して肥料にして農産物にして、そして、それをリサイクルするという取組のため研究開発も兼ねてやっております。

 次のページを御覧いただきまして、私どものプラントの食品リサイクルループなんですけれども、基本的には最初は瀬波温泉組合という、バブルのときはよくテレビでドラマ化したようなところなんですけれども、今はお客様がちょっと減少しましてテレビにあまり出ませんけれども、その瀬波温泉街。当初は瀬波温泉旅館協同組合さんと一緒に事業計画をつくりまして、それで参加していただいております。あとは村上市の食品スーパーさん5店舗、あと福祉施設、飲食店等です。今年で3年目になるんですけれども、村上市さんとは子どもたちの学校給食、これは環境と食の教育の一環ということで村上市長さんがすごく、今は財政削減のときなのに、わざわざ財政をつくっていただきまして─あっ、財政じゃなくて予算ですね。予算をつくっていただきましてスタートして、現在6校受け入れさせていただいております。

 その食品残さを私ども開成がリサイクラーとしてお受けさせていただきまして、ここでメタン発酵して肥料を製造して、これはグループ会社なんですけれども、カイセイ農研株式会社という農業法人、ここで全量を使っております。お米は約30ヘクタール、あと畑とハウスはわずかなんですけれども、ほぼ稲作で使用しております。それらを加工、もしくはそのまま食品関連事業者さんに戻すというふうなことを村上市内で完結しております。

 次のページを御覧いただきまして、この食品リサイクルには資源の分別作業というのが非常に、協力していただくことが前提としてなっておりますが、この温泉街とかは結構忙しい中やっていただくということで、当初協力していただけない方も結構いらっしゃったんですけれども、実際これがスタートしてから、全国各地から視察にいらっしゃいますので、そこで温泉に泊まっていただいて、もしくは子どもたちの教育の場として見学のコースになったりとか、そういうふうになることによって、分別していただく方々の意識の向上にもつながりまして、当初は結構いろいろなものが入っていたんですけれども、今はかなりの分別率で出していただいております。

 次のページを御覧いただきまして、これは最初のころです。こんな感じで、例えば手袋とか、あとよく爪ようじじゃなくて、鳥の串みたいなやつとか、あとアワビの殻とかサザエの殻とか、こういうものが結構、あと輪ゴムとか。本来は─本来はといいますか、今は機械をつければ結構分別する機械がありますので非常にいいんですけれども、これをみんな分別作業していただいております。

 ちょっと時間がないので飛ばして飛ばして、16ページ目を御覧いただきまして、先ほどの学校給食で子どもたちに給食、残したら、ちゃんと子どもたちが分別します。あと調理場の方々も分別していただいて、それをこの左上の写真は実際子どもたちが機械に投入する作業をしていただいたりとか、あとは肥料を使った南国の果物の、これはちょうど受粉と剪定しているところです。こういうのを体験していただくことで、自分たちが残したものが自動的にエネルギーになって、そして肥料になって農産物になって、また口に入るというところまで体験していただいております。

 次のページは田んぼに肥料をまいている状況です。次のページも。次のページの……すみません、まだ10分あったみたいですので、ここから詳しく説明させていただきます。

 18ページ目の、これは田んぼの水口にタンクを設けまして、ここに液肥を配達します。左上に緑色のバキュームカーがありますけれども、このバキュームカーで消化液、要は肥料登録された液肥を配達しまして田んぼに順次まいていきます。

 18ページ目の左上が、これは田んぼに、ちょっとタンクが間に合わなくて直接液肥をまいて、あとこのポンプアップをして、水をそのまま田んぼに流すときに一緒にまいているんです。

 この消化液の利用の仕方はいろいろありまして、ただ単純に肥料をまくというタイプと、私どもは肥料の、特に窒素成分を抜いてアミノ酸として食味向上のためにまいたりとか、いろいろな方法をして、高付加価値なお米をつくるために、この消化液を利用しております。

 「コシヒカリ」と─あっ、次のページですね。稲刈りの収穫のときになりまして、今年は新潟県は台風被害とか水不足とか、結構被害がございまして、大体1割から2割ぐらい収量が落ちております。あと私ども村上市におきましては、台風被害が結構ございまして、台風被害というか塩害です。台風に伴う強風で塩害が、直接稲にかかってしまいまして、かなりの塩害の被害が出ました。村上市においては1等米比率が六十数%でした。ただ、私ども一応30ヘクタールやっておりますけれども、1等米比率100%ができておりまして、これも消化液栽培、いわゆる液肥栽培に伴って、いろいろな栽培管理を今までと違う形で取り組んでおりまして、その結果がこういうときに出たなというふうに自分たちでは考えております。

 そして次のページ、これは今度は稲じゃなくて南国の果物です。この真ん中の写真、ハウスが真ん中にちょっとありますけれども、これは日本海の波打ち際から撮った写真でして、本当日本海のすぐそばにハウスがあります。大体1月、2月はこの辺、日本海の冬型の気圧配置になりまして、瞬間風速で今年の春でも36メートルとか、冬になりますと、大体日々15メートルから20メートルの風が吹きます。

 私どもは何でこんなところにやったかといいますと、要はこれだけ過酷なところでも小型のメタン発酵プラントでメタン発酵のガス発電もできて、そして消化液を利用した食品リサイクルループにのっとった農業生産ができて、六次産業化もできてという、証明するためにわざと過酷なところでやっております。

 次のページを御覧いただきまして、これは─私ども、メインはパッションフルーツをつくっておりまして、そのほかに、このドラゴンフルーツとかライチ、あとマンゴー、スターフルーツとかです。ただ、今はパッションフルーツの需要が非常に高まって、量が足りなくなってきていますので、順次切りかえているんですけれども、消化液を使った南国の果物って、ミネラル微量要素が豊富に含まれますので、味が濃くなって非常にいいんです。

 次のページを見ていただきまして、これが夏と冬の違いです。左側の下のほうが、これはハウス、一番高いところで7.5メートルのハウスなんですけれども、今年はほぼ雪に埋まってしまいました。海沿いなので、いつもだと風で飛ばされるんですけれども、今年に限っては、雪が降ったときに風が吹かなくて、非常に雪が積もってしまいまして、ほぼハウスが雪に埋まってしまった状況がしばらく続いたんです。でも、ここでも化石燃料なしで食品残さを原料にしたガスで発電した余剰熱、そこで栽培しておりまして、化石燃料はゼロでやっております。

 ちなみに、230坪のハウス2棟ですけれども、化石燃料10で、暖房をつけて維持した場合は約1,200万ぐらいかかります。

 あとは堆肥製造です。そして、一番最後になりますけれども、この事業、メリットはかなりあるんですけれども、デメリットとしまして、廃掃法の枠組みに入るために、そこでかなり事業計画は遅れてしまうということが難点になっております。

 時間が来たようですので、これで報告を終了させていただきます。ありがとうございました。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 それでは、次に北九州市の中村様からお願いいたします。

○北九州市(中村(英)様) 北九州市の中村と申します。

 私のほうからは北九州市の食品ロス削減に向けた取組、そして私の後に中央卸売市場で行いました青果物残さの取組について御報告します。

 次のページをお願いします。

 食品廃棄物の状況なんですが、現在、家庭ごみ、事業系ごみを問わず、その多くを食品廃棄物が占めておりまして、今後のごみ減量化推進の課題となっております。

 本市の実態につきまして調査しましたら、ごみの中に占める食品廃棄物は、家庭ごみでは、この青いところですが、約半数近く、そして事業系ごみについては3割ほどを占めております。そのうち、食品ロスについても、かなりの部分が占めております。

 次のページをお願いします。

 食品ロス対策につきましては、ごみの減量化を推進する上で非常に重要なことになっております。そのため、本市の循環型社会形成推進基本計画の中で食品ロスの発生抑制に向けた取組であります「残しま宣言」の周知や食品ロス対策について施策を打っております。

 次のページをお願いします。

 平成27年11月から開始しました「残しま宣言」ですが、外食時には初めから食べ切ることができる量を注文することに加えまして、グループ間で料理をシェアすることや、開始後30分など食事を楽しむ時間をつくることなど、料理を食べ切ることを推進しております。

 家庭でもこれまで推進してきました3切り運動に加え、賞味期限と消費期限の違いを正しく理解していただくことにより、食品ロスの削減を図ることとしております。

 次のページをお願いします。

 市の循環型社会推進基本計画に基づきまして、家庭では「残しま宣言」運動として、「使い切り」「食べ切り」「水切り」の3切り運動を含む「残しま宣言」を周知するとともに、余った食材を生かし、生ごみの排出量を少なくする調理方法を学ぶリデュースクッキング講座の開催や未就学児童を対象とした紙芝居及び動画を作成するなど、食品ロス削減に向けた機運を盛り上げているところでございます。

 次のページをお願いします。

 これは未就学児向けの啓発なんですが、これは平成29年に行いました。将来を担う子どもたち、とりわけ幼少期から食品ロス削減についての意識を高めていくことが重要と考えております。そこで、好き嫌いや食べ残し等を題材とした紙芝居、動画を作成し、5・6歳児の在籍する幼稚園等へ配布することで啓発を行いました。

