保健・化学物質対策

資金・技術支援に関すること、その他の規定

規制だけでなく、途上国で水銀対策を実施するための資金支援・技術支援や、情報交換・普及啓発なども重要な課題になります。

資金・技術支援

 「水俣条約」で定められた規制等を実施していく上で、途上国への技術的資金的な支援が重要です。例えば、水銀の大気排出の抑制や水銀廃棄物の適正管理を開発途上国に導入するためには、そのための資金と技術が欠かせません。これまで我が国は次のような技術的貢献を果たしてきました。

  • UNEP水銀パートナーシップに参画し、廃棄物からの水銀放出管理に関する活動を主導
  • バーゼル条約技術ガイドラインの作成
  • 水銀対策に係る行政及び関連組織の人材育成

「水俣条約」の主な内容

  • 条約のもとで資金支援を行うための制度(資金メカニズム)を設置。
  • GEF(地球環境ファシリティ)信託基金を主たる資金メカニズムに、能力開発・技術を支援する国際プログラムを補完的なメカニズムに位置づけ。
  • 途上国に対する能力強化、技術支援、技術移転を実施。

その他の規定

 これまで紹介してきた以外にも、条約では以下のような内容が規定されています。

「水俣条約」の主な内容

  • 水銀による影響を受ける人々に対する適切な健康管理の促進等の奨励。
  • 情報交換や普及啓発、調査研究やモニタリングの促進。
  • 条約は 50カ国が締結してから 90日後に発効。

今後の課題

写真:黒人の労働者が働いている様子水銀使用へのかかわりが深い開発途上国のより多くが、早期に「水俣条約」を締結し、条約に基づく取り組みを推進できるよう、資金面・技術面の支援や働きかけを実施することが大きな課題といえます。我が国においては国内での水銀保管・処分などに関する検討を行い、また、我が国が持つ技術や経験を生かして、様々な側面で世界的に貢献していくことが求められます。

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