保健・化学物質対策

水銀の環境への排出・放出に関すること

地球規模での水銀の循環の原因となる人為的な大気への排出と水・土壌への放出について、その削減が取り決められています。

大気への排出

 世界の水銀の大気排出について、人力小規模金採掘(ASGM)以外で排出量の多い分野は、順に、1. 石炭などの化石燃料の燃焼、2. 非鉄金属生産、3. セメント製造、4. その他(廃棄物焼却など)となります。「水俣条約」では、これらを含む 5 つの排出源カテゴリーを対象に、既存の施設と条約発効後に新設する施設に対して規制を定めています。

「水俣条約」の主な内容

  • 石炭火力発電所、産業用石炭燃焼ボイラー、非鉄金属精錬施設、廃棄物焼却施設、セメント生産施設を対象に排出削減対策を実施。
  • (1)新設施設:各締約国での条約発効から 5 年以内にBAT(利用可能な最良の技術)/BEP(環境のための最良の慣行)を義務付け。
  • (2)既存施設:各締約国での条約発効から10年以内に①排出管理目標、②排出限度値、③BAT/BEP、④水銀の排出管理に効果のある複数汚染物質管理戦略、⑤代替的措置から一つ以上を実施。

水・土壌への放出

 水・土壌への放出は、どちらかというと地域性のある問題であり、国際条約になじむのか、という議論もありましたが、水域の汚染は健康影響に直結することから、条約に盛り込まれることになりました。なお、我が国では、水質については、公共用水域や地下水において維持・達成すべき基準として、全国一律の環境基準が設定され、その確保のために工場・事業場に対して排水規制、地下浸透規制等が行われています。土壌については、環境基準とともに、土壌汚染対策法に基づく土壌含有量基準や土壌溶出量基準が定められ、調査や対策が進められています。

「水俣条約」の主な内容

  • 他の条項で対処されていない水銀発生源を対象に、各締約国での条約発効後 3 年以内に、放出削減の対象となる発生源を特定。
  • 新規施設・既存施設とも、①放出限度値、②BAT/BEP、③水銀の排出管理に効果のある複数汚染物質管理戦略、④代替的措置から一つ以上を実施。

大気中の水銀濃度の連続測定

我が国では、沖縄県の辺戸岬の大気・エアロゾル観測ステーションにおいて、形態別水銀連続測定装置を用いて平成19(2007)年10月より継続して連続測定を実施しています。これまでの連続測定の結果、大気中の水銀濃度は指針値(40ngHg/m3)を一桁下回っています。このプロジェクトは以下の分野で貢献することを目的として実施されています。

図:大気・エアロゾル観測ステーションの位置、沖縄の辺戸岬(へどみさき)
  • 大気、粒子状物質、降水に含まれる水銀及びその他の重金属の濃度のモニタリングの実施
  • アジア太平洋地域における微量元素の長距離移動に関する有用な情報の獲得
  • モニタリング技術の確立
  • 大気環境モニタリングにおける国際協力

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