 また、本事業は基本的な生活習慣の習得過程にある未就学児へ食品ロス削減を意識した食生活を身につけさせるとともに、子どもたちが家庭においても本事業で学んだことを実践することで保護者への波及効果も期待しております。

 次のページをお願いします。

 事業者向けにつきましては、来店者の希望に応じた料理提供などの調整で市民の食べ切りを促す飲食店を「残しま宣言」応援店として登録する制度を設けております。これは市民の食べ切りを推進するとともに、事業者の環境意識の向上を期待しているものでございます。

 次のページをお願いします。

 これは昨年度、応援店の知名度アップと忘年会・新年会シーズンの食品ロス対策として実施した「残しま宣言応援店食べ切りキャンペーン」でございます。このキャンペーンは、期間中に「残しま宣言」応援店で注文した料理を食べ切ると応募はがきがもらえ、そのはがきで応募すると、抽せんでエコグッズが当たるというものでございます。

 昨年度のキャンペーンでは、市内約200店舗に参加していただきました。

 本キャンペーンの実施で、市民への食べ切り意識を高めるのみならず、参加者に対して応援店の取組を広くPRできたと考えております。

 次のページをお願いします。

 発生抑制に努めても、どうしても発生する食品廃棄物、生ごみにつきましては、これを堆肥化することがごみ減量の有効な手段でございます。そのため、堆肥化に関する市民向けのコンポスト化講座を開催しています。平成21年の事業開始以降、これまでに145回、約5,400人の市民の皆様が受講し、リサイクルに取り組んでいただいております。

 次のページをお願いします。

 事業所から発生する食品廃棄物につきましては、その処理を行う事業者を支援することで民間リサイクル処理能力を確保するなど、着実な推進に取り組んでおります。ここでは本市に立地する食品廃棄物処理業者であります「楽しい株式会社」による食品廃棄物の堆肥化の事例を記載しております。同社の取組につきましては、この後説明させていただきます。

 次の、最後のページでございますが、削減目標につきましては、私どもの計画では、平成21年度比で32年度までに食品ロスだけでなく、ごみの総量として家庭ごみを約7%、事業系ごみを約8%削減する目標を設定しております。この目標を設定できるよう、食品ロスについても削減していくこととしております。今後も引き続き「残しま宣言」運動の推進などを通じて、食品廃棄物、食品ロスの削減に努めてまいりたいと考えております。

○北九州市(中村(尚)様) 続きまして、私は同じく北九州市でエコタウン等環境産業推進を担当しています中村と申します。

 私からは、事業系食品廃棄物削減に向けた取組事例として、市中央卸売市場における官民一体となった青果物残さの地域循環圏構築事業について御紹介させていただきます。

 次のスライド、2ページ目をお願いいたします。

 初めに、事業の概要です。

 取組の背景としましては、本日同席しております楽しい株式会社さん。こちらは北九州エコタウンを拠点に、食品廃棄物の地域循環圏形成に取り組んでいる事業者です。また、市中央卸売市場は市内最大の事業系一般廃棄物排出事業者でありますが、減量化が進んでいないという状況がございました。そこで、楽しい株式会社さんが持つ技術・ノウハウを生かして青果残さのリサイクルを通じて、処理経費の削減、COの削減、リサイクルループの形成、これを目指すこととしたものです。

 また、この取組をモデルとしまして全国の中央・地方公設卸売市場への横展開を目指すことといたしました。

 次のページをお願いいたします。事業実施前の廃棄物処理の流れです。

 市場内では、可燃ごみと食品廃棄物をごみ集積所に混合排出し、年間約2,550トンを市の焼却工場に搬入しておりました。市場外の業者につきましても、年間2,840トンの青果物残さを焼却工場に自己搬入しておりました。

 この要因としましては、市の焼却工場への自己搬入手数料、これが1キロ10円と非常に安価であるということが、まず挙げられます。

 次のページをお願いいたします。

 今回の事業を通じまして、市場内では廃棄物のうち、青果残さ物をごみ集積所に設置した装置で一次発酵し、その発酵物を北九州エコタウン内の施設で堆肥化し、農産物の生産に利用するリサイクルループを形成したところでございます。この取組によりまして、年間650トンの廃棄物削減につながっております。

 次のページをお願いします。市場内に加え、市場外の廃棄物の流れをまとめたものです。

 市場外事業者につきましても、今回の取組が認知されたことによりまして、自社で堆肥化装置を導入することなどにより、全ての事業者が今回のリサイクル事業に参加するという波及効果が生まれております。これによりまして、場内650トンに、場外2,840トン、これを合わせまして、年間約3,500トンの廃棄物削減が可能となりました。

 また、場内24トン、場外101トン、合計125トンのCO削減効果にもつながっているところでございます。

 次のページをお願いいたします。

 リサイクルされた肥料は、下関市内日三町生産組合での循環米の生産、あるいは市内の契約農家での循環野菜の生産に利用されております。

 また、市中央卸売市場では、市民感謝デーでつくった堆肥を無料配布するなど、食品リサイクルへの取組の市民啓発にも努めているところでございます。

 次のページをお願いいたします。

 この図は楽しい株式会社さんを中核に取り組んでおります、本市の地域循環圏形成に向けた取組をまとめたものでございます。現在、市内59事業者が参画し、年間5,840トンの食品廃棄物を減量・リサイクルしまして、250トンの堆肥をつくっております。

 堆肥は市内及び近郊農家に提供し、循環農作物として北九州に戻ってくるリサイクルループを形成しております。

 次のページをお願いいたします。最後に、他都市・海外への展開事例です。

 今回の取組をモデルに、千葉市や福岡市の卸売市場での堆肥化によるリサイクル、これを進めているところでございます。

 また、マレーシアのキャメロンハイランドへの技術・ノウハウの移転を進めているところでございます。

 以上で説明を終わります。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の最後の事例となります。全国生活学校連絡協議会より御説明をお願いいたします。田丸様ですか。

○全国生活学校連絡協議会(田丸様) 全国生活学校連絡協議会の田丸と申します。私どもの団体は女性が中心の団体で、全国的な活動を共通してやるというふうに思っていまして、今回は食品ロスの問題は家庭の食品ロスが大変多いと、半分以上家庭のロスであるということがわかりましたので、それでは実際に実態がどうなっているんだろうということで、全国の仲間、400校ぐらいございますが、そこに出して調べてみました。

 それで、まず初めに日にちを決めまして、毎月1の日を「食品ロス見直しデー」ということに決めて全国一斉にやりましょうということで、そういう表をつくりまして、その中でやったんですが、それが年度ごとに集計いたしまして、やっているうちに食品ロスがだんだん少なくなったということで、何のロスが一番多かったかということは、結構冷蔵庫の中のお話なので、全然手をつけないで廃棄しちゃうというケースも随分ありまして、廃棄した量の多い種目からレシピ集をつくろうということになりまして、削減レシピ集というのをつくりました。そして、そのレシピ集をもとにしまして本を発行したわけです。それは9,000部出しましたが、それがテレビ局とか、それから読売新聞に取り上げていただきまして、「食品ロス見直しデー」のレシピ集を無料で差し上げますということを情報で流しましたところ、9,000件の応募がありまして、その方たちにお渡ししました。

 そして、それぞれの講演会とか普及活動するために、私たちだけではもったいないということで、今日配らせていただいたんですけれども、食品ロスの家計簿ということで、「お薬手帳」の大きさで、どなたでも家族の方が書けるようにということで、これは2年分のことが書けるような表があるんですが、これを各自の家庭で御使用いただきまして、御自分の家庭の食品ロスを家族の方みんなが考えていただくという方向でこれを出させていただきました。

 また、ここへ来まして、行政を通して配布するようになりまして、これまでに6万7,000冊以上の手帳を全国の方々のところにお配りしてやっております。

 初めに、私どもの生活学校運動というのは、全国運動としては大体3年ないし4年に1度全国的にやろうということになって、今までにレジ袋を減らすことの運動と、それから東北の災害の運動についてやっていまして、それで今は食品ロスの問題に取り組もうということで始めました。

 それで、特に「フードバンク」という言葉は皆さん御存じだったんですけれども、「フードドライブ」という言葉はなかなか徹底していませんので、フードドライブというのは自分たちが食品を、御自分のうちで今使っていない食品を、もちろん期限以内ですけれども、それを必要としている方にお届けするという運動なんですけれども、初めのうちはなかなか理解ができなくて数字が低かったんですけれども、今は都道府県でも搬出するという、必要としている人にお配りするのに、お米とか、そういうものはすごく重いので、持っていくという手がなかったんですけれども、各行政がそのことについて考えてくれるようになりまして、向こう側からとりに来て運んで持っていってくれるというシステムに、この2年の間にずっと全国的に伸びまして、皆さんが会合や何かありますときに、それを持ち込んで、それを直接必要な人に運んで、それをロスにしないで使っていただくという運動に転換していきました。

 そして、「子ども食堂」ということで、いただいた材料をもとにして、共稼ぎの方とか、単身していらっしゃるとかがいて、子どもがなかなか十分に食べていかれない、御飯も3食食べられないという方々が全国的に数字として大分現れましたので、それを何とか子ども食堂を立ち上げて一緒にお食事をするとか、それからそれに伴って勉強です。学力の遅れているお子さんたちに教えるとかという、そういう運動に変化していきまして、今その運動を全国的に展開しています。

 そんな感じで、4年ぐらいに1回、今問題になっている社会現象の中の一つ、できることを取り上げて、その情報を全国的に流して集計するというような感じで、自分たちのまちが住みよくなるようにということでやっています。

 でも、私たちだけの力では力不足なので、その裏に、行政マンにそれを持ち込みまして、何とか行政に後押しをしていただいて、その運動をどんどん広げていこうとしていますが、今問題は、次の後継者がなかなかいないということが問題でして、私どもが53年目になるんです。それですけれども、もうほとんどの方が年をとってきましてできない部分を若い人に引き継ぎたいと言うんですけれども、今の若い方は専門職的に相当会社の仕事のほうをしている方がいて、お子さんも見るということじゃなくて、放課後子ども教室とか預かってくれるところがあれば預けて、自分のことをやる方が多いので、その辺のギャップがあるという悩みがありますが、この問題はやはり食べるということは人間の基本だと思いますので、あるとき、私は小学校のほうのことをやっていまして、そこでフードドライブについてイベントをやったんです。そのときに、今小学校のお父様方は30代の終わりから40代の方なんですが、学校教育とか、子どもと一緒にいたいという考えのお父さんが大変多いんです。それで、フードドライブで集めたものを学校で栄養士さんの協力を得まして食事会を開いたり、料理教室をしましたら、男性はすぐその様子を見て、自然に「手伝いましょう」とか、「こういうものだ」とかと言って、そこにすぐ溶け込むんですが、お母様方のほうがなかなか溶け込みにくいということ。

 それで、子どもたちはお父さんと何か一緒にできるということが非常にうれしいらしくて、土曜の午後とか、それから日曜日にそういう催し物をしますと、多くの方が参加していただいて、今は若い男性のほうがいろいろ社会のために何とか地域の人とやってみようという方が多いのに、女性のほうが何か外へ出ていきたいという傾向があるみたいな、ちょっと逆さま現象が起こっているというところが悩みなんですが、このフードドライブについて、子どもたちから感想をもらったのがあるんですが、一緒にやりましたところ、「簡単でおいしかった」って、「お母さんや家族に教えたい」「洗い物が少なくていい」とか、「美しいお料理になることが全く知らなかった。いつも余るものがおいしいお料理になることは知らなかった」とか「リデュースクッキングを実施して、地球に優しい活動を行い、皆さんに知ってもらうことが大切だと思った」「楽しみながら大切なことを学べることもすごくよかった」「これからも多くの人々に知ってもらうように頑張ってください」「食品ロス全国フードドライブがあったら参加します」と、これは小学校6年生の文章なんです。参加してどういう感想を持ったか聞きましたら、そういうことだったんです。

 だから、食品ロスの問題は大人だけじゃなく、子どもと一緒にやることが必要じゃないかということで、先生方はまた先生方でお忙しくて、そういうことになかなか回らないので、学校という場を借りて、先生も、子どもも、それから地域の方々もみんな参加して実際に体験してみないと、この食品ロスの問題が減少しないんじゃないかというふうに思っていますので、子どものときからこういう教育の中に自然に溶け込むということをもっと私たち住民が啓蒙して協力してもらうようにしていきたいというのが私たちの今の課題になっています。

 以上です。

○石川座長 ありがとうございました。

 それでは、これで午後の部、4件ヒアリングを終わりました。これから2時20分か、25分か、そのぐらい、30分ぐらいまでを目処に、まず午後の部でヒアリング、聞かせていただいた方々について質疑を行いたいと思います。その後の時間は全体を通して、全体を俯瞰して御意見をいただきたいと思います。

 それでは、まず午後の部の4件についての御質問、御意見をお持ちの方は名札を立てていただきたいと思います。

 それでは、まず……ちょっとよく見えないんですが。すみません。

○稲吉委員 ありがとうございます。稲吉でございます。

 開成さんに御質問なんですけれども、消化液が出るということなんですけれども、その発生量が日量とか、月間とか、そういうものでいいんですが、どれぐらい出るのかというのと、あと新潟だと冬場は田んぼとかまけないと思うんですが、その間どういうふうに保管なり、ストックされているのか教えてください。

○株式会社開成(遠山様) 日量、入れる残さの性状によっても違うんですけれども、基本的に例えば1トン入れれば、その98%ぐらい。目安としては9割ですから、0.9トン。掛ける入れたトン数です。

 冬場に関しましては、全量堆肥にしております。木くずともみ殻を使って堆肥に全量しております。

○稲吉委員 ありがとうございます。

○石川座長 それでは、次は大熊委員お願いします。

○大熊委員 2点ほど。開成さんのお話の中で、塩害を免れたというようなお話があったと思うんですけれども、特にこの液肥を使っていると大丈夫だったという、その辺の仕組みがわかればお教え願いたいと思います。

 それと北九州市さんのほうなんですけれども、堆肥を発酵させてやるのに、1キロ当たり9円という非常に安い価格で受けておられるんですけれども、これについては、例えば市のほうから何らかの支援、援助みたいなのがあるのか、それとも以降の仕組みの中で全体で経費を吸収しているのかどうか、その辺の仕組みというんですか、9円にできた中身をちょっと教えていただければと。

 以上です。

○株式会社開成(遠山様) では、私のほうから。

 塩害と消化液の因果関係、まだ調べておりませんけれども、塩害が全くなかったわけではなく、等級検査をした結果、1等米だったということになっておりますので、今のところ、まだそこまで調査しておりません。

○北九州市(中村(尚)様) リサイクル費用の9円につきまして、市の支援としては市の独自の補助金として、こういった環境産業に関する技術開発の助成金というのを今年度年間で約5,000万円ぐらいの予算をつくっていまして、楽しい株式会社さんはこれまでにこの助成を使って技術開発を行っており、この点で一部お手伝いをさせていだたいています。

 事業化につきましては、今現在これについては市からは支援等は一切行っておりません。楽しいさん独自の努力でこの9円という値段を実現されているということでございます。

○石川座長 では、小林委員お願いします。

○小林委員 大変貴重な御報告ありがとうございました。

 私からは1点なんですが、JAさんと開成さんなんですが、リサイクルループの中でできてきた農産物の小売価格、末端価格というのはどういうふうな状況なのか教えていただきたいというのがあります。

 その理由として、リサイクルというものを持続的に進めていくときに、私はブランディングって非常に大事なんじゃないかなと思っていまして、それをどういうふうにアピールされているのかという、またはできていない、あるいはそれをやるときの課題はこうだというふうなことを含めて、末端価格。特に開成様のほうではパッションフルーツが非常に味が濃くて品質が高いというようなことがあると思うんですが、それをいわゆるマーケットの中でどのようにアピールしている、あるいはすべきという、そのあたりまで踏み込んでお話を聞かせていただければと思います。

 以上です。

○株式会社開成(遠山様) まずお米のほうに関しましては、一応循環型、食品リサイクルの一環のものということで、小売のほうはそれで対応しております。1割まではいかないですけれども、通常一般価格の1割に届くかぐらいの値段設定で販売しております。

 パッションフルーツに関しましては、ハウスが230坪のハウス、2つしかございませんので、逆に引き合いが多く、東京の銀座のすごく高級な某フルーツ店にも卸させていただいておりますし、ほかからも結構御依頼があるんですけれども、正直生産が間に合わない状況でして、今そういう状況ですので。

 ただ、私どもは直売所も設けておりまして、そこでは一般的な値段より若干ですけれども高く、ブランディングするまでもなく、生産量が少ないので、これからの課題になっております。

○小林委員 それでは、口コミでという認識でよろしいですか。

○株式会社開成(遠山様) はい、ほとんど口コミです。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、﨑田委員お願いします。

○﨑田委員 ありがとうございます。

 私も開成さんにお伺いしたいんですけれども、これは小型のメタン発酵ということで、メタン発酵は皆さん、設備投資の費用が高いとか、なかなか大変かと思うんですが、これだけ実際に最初の食品を集める多くの団体との連携とか、六次産業化の実現など、非常に輪をきちんとつくっておられますけれども、どこをつくるのが一番肝だったかというか、大変だったか、その辺を教えていただければありがたいなというふうに思います。

○株式会社開成(遠山様) どこというか、基本的には全体なんですけれども、一番重要視するのは、やはり入り口、出口ですので、まずは資源量の調査から始まりまして、出口は消化液を使って、いかに高品質な農産物をつくるか。結局手間がかかりますので、先ほどのブランディングの話とも共通するんですけれども、一般と同じところで売っては全く意味がございませんので、そこを重要視して、私もどちらかというと、そこの研究開発をずっと続けてきておりまして、いわゆる食品残さ由来の肥料でも高品質なものがつくれるというところに特化してやってきておりました。

○﨑田委員 ありがとうございます。

 あと北九州市さんにお伺いしたいんですけれども、家庭向けなども中心に、家庭系、事業系両方、「残しま宣言」とか熱心にやっていただいて、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク」などにも情報提供していただいて、ありがとうございます。

 今回お伺いした中で、そういうのだけではなく、市場の方たちと連携して仕組みをつくるという、こういう形をつくってくださっているのは大変新しい取組かなと思って伺っていたんですが、これは今行政の皆さんが呼びかけて、そういう輪をつくって、その事業自体は独立採算で回していただいているとか、何かどういうふうに捉えたらいいのか。全国の自治体に同じようなやり方を広げていくときのためにお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○北九州市(中村(尚)様) 今回の事業につきましては、行政の立場としましては、こういった卸売市場は市の中で所管が違う、経済産業局が担当しています。

 先ほどのプレゼンで説明しましたように、廃棄物処理が進んでいないという現状でございましたので、まず市としては、楽しいさんの技術をここで使えないかということで、今回、環境省さんの事業を使わせていただいたわけですが、全体の体制、市と楽しいさんのつなぎや、関係者の会議とか、そういった連携の仕組みをつくるのが行政の役割だと思っています。

 北九州市の場合は、例えば肥料を使うところは周辺地域なんですけれども、またこれが他の地域であれば、その地域の肥料を北九州市に持ってくるわけではなく、その周辺の地域で使っていただくので、この辺は楽しいさんが全国でいろいろネットワークを持たれていますので、楽しいさんに実際の事業のそういう組み立ては考えていただくというような形で今回はやっております。

○﨑田委員 ありがとうございます。そういう経験のある事業者さんとうまく連携しながらつくっていくというあたりが今回うまく定着したところかなというふうに理解してよろしいですか。

○北九州市(中村(尚)様) はい、そのとおりです。

○﨑田委員 どうもありがとうございます。

 では最後に1点、全国の生活学校の田丸さん、いつも御活躍いただき、ありがとうございます。

 それで、今お話を伺って、私はこれを全国に配っていただいているのは大変すばらしいと思うんですが、大体どのくらいの減量成果が出ているかという数字の集約みたいなことは進めておられるかどうか。あるいはそうじゃなくても、感触としてどのくらいの成果が、各家庭で食品ロス削減成果が起きているだろうか、その辺を教えていただければと思います。

 今回、循環基本計画で2030年に半減という目標もできていますので、御意見を伺えればと思います。

○全国生活学校連絡協議会(田丸様) 今﨑田先生のほうからお話があったんですが、この集計というのがすごく大変で、一番初めにやりました集計で、それこそもう大変な思いをしたんで、これにつきましては全国的にいろいろなところへ出しましたけれども、回収はしていないんです。したいんですけれども、これはしたら、数字がものすごく大変で、前に3年間やったときに、それでくたびれて、私3キロも減量になったんですけれども、全国で書く内容が、人によって理解度が違うものですから難しくて、でもここまでやったんだから何とかということで、これは各自で管理していただく、これを各自でやってみて、何か直すところがあったら自分たちで直してほしい。それで、もし感想とかいただけるんでしたら、事務局のほうへぜひ返信してくださいとは言っていますけれども、必ずこれを全部やって送り返せということは言えませんでした。

○﨑田委員 ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、髙橋委員お願いします。

○髙橋(巧)委員 JAさんのほうのお話の中で、2000年当初からリサイクル法が、かなり苦労されて、こういったリサイクルループをつくり上げてきたというお話だったかと思うんですけれども、普通こういった取組をJAさんが自らするというのはあまりないかなと。普通はどちらかというと、排出事業者のスーパーさんとか、リサイクラーが結構苦労してこういったものをつくり上げるという方向性が多いのかなと感じているんですけれども、実際誰のニーズというか、本当にニーズがあってJAさんが始められたのか、逆に、ほかにコーディネーターみたいな方がいて、こういう取組をJAさんの中で取り組んできたのかとかというあたりが知りたいなというのと、これで収益性が非常に上がっているというわけでは決してないような気はするんですけれども、ぶっちゃけ、これ苦労ばっかりして大変だから、やっていても意味ないんじゃないのみたいな議論が出ていないのか、それともビジョンがあって、将来的にもうちょっとこういう課題を直して、こういう取組をしていこうという前向きな流れがJAさんの中にあるのかとか、その辺の内部的な話がお伺いできればなと思います。

○津南町農業協同組合(桑原様) まず最初に取組を始めた平成13年、このときは加藤登紀子さんの旦那さんであった藤本さん、あの方から協力をいただいて、銚子でダイエーとリサイクルを始めていたところに最初見学に行ったと。そのとき私はまだ行っていなかったので、そういうお話を聞いております。

 それ以降は量販店と原信さんとうちと新潟中央青果の常務さんが入って、こういう会議をつくりまして、ぜひともやっていこうと。これは絶対的にいいことだからと。

 うちが全国の農協と全然違うのは、農業廃棄物も処理を─処理というか、収集運搬したり、全部津南町の廃棄物、農業に係る廃棄物の運搬処理はうちのほうで許可を取ってやっております。

 最初、農協法の問題が大分ありまして、けんけんごうごうあったんですが、だんだんと年数を重ねていくごとに理解をしていただいて、今の状況になってきているというところであります。

 農業廃棄物に関しては、ほとんど100%に近い回収率で処理をさせていただいておりますし、この食品循環資源も1,000トンが当初からあまり変わっていないんです。この再生利用事業計画、取得した20年度から、20年度は800、900トンぐらいだったんですが、それ以降は大体1,000トンぐらいがずっと同じく来て、店舗数だけは27から36に増えたという中で、確かに、先ほども申し上げましたが、非常に回収店舗が増えるということは距離も増え、時間も増え、人件費がかさむと。当然のことながら、排出業者の方々は自己的に量を減らしていくというのが当たり前の世界ですので、そういった中でいくと、昔に比べると、かなり厳しいのかなというのはありますが、ただ、うちも何百トンも店舗に納めておりますし、今直で納めていたり、結局は原信さんの野菜を運ぶ車が店舗近くにあるので、荷をおろしたら、うちに野菜をとりに来て、その野菜を直接配送センターに持って帰るという仕組みをつくって、今やっております。

 そんな中で、今のところはお互いフィフティー・フィフティーの間の中で努めていっていると。結局、長い間、17年間という月日がもうたってしまったんですけれども、開成さんの言われているような形で、単価のほうとかもっと上げたいんですけれども、まだ今そこには至っていないです。お金をもらって、うちもそれなりにその野菜を提供してという中でやっておりますので。

 そんなところでございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 ちょっと追加でいいですか。津南町さんのほうで、JAとして農業廃棄物の処理をやられるようになった背景というのはどうなんでしょうか。

○津南町農業協同組合(桑原様) 処理というか、収集運搬なんですけれども、津南町は農業立町ということでずっとやってまいりまして、農業廃棄物の処理が平成10年になるか、ならないかぐらいだったと思うんですけれども、結構と言われ始めてきたころであります。そのころに中央会等もそのことで文書を流してきた部分もありますが、そういう中で、うちはその前に産業廃棄物の収集運搬と処分というのはとっておりました。ですので、そういった中で何とかうちも車、大型車両も持っておりますので、その車で運べないのかということで検討を重ねて、町も協力していただいて、私のほうで産業廃棄物の関係の申請に向かいまして、県のほうからは農協法はどうなのかと。これは定款にも載っていないじゃないかと、いろいろなことを言われながら、そこから理事会を通していろいろと煮詰めていって、何とか県のほうにも了承をいただいて現在に至っております。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 それでは、田中委員お願いします。

○田中委員 ありがとうございます。

 津南町さんと、それから北九州市さんにそれぞれお話を伺いたいんですけれども、まず、今のお話の続きなんですが、このリサイクルループの事業の持続可能性を今どのように考えていらっしゃるのか、率直な御意見をまず伺いたいんですけれども。

○津南町農業協同組合(桑原様) 持続可能な可能性、今ほども言いましたが、もう17年目入っておりまして、もう当たり前のような感じになって、そのまま両者やっております。ただ、2店でやっているわけではなく、ループの中、うちを含め、全部で6者ありますので、その皆さんの中で、悲しいかな、1者だけが回収がゼロに、持ち込みのところなんですが、地元のところなんですが、回収がゼロになってしまってきているというところも、本当に微量なんですけれども、量的には年間に1トンぐらいの量でしかないんであれなんですが、そこが今後やめるのかどうなのかはっきりとしていかなくてはいけないところなんですが、あとは普通どおりに今の状況で進めてやっていっておりますし、うちとしても、この事業は継続でずっとやっていきたいなと。

 うちは、堆肥は毎年3,000トンから農家がみんな利用して、やはり今の自然環境がここ3年、温暖化の影響を受けて非常に厳しい状態になってきている。そういう中でうちとしては、何はともあれ、やはり土づくりだということで、堆肥の利用を一生懸命推進してやっていっているところなので、ここは一番農業の基幹的施設である堆肥センター、有機センターを基軸として農業展開を図っていかなくてはいけないということで、そういった意味では、ここはずっと継続をしていきたいと思っております。

○田中委員 ありがとうございます。

 では、北九州市さんにちょっとお願いしたいんですけれども、中央卸売市場の事業についてなんですが、4ページ目の資料で、焼却場に持ち込むとキロ10円で焼却、リサイクルすると9円でリサイクルできますという、この資料の読み方をもう一度確認したいんですけれども。焼却より安いですよということを伝えるための資料でしょうか。

○北九州市(中村(尚)様) そうですね。その面がございます。北九州市は特に焼却手数料が安くて、リサイクル事業というのがなかなか成り立たないという、これは堆肥化だけじゃなくて、いろいろな事業をやる上で課題というか、そういうのがございます。

 今回につきましては、楽しいさんの努力で、基本的には、やはり10円を下回らないとリサイクルというのは定着していきませんので、そういった意味でここは書かせていただいております。

○田中委員 今後、手数料を上げるとか、そういう方針はないんですか。

○北九州市(中村(英)様) 今はキロ10円と、ほかの市に比べても安いところですが、今後、事業系のリサイクルとかを進めていく上で、それは検討課題の一つであるとは考えておりますが、今直ちに上げるとか、そういう方針はまだ出ておりません。

○田中委員 あと今年度から事業化ということですけれども、この事業というのは、初年度から採算が合う事業なんですか。

○楽しい株式会社(松尾様) 楽しい株式会社の松尾と申します。

 環境省さんの事業で平成29年度に9円でできるかどうかということの実証をやりました。これは事業として成り立つということでございましたので、事業化後につきましても9円。

 実は楽しい株式会社は北九州エコタウンの中でリサイクル施設を持っておりまして、日量4.5トン、年間で1,300トンの受け入れとリサイクルを行っているんです。実はこちらも9円で行っておりまして、ともに9円。北九州市内でのリサイクルについては9円ということで、これでできるということでの実証ができておりますので、それを続けております。

 今課長からもございましたように、日本全国どこでもそうなんですけれども、ごみに捨てるよりもリサイクルにしたほうが2割も3割も倍の値段がかかってしまう。これでは受け入れていただけないし、広がっていかないですよね。ですから、私どもの努力目標として、焼却費用の手数料がこれだけだったら、それ以下でできるかどうかというところが非常に大きな挑戦していく、そういう目標になってくるということでございまして、それが達成できているので北九州市内ではお陰様で約6,000トンのリサイクルができているということでございます。

○田中委員 ちょっとしつこいんですけれども、それは北九州エコタウンにリサイクルセンターがあるから成立する数字なのか、それとも全国どこでも真似できる数字なのか教えてください。

○楽しい株式会社(松尾様) 実は私どもが全国どこでもやろうとした場合に、全国どこでも9円でできるかといったら、これはちょっと難しいと思います。北九州市内で市内ずっと、仮に回るにしても30分圏内ということでありますが、それともう一つ、非常に大きな、私どものほかと違うやり方なんですけれども、回収したほうがいいのか。回収せずに発生現場で処理機を置いて、そこで減量化していって、回収する頻度を、例えば3カ月に1回とかということで回収する費用を削減していく。これによってリサイクル費用の削減を図る。これを回収して集中処理していくのをオフサイト方式、回収せずに発生現場で減量と一次発酵していくのをオンサイト方式、この2つの方式でどちらが効率的か、あるいはコストが安いか、そういうことでお客様の、排出事業者さんの選択もあわせて、そういう両立ての組み立てをしておりますので、この結果、年間5,840トンのところまで今広がってきたということでございます。

○田中委員 しつこいようなんですが、エコタウンのないまちでも可能だということですね。

○楽しい株式会社(松尾様) エコタウンがないまちでも、当然その地域の実情に合わせてやらなきゃいけませんが、9円では難しいかもしれませんけれども、これが20円とか30円とかいうわけではなくして、全国の焼却手数料の平均値以下ではできると思います。

○田中委員 ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、西山委員お願いします。

○西山委員 ありがとうございます。

 JA津南町の方にお伺いさせてください。今日の御説明の中で、高齢化による堆肥利用量の減少というのは衝撃的でしたが、コンビニなどからの食品リサイクル由来の肥料というものが、農家さんにとって本当に価値があるものなのでしょうか。

 というのは、いろいろなこだわりを持って作られていると思いますので、当然肥料にもこだわられているでしょうし、でき上がった製品については高品質で差別化されたものを市場に出そうという強い思いがおありと思います。我々は排出者として、それ肥料だ、飼料だとやっていますが、本当に農家の方から期待されているものなのかどうなのか、ぜひ使わせてくださいというものなのか、渋々使っていただいているものなのか、ここら辺がちょっとわからなくて、御教示いただければと思います。

○津南町農業協同組合(桑原様) うちは農協という立場でもありますので、生産者の皆さん、利用者の皆さんに変なものは譲れないわけでございますので、回収する残さにつきましては野菜くずに限定しております。なぜかというと、まずもって堆肥を製造するに当たって塩基はちょっと問題がありまして、農作物に影響を及ぼす部分もあります。

 そういうのがありますので、まず加工したもの─まあ、食塩とか何か入ったもの等は私どもは受けないという中でやって、本当に野菜くずのみで、野菜くずのみで1,000トンからなんで結構な量なんですけれども、重量はないのであれなんですが、そこだけにしていると。あと爪ようじなり、テープなり、ナイロンの切れ端とかいろいろなものが入ってきますが、ここはお互いに連絡を取り合いながら、もし入っていれば、まず店舗できっちりと分別をした中で、うちの専用容器の中に、その残さを入れます。うちに来て、うちの施設でまずおろすわけですが、おろしたものに対して、またもう一度分別をかけます。そこで機械で風を通して分別かければいいんですけれども、そういうものを使うと非常にコストがかかる。手選別だけでやっておりますが、排出者側が一番最初に分別をするのが一番コスト安く、簡単に済むということでやらせていただいて、もし、いろいろと入っていたときには写真撮ってメールで、「これが入っていました。大体どこら辺の店舗です」と。大体のところはわかるんです。それでメールを送って、注意喚起していただいて、それをずっと繰り返しながらやっております。

 最近ちょっと問題なのが、パートさんが結構入れかわりするんです。そういった入れかわりしているときの入ったばっかりのパートさんは、そこがちょっと難しいときがあって、多少の波は出てくるなというところはありますが、爪ようじ等が入っていると、また飼料、餌にした場合では、これまた危険度が増します。

 そういった意味で、では、どこまできれいに分別すればいいのかというと、排出事業者さん側だと非常にコストもかかり、リスクも大きいことになろうかと思いますけれども、肥料法の中では、最終的に堆肥が出てお客様のもとに渡って、ここに何か入っていたとなると、それが排出事業者側のほうにも責任が行くということになっておりますので、そこら辺もお互いに注意をしながら最善の方法を見つけていくという形以外は今のところないのかなと思っております。

○西山委員 ありがとうございました。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、堀尾委員お願いします。

○堀尾委員 今日はどうも。4件とも大変すばらしいお話だったと思いますが、まず開成さんのほうに質問させていただきたいんですけれども、「全国展開」という言葉も2回ほど出てきたんですが、私のほうから見ていてちょっと気になったのは、メタン発酵による発電の部分。冬はやらないわけですよね。

○株式会社開成(遠山様) もう一度お願いします。

○堀尾委員 発電をおやりになっているんですよね。

○株式会社開成(遠山様) はい、やっています。

○堀尾委員 冬は堆肥だけをやるというふうにおっしゃっていたので。

○株式会社開成(遠山様) いや、365日やっています。

○堀尾委員 365日、それは……

○株式会社開成(遠山様) 冬は消化液を堆肥にしているという。

○堀尾委員 消化液、そういうことですね。わかりました。

 それで、FITに基づいておやりになっていると思うんですが、今後FITが終わった後も、このFITによる収入が全体のおたくの収益のどれだけを占めているのか大体おっしゃっていただければわかるのかもしれませんが、今後全国展開やる場合に、その部分もくっつけて全国展開なのか、それとももう、例えば発酵したガスは、いわゆる暖房とか、そういうことだけに使うようなスタイルのほうがいいのか、その辺についてお聞きしたかったんですが。

○株式会社開成(遠山様) 現在はFIT法がありますので、それにのっとってやっておりますけれども、例えば20年後とかなくなった場合、もちろん減価償却が終わっておりますので、新電力を使って安い電力の販売も考えておりますし、あとガス事業法も今変わっておりますので、ガスとして販売することも考えております。

 ただ、私どもはFITの前からやっておりますので、当初は発電した電気を農業利用と直売所の電気で利用するという計画で十分収益は成り立つんですけれども、農業収入も含めた事業全体の収益として考えておりますので、一応これからもしFIT法がなくなるのであれば、そのような事業展開になっていくと思います。

○堀尾委員 そうすると、あれですか。電灯・電力の値段二十数円でペイするというふうにお考えだったということですね、かつて。

○株式会社開成(遠山様) はい、もちろんです。

○堀尾委員 あと分別についてもちょっと伺いたいんですけれども、手選別でやられているのはすばらしいと思うんですが、出される側とのやりとりを絶えずおやりになっているんでしょうか。非常にさらりとおっしゃったので。

○株式会社開成(遠山様) 最初のころは研修を行ったりとかやっておりまして、今はJAさんと同じで、例えばたまに爪ようじ─爪ようじというか、爪ようじはたまにというか、結構入ってくるんですけれども、うちの場合は最終的な固液分離で全部取り除けますので。ただ、もし大きいものが入っていた場合は、やはり写真を撮って、要は事業者は私どもも特定できているんですけれども、一応全部に回覧をさせていただいて、それで周知徹底させていただいております。

○堀尾委員 ありがとうございます。

 それから、北九州市さんに1つ、小さいことなんですが、「残しま宣言」の量的な効果というのはどうなんでしょうか。それで、発生量は減ったというふうに理解していいんでしょうか。何か数値をお持ちなんでしょうか。

○北九州市(中村(英)様) 「残しま宣言」、これは啓発なんですが、具体的な、これでどれだけ減ったとかというのは数値的には押さえておりません。

○堀尾委員 数値化していただけるといいかなと思いました。

 それから、最後に田丸さんのほうなんですけれども、私の感想なんですけれども、まあ、皆様お年だということであれかもしれませんが、できたら家電業界さんとか、そういうところと組まれて、それで冷蔵庫も今、いわゆるスマートフリッジというのも出ておりますし、そういうようなものを消費者が入って開発するというようなことへつなげていかれたほうが、有意義かと思います。集計なんかも含めて、携帯に、スマホに入ってしまいますとビッグデータをつくるのは非常に簡単になってまいりますので、何かその辺も─まあ、おたくの団体だけということでなくて、むしろ、この委員会のまた別の議論の中でやるべきことかもしれませんけれども、そういうことも少し考えていただけるといいのかなと思いました。

 コメントでございますけれども。

○全国生活学校連絡協議会(田丸様) ありがとうございました。それは重々承知しているんですが、1つのことに夢中になって、ほかのことにちょっと気が回らないで、全部集計して、結果、そういうこともわかり始めましたので、その次のテーマとして、これをさらに進めていきたいというふうに考えておりますので、御意見なり、アドバイスがあったら、ぜひいただきたいなというふうに思っています。

○堀尾委員 ありがとうございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、渡辺委員お願いいたします。

○渡辺委員 4件の発表者の皆様、どうもありがとうございました。

 JA津南さんに質問なんですけれども、開成さんとの対照で、先ほどの質問にもありましたけれども、付加価値がつけられるかどうかというところで、なかなかつけられないというほうにお悩みのようなお話をちょっとされていたかと思うんですけれども、現状のJA津南さんの出荷先というのは卸売市場に出されているのか、市場に出されているのか、あるいは直販をされているのか。直販と言っても小売業者に対する直販であったり、あるいは消費者に対する直販であったり、どこで評価が途切れちゃう。せっかくそれだけ御苦労されているのが、その情報がどこで途切れちゃっているのかというのを伺いたいのが1点です。

 それからもう一点は、取組先が今は原信さんにほぼ限られているという話だったんですけれども、それはなぜかなと思っていたら、野菜くずのみを回収して、いろいろと手間がかかるようなことをおっしゃっていたんですけれども、ほかの取組先に広げていくにはそういう手間がかかるということでなかなか難しいという御判断なのか、その2点をお教えいただけますか。

○津南町農業協同組合(桑原様) まず最初ですが、市場もございます。全体でいくと市場が半分くらいあります。あと半分は直販。新潟県内だと、出しているのは原信さんのみと、あと中央青果に行きますが、あとは関東。関東は東京を中心として大手のスーパーさん等に納めさせていただいております。

 そういった中で、売り込み方ですが、原信さんは、うちとのループの中でのやりとりで、まず一番最初に1ページめくっていただいたところのエコサイクルというのを、これ看板をわざわざつくって、店舗にもポップというか、看板で上からぶら下げたのかな、こういう取組をしていますということでやってきたんですけれども、時期が早過ぎたのか、平成13年、まだまだ理解をしていただける状況になかったと。一々、一つ一つのお客様に説明をしないと、これを見ただけでは何だかわからないというのが平成13年のころでございました。

 それから何とか、店舗数がとにかく多いので、うちの野菜を、では、限定した店舗にやっていきましょうという取組とか、いろいろな取組をやってみたんですけれども、なかなかいまいちうまく歯車がかみ合わなかったというところがありまして、今現時点では普通に原信さんから収集運搬、処分と両方金額いただいておりますけれども、その分をある程度野菜の部分であまり値上げをせず、市場流通と同じか、ちょっと上くらいで納めさせていただいているというか。

 先ほどもちょっとお話ししましたが、お店のトラックが直接うちの野菜の出荷場に来てくれるので、運賃等もそこら辺で省いたりということで、農家所得の向上にはその部分ではつながっておりますので、農家に対しては直接支払いする金額的には今はずっと上がってきてはいます。ただ、全体的にこういうことをやっていますよというのは、あまり大っぴらに話はしていませんが、ただ、私が冒頭の途中でちょっと話をしましたが、回収車両には最初ロゴも、原信さんと、みんなロゴを入れていたんですね、ピーコックさんとか、ロゴを入れていたんですが、新しい車になってから、ちょっともうロゴはいいよということになりまして、ロゴなしで、回収車両のほうは今そのような形で、先ほど私がよく見たら字が違っていたというところも「循環資源」が「環境資源」になっていて、まあ、似たようと言えば似たようなものですが、私もちょっと気がつかなかったんであれなんですが。

 そういった形でやってきて、本当に一番最初に取組を始めた20年の年、子どもたちが本当に並んで信号待ちしているときに、みんなが指を指しながら言っていたというのを運転手さんから聞いて、おお、これはいいことだなと思っております。

 実際店舗数も年々、毎年毎年のように新店舗開拓しておりますし、お客様からそれだけ信頼されるようになって、こういう取組の中でなってきたのかなというのは私自身感じているところであります。

 あと取引先、ほかのところでありますが、実際に排出量はさほど多くはございませんで、もう一カ所違う、長岡市のほうにある会社でございますが、そこのところは、もし使うとすれば長ネギとかキャベツ等ですけれども、キャベツは100%ぐらい行く場所が決まっておりまして、そこに行っております。長ネギは今うちのほうではあまりつくっていないといったところがありまして、そういったところで、相対で特定肥料でつくった特定農産物の販売をどうのこうのという部分ではなく、最近私のほうも、最初はずっと、10年ちょっとはその方向に向けようと一生懸命努力したんですが、今現時点、はっきり言って売り方はもっと違った方向に変わってきております。そこはちょっと言えないところなんですが。

○渡辺委員 生ごみの出どころの取引先というか、原信さん以外から出るスーパーを開拓するとかということはないんですか。

○津南町農業協同組合(桑原様) 原信さん以外から。今ループの中の会社以外は、とりあえずは考えておりません。今実際そこだけで、もう時間的に無理がありますので、新しい店舗ができても断っているという。これが1日13時間になりますと、車両運送法だったか、何かの法で、2人で運転をしないといけないようなことになりますので、そうすると、とてもやっていける状態にないということで御理解をいただいているということでございます。

○渡辺委員 わかりました。

○石川座長 どうもありがとうございます。

 それでは、五十嵐委員お願いします。

○五十嵐委員 聞く側とお答えする側、少し逆転してしまうんですけれども、参考までにお話をさせていただきます。

 リサイクルされた肥料というのは、先ほど御質問ありましたけれども、渋々使っているのか、進んで使っているのかという御質問がございましたけれども、農家さんにとって畑とか田んぼというのは命なんです。ですから、私ども、私は今学校給食で肥料をつくっておりますけれども、販売するときに、農家さんはすぐ使ってくれません。まず無料でテストまきをして様子を見て、ああ、この肥料だったら作物育つね、育たないねと。もし畑がだめになったら、五十嵐さん、どうしてくれるということで、まず保険を掛けたり、無料のテストまきをしていただいたり、そういうところから始まって、そしてできた作物がよければ買ってくれると。

 私どもは、今福岡のニラ農家さん、もう10年以上使っていただいているんですけれども、それは福岡のニラ農家さんは、うちは年10回ニラの刈り取りをするけれども、五十嵐さんのところの肥料を使うと成長が早くて、大体12回ぐらいは刈り取りができると。自然に農家の売り上げが上がり、収入が増えるんだということで、リサイクル肥料というのは、どこかしら農家さんが得することがなければ、絶対に使っていただけない。

 また静岡のお茶畑でも、収穫量が増えたということで長年使っていただいているんですけれども、そういう意味では、本当にいいものをつくらなければ売れないし、リサイクルループどころじゃございません。その焦点、ポイントとなるのが塩分濃度と油分濃度なんです。これがある程度の数値の中におさまっている肥料をつくらなければ、畑にまいたときに塩害を起こしたり、作物を枯らしたりという、極端に言えばそういうことになってくるということで、今いろいろ皆さんのお話を伺ったけれども、皆さん、いい肥料とか飼料をおつくりになっているから今日があるんだなと。大変な御努力、御苦労を経て今日立派に運営していらっしゃるんだなと大変感銘をしております。

 以上でございます。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、石島委員。

○石島委員 お疲れさまでございます。ここまで来ると皆さんの意見が大体、私もそうだな、質問することが全てなくなってきましたけれども、でも基本的に食リのほうで、やはり発生抑制というのはすごく大事だなと思います。発生抑制の前に、今日の北九州市の方もそうですけれども、やはり啓発運動。それが私もまず大事かと思いますし、田丸さんが言っている、すごく頑張っているというのも、さっき言ったように、このシステムを全体に広める。先ほど言いましたように、今は携帯の時代ですから、多分回収なんかのデータなんかあると思います。

 そういうのを今日ずっと聞きながら、こういうのも1つの形で発生抑制の、特に子どもたちの食育の中で、出さない方法をまずスタートしてから、今日ヒアリングされた皆さんのいろいろな方向性が結論出していただけるというのをつないでいくのも、これからの食の大事なことかなと。

 今日、本当質問していきたいんですが、皆さんの質問した答えが全部出てきちゃって、最後にそういう感じ。何かまとめたわけじゃないんですけれども、今日はそういう感じを受けました。失礼いたしました。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、牛久保委員お願いします。

○牛久保委員 全体質問の前に、時間が食い込んでいるのに、さらに質問させていただきますが、JA津南さんにですけれども、こういう言い方をすると大変失礼なんですが、農協さんというのは化学肥料を売るという、一般的にはそういう方向性が強い状況の中で、要するに食品リサイクルにのっとって食品廃棄物、特に野菜系であっても堆肥化されているという意義は非常に大きいと思います。

 例えば先ほど説明で、なぜ農協さんが堆肥化というの趣旨と精神はわかりました。土づくり。そもそも日本は土づくりの議論がなさ過ぎるということで、土づくりが農業の基盤であり、そこが大切だと思います。

 化学肥料も否定はしませんが、土づくりをするために有機物の必要性があってということなんですけれども、そこのお考えをもうちょっとお聞かせいただければということなんですが。

 それからもう一つは、17年近くリサイクルループで野菜くずを中心に堆肥をつくられているという中で、野菜から野菜へ戻すということになると、いわゆる忌地現象、連作障害的なことの発生という御経験はあるのかないのか。

 というのは、どうしても同一原料で堆肥化していきますと、連鎖反応的にある部分が濃縮されていって忌地現象がというようなことが発生するようなメカニズムが起きるということも考えられると思うんですが、そこら辺、何か現象があったり、また対応されたということを教えていただければというのが。

○津南町農業協同組合(桑原様) まず最初の土づくりですが、これはもう基本コンセプトです。昔は化学肥料でずっと来て、土壌がみんな化学肥料ばっかり入れていて、粗粒構造になって、だんだんと有機質がなくなってだめになってきた。もう肥料を幾ら入れても下に浸透、さーっと浸透していってしまうと。団粒構造をつくるために有機質を当然投入して、そこには微生物がなければ絶対だめな話の中で、そこを団粒構造をつくるためには堆肥の投入、緑肥、これは不可欠なものになってきます。

 これは2番目の連作障害のものにも関わってきますが、そういった中で、うちは土づくりは、もう昭和の時代からずっとやって、地力が少ない土壌だったものですから、うちの先代の組合長がとにかくやらなきゃだめだと。で、平成元年から国の補助をいただきまして、堆肥センターを製造しまして、平成13年に新たに攪拌施設を増築して、今実際に施設の長さは200メートルあります。大きな施設でありますが、年間1万トン処理の施設でありますが、そうやって、とにかく圃場にはみんな堆肥を入れるんだという意気込みの中でずっとやってきております。そういった中でずっと進めてきておりますので、農家さんはみんなわかっていられます。

 それで、リサイクル肥料だ、どうのこうのだと言っても、野菜残さですので、農家さんもわかって、要は病原菌が入ってくる、入ってこないの問題とか、最初はいろいろ危惧したときもあるんですけれども、そこはうちも、70度以上の熱が何日もずうっと攪拌機の中で続いているわけです。そうすると、大体のところは全部死滅します。ただ、死滅しないのが不思議で、いまだかつてまだ不思議なのが、うちは牛ふんなんですけれども、牛が食べる飼料、外国産の飼料の中に種が入ってくるんですけれども、その種が幾ら熱を加えても、殻がいかにかたいのか何なのか知りませんけれども、それがまた堆肥を散布すると、何か変な草が生えてきたぞというお叱りはたまに受けることがあるんですが、そんなことぐらいで。

 あと連作については、緑肥で対応したり、あと堆肥を入れて連作がどうのこうのというのはないです。

○牛久保委員 要するに、野菜だけじゃなくて、牛ふんとの混合堆肥ということですか。

○津南町農業協同組合(桑原様) そうです。

○牛久保委員 先ほど野菜だけというふうに伺ったものですから、材料として原料が牛ふんとの混合堆肥だということでよくわかりました。

 それからもう一つですけれども、これは農業従事者の高齢化による堆肥化の利用量の減少という面の話でありますけれども、当然化学肥料に比べて、堆肥の入れる量は10アール当たり、それこそ1トン、2トンという、非常に重量的にもたくさんの量を入れなきゃいけない。これで、例えば1つの方法として、私は堆肥製造者が、すき込んでやるまでが堆肥製造の仕事だというふうに思っているんです。今のように高齢になりますと、自分で買いに来て、1袋30キロや荷姿で持っていって、それを施用しようとしても農機具、アタッチメントのない中で実際の作業ができないというようなことがあると思うんです。

 ですから、特に農協さんでしたら、貸し出しする農機具、アタッチメントも所有されていると思いますので、例えば、自分たちがつくった堆肥は自分たちで入れてあげて、希望のとおりにすき込んであげるんだというような事業形態をぜひお考えいただければなと。何かお願いのような話になりましたけれども、そういうところまでが堆肥業者の1つの役割だというふうに考えていただければなということを思う。それによって、利用の量の拡大、それから土づくりにも大いに貢献するんじゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○津南町農業協同組合(桑原様) 今のお話ですと、うちの状態を今言わせていただきますと、津南の各地域に堆肥散布のマニアスプレッターを補助金絡みで入れさせてもらって、それで結構散布を皆さんしておられますし、担い手の皆さんは、みんなマニアスプレッター個人で持っていて、全部堆肥センターにトラクターで牽引してきて、それを全部圃場に散布して、うちのほうは多い作目ですと反当5トンまきますので、水田で1トン以下。まあ、水田のほうは先ほども言いましたが、去年新しくクローラーの水田散布専用のマニアスプレッターを、3トン半のマニアスプレッターを購入しまして、それで今回、10月稲刈り終わってから散布をいたしました。一応92ヘクタールほど農協でもって委託散布させていただいております。

 そんな形で徐々に徐々に。そうやっていかないと、高齢化で幾らよい堆肥があって、使えばいいのがわかっていてもできないというのが現状でありますので、何とかしていきたいなというのは常々思っております。

○石川座長 どうもありがとうございました。

 大変熱心に質疑をしていただきまして、予定の時間を少し延びているんですけれども、ここから、午前、午後のヒアリング9件、それからさらに言うと食品リサイクル法全体を俯瞰して、皆さんから御意見をいただきたいと思います。

 御意見をお持ちの方は、ぜひ名札を立てていただきたいと思います。

 それでは、まず今井委員。

○今井委員 午前中のヒアリングをお聞きして、自動発注というシステムが何カ所かの事業者さんからあったと思うんですけれども、これは需要を予測して、もしこれが当たれば非常に効果的じゃないかと思ったんですが、自動発注をすることによってどのくらいロスが減ったのかというようなデータがもしあったら、ちょっと紹介していただきたいなというのと、もう一つは賞味期限です。我々製造業者からすると、賞味期限を延ばすというのは非常に効果があるんじゃないかと思うんですが、賞味期限を延ばすことによって─まあ、先ほど午前中、山崎パンさんのお話があったと思うんですけれども、それでロスがどのくらい減ったのかというようなデータがあったら、ぜひ次回紹介していただけたらなというふうに思います。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、﨑田委員。

○﨑田委員 ありがとうございます。

 今回のこの委員会の趣旨の1つに、事業者の方の食品ロス削減の目標値を考えるというのがありました。考えてみると、もう既に発生抑制の目標値、かなりの業界で入っているんですが、まだ入っていないところもあるという状況です。

 家庭系が2030年までに半減という目標になっていて、事業者さんも半減という、大ぐくりで言うとそうなのかと思うんですけれども、メーカーや卸の方のように、同じものが大量にあり、いろいろな仕組みがつくれるようなところはかなり効果が高く出るというのも先ほどのお話にありました。その辺の全体感をちゃんと見ながら、消費者に身近な、いわゆる外食の事業者さんや、小売店、そういう中小規模のところの─まあ、既に目標値がある業界もありますが、その取組みががどのくらいの形で進んでいるのかをチェックしながら、新しい仕組みをつくっていくことが大事なんだというふうな印象を持ちました。

 なお、今現在、地域社会では、報告義務がない規模の事業者さんがまちに大量にいらっしゃって、その方たちの排出する事業系一般廃棄物の量が大変多いという、そういうことも課題になっていますので、そういう部分を含めて考えるというのも必要なんだなという印象を持ちました。

 なおもう一点、リサイクルに関して、もう常に言われてきたことなんですが、地域によってはリサイクル関連事業者さんがいないので、なかなかできないというような御意見の事業者さんもあります。やはりマッチング機能、あるいは支援して地域循環共生圏としてのシステムをつくるという新しい発想とか、そういう今後のことをちゃんと話していくのが大変重要かなというふうに思いました。よろしくお願いいたします。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、堀尾委員お願いします。

○堀尾委員 先ほども発言させていただいたんですが、家庭系、あるいは外食産業にも関係するかと思うんですけれども、冷蔵庫の問題というのはそれなりに大きな問題ですし、冷蔵庫だけに限らず、食品リサイクルにどういうふうに新しい技術を導入しながらつくり上げていくかという、そこが1つの課題になっているんじゃないかと私は思っております。

 今回の見直しの中で、それをどういうふうに掲げるかということになると思うんですけれども、今日のお話を聞いていても、関係者の皆さんのいろいろな立場からのお話が大変大きな、ここで交流することに意味があるように思っておりますが、今後そういう技術の開発においても、ユーザー、あるいは関与者、いろいろな方が参加した形で開発を行うような環境、プラットフォームをつくらないと、メーカーさんだけの発想でやられるということは非常に限界があるし、メーカーの国際競争力にも影響してくる話だと思うんです。

 私は実は数日前に、ある家電メーカーさんの技術者が食品の冷蔵庫の問題で発表するのを聞いたんですけれども、ほとんど現場と関係を持たずに自分たちの頭だけでつくられている。そういう環境から脱却していただくことも、こちらのこの委員会などから提案していく必要があるんじゃないかと思いまして発言をさせていただきました。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、渡辺委員お願いします。

○渡辺委員 ありがとうございます。

 今の消費者を巻き込んだプラットフォームというのは、私も賛成です。それを言おうと思っているわけではなくて、私が発言したかったのは、食品リサイクルを回していくのに発生抑制があって飼料化、肥料化があってという話の中で、今日の午前中の話と午後の話との対比で聞くと、小売業者のどちらかの方がちらっとおっしゃっていたのは、リサイクルした飼料を豚に食べさせて、それを売るというのが消費者にどうやって、どれだけ受け入れられるかわからないんだよなみたいなことをちらっとおっしゃっていて、飼料化することと、肥料化することというのが消費者にとってどれだけ、それによってつくられた作物、食品というものが受け止めがそれだけ違うのかというのが、そういう調査がもしかしたらあるのか、ないのかであったり、あるいは小売業者の方がそういったものをどう評価しているのかといったことがわかると、どういう形で情報発信していけば、より付加価値の高いものであったり、あるいは少なくとも劣るものでは絶対ないと思うんですけれども、よりよいものとして消費者に受け入れてもらえるのかということがわかるのかなというのを午前と午後を対比して感じました。

○石川座長 ありがとうございます。

 西山委員。

○西山委員 先ほどの話と関係しますが、例えば家庭でのロスを減らすために販売店が工夫をする、もしくは工場で製造方法を見直す、もしくは販売店からロスが出ないために物流を使って、もしくは工場の工夫を通してロスを減らすという、コンビニエンスストアなどが取り組んでいるサプライチェーン全体を使った取組が増えてきていますので、業種だとか業態による区別というとらえ方はやがて限界が来るんじゃないかなという思いがあります。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、小林委員、それから﨑田委員お願いします。

 あっ、関連して。では、どうぞ。

○堀尾委員 私、先ほど発言したときに、消費者だけということじゃなくて、今おっしゃったようにサプライチェーンも入れた形でやらないといけないと思っております。といいますのは、例えば今のスマートレフリジレーターです。中にビデオがついていて、見ているという程度ですから、そうじゃなくて、スーパーで買ったときに、その買ったものがスマホを通じて自分の冷蔵庫の中へきちんとバーコードなり何なりから入っていくような、そのぐらいのことが今できるわけです。ですから、そういう業界全体をつないだ形で開発が行われたら、日本発というようなものもできるんじゃないかと思っております。

○石川座長 私、確認したいことがあるんですが、西山委員のおっしゃったのは、連携して減らしていくのだから、業種とか業態別の個別目標というのは意味がないんじゃないかという、そういう趣旨ですか。

○西山委員 全く意味がないとは言おりませんが、サーキュラー・エコノミー的な考え方が増えていますので、全体を通して、やはり局所的に見ていくとメリットもデメリットもあると思うんですけれども、全体を通して初めてなし得ることというのもあると思いますので、何かそういう取り組み方がきちんと評価できるといいなというふうに感じました。

○石川座長 ありがとうございます。私もそういう視点は必要だと思います。

 それでは、小林委員お願いします。

○小林委員 時間もないので手短にと思っていますけれども、今のサプライチェーンの文脈で言うと、そのところに農家というものをしっかり位置づけていくのが、やはり必要なんじゃないかなと。ちょっと今日発言しようか、ずっと午前中から迷っていたんですけれども、やはり産地廃棄の部分を今すぐとは言いませんが、どこかの段階で入れていかないと、サーキュラー・エコノミーの問題が破綻するんじゃないか。要するに、リサイクルすればするほどいいってなったときに、農家さんとして本当にどうなんだろうと。

 そういう意味で、例えば規格外のものをどういうふうに出荷できるのかということも含めて、そこでぜひ前提としてお願いしたいのは、過剰供給にならない形で規格外のものをちゃんとマーケットで評価していく。こういう取組についてはフランスが割と進んでいるなという印象ですけれども、食品ロスの推計の中にも産地廃棄の部分をしっかり入れて、そこのブランディングというものも進んでいる現状がありますので、そういった意味で、ぜひ農家の、農家所得の問題とか、あるいは先ほどのローソンさんもありましたけれども、企業の農業参入、そういったこともひっくるめて、食品ロスもその中でしっかり位置づけていくということが長期的には必要なんじゃないかなというふうに思っております。

 以上です。

○石川座長 ありがとうございます。

 あと﨑田委員と稲吉委員から挙がっているんですが、あと3分しかないので、若干押してしまうかもしれません。大変申し訳ありませんが、手短にお願いいたします。

○﨑田委員 ありがとうございます。

 先ほど来、私は主に消費者の目線で発言をしておりましたが、もう一点、今、全国の自治体の皆さんがこの食品ロス削減に関して非常に関心を高めておられます。特に自治体にとっては、自分たちでは直接できないけれども、地域の消費者や小売店、外食、そういうところとの取組を連携させることで、協働でしっかりと地域に食品ロス削減行動を根差すことが可能なんではないかということで、今現在、全国で、全都道府県と、市区町村、合わせて373の自治体でネットワークを組んでいます。

 「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」で、課題としては、いろいろな地域にそういう運動を広げてますが、成果の定量化がこれからというところで、そのようなデータが出てから、皆さんに発表したり、これからの地域の政策づくりに貢献できるんじゃないかなというふうに思っています。

 そういう意味で、先ほど来のいろいろサプライチェーン全体のネットワークというときに、自治体も大事なプレーヤーとして考えていただくのがいいんじゃないかと思って、一言発言させていただきます。よろしくお願いします。

○石川座長 ありがとうございます。

 それでは、最後になりますが、稲吉委員お願いします。

○稲吉委員 すみません、今日この場でお話しするのがふさわしいかどうか、ちょっと迷ったんですけれども、最後になって、時間のないところですみません。

 今中国でアフリカ豚コレラという病気がはやっていまして、千歳空港から羽田空港で中国からの旅客が持ち込んだギョーザとかソーセージからウイルスの痕跡があったというような報告がされております。こういうことによって、我々養豚業界の中でも、食品残さを使って飼料をつくっている立場からすると、中国産の食品を使用した餌は大丈夫なのかと。特に野菜くずです。スーパーさんから出てくる野菜くずなんかに中国産のものがまじっていないかということを気にする人はかなり増えてきています。

 それなので、これから食品リサイクルということで飼料化というふうに考えると、物の出どころがどこかということは我々もしっかりリサーチしていきたいと思いますし、そういう動きになっていくのかなと。1つ障害が増えたかなというふうに感じています。

 ちょっとピント外れな意見だったのかもしれませんけれども、このことを1つ心にとめていただきたいというふうに思っています。

○石川座長 ありがとうございました。

 皆さん御協力いただきまして、大変熱心に、かつ効率的に議論ができたのかなというふうに思います。これで本日のヒアリングを終えたいと思います。

 次回の会合につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○冨安室長 次回につきましては、11月26日月曜日の10時から農林水産省第3特別会議室、こちらで開催いたします。

 今回のヒアリングと前回の合同会合で委員の皆様からいただいた御意見をもとに論点を整理いたしまして、それぞれの論点について、さらに御意見を頂戴することを予定いたしております。

 以上でございます。

○石川座長 それでは、どうも長丁場のヒアリング、お疲れさまでした。どうもありがとうございます。

午後3時01分 閉会