保健・化学物質対策

地球の水銀汚染を防ぐために、私たちができること

 水銀は、途上国を中心に様々な用途で使われています。一方、日本でも昔に比べ使用量は大きく減少したものの、いくつかの製品に使われています。地球規模の水銀汚染を防ぐためには、私たちも含めた世界中の人びとがともに水銀排出の防止策に取り組むことが必要です。

日本における水銀の用途

表:日本における水銀の用途、円グラフ

生活の中でできる取り組み

1.水銀が使われた製品のことを知り、正しく利用しましょう

私たちの身の回りに、どういった水銀使用製品があるかを知り、水銀が外に漏れ出さないよう決められた用途を守って、正しく使いましょう。

家庭にある主な水銀使用製品

図:家庭にある主な水銀使用製品、水銀血圧計、水銀体温計、蛍光ランプ、ボタン電池(一部)

日本照明工業会では、水銀が使用されたランプを見分けるのに役立つものとして、「家庭向け水銀使用ランプの分別・回収について」を作成しています。

・日本照明工業会ホームページ

2.水銀が使われていない製品への切替を検討してください

水銀が使われている製品の買い替えのときなどに、水銀が使われていない製品への切替を考えてみてください。

代替製品の例

図:代替製品の例、水銀体温計を電子体温計へ取り替える、蛍光ランプをLED照明へ取り替える

※水俣条約を踏まえ、我が国では水銀使用製品について製造・輸入に関する規制が2017年また2020年に導入されますが、この規制は既にご家庭にある製品の使用中止を求めるものではありません。

3.水銀が使われている製品は、ルールに従って捨てましょう

水銀が使われている製品を捨てるときは、水銀が漏れ出さないように正しく捨てる必要があります。お住まいの市区町村で定められたルールに従って捨ててください。

捨て方の例

図:捨て方の例、蛍光ランプや水銀体温計など破損しやすいものは、購入時のパッケージに入れるなどして出す
ボタン電池回収缶

電池工業会では、業界団体の自主的な取り組みとして、使用済みとなった水銀を含むボタン電池等を全国約14,000 箇所の電気店や補聴器店等にある回収缶で回収し、適正な処理を行っています。回収缶のあるお店は、電池工業会のホームページで確認できます。

・電池工業会ホームページ

写真:ボタン電池回収缶

※安全のため、回収缶へ入れる電池は1個ずつセロハンテープでの絶縁をお願いします。

水銀の処理で注意すべきこと
図:水銀の処理で注意すべきこと、掃除機で吸い取らない、洗面台などに流さない、地中に埋めない、燃えるゴミとして捨てない

教えて!水銀のこと ~子どもとお母さんのための水銀Q&A~

Q. そもそも水銀って何?
A. 鉄や金、銀と同じ金属の仲間だよ。
常温で液体のただ一つの金属なんだ。私たちの身の回りでは、蛍光ランプや水銀体温計、水銀血圧計、一部の電池などに入っているよ。
Q. どうして水銀は気をつけなければいけないの?
A. 水銀は環境中に排出されると自然界をめぐるようになり、時には魚など海の生き物の体内に取りこまれたりするんだ。その魚などを人が食べると、水銀が人の健康に悪い影響をあたえることがあるんだよ。
Q. 水俣条約ってなに?おうちでできることは?
A. 水銀で地球をよごさないよう、世界の国ぐにが一緒になって取り組むための約束だよ。おうちにある水銀が入っているものを、正しく捨てることも大事なんだ。
Q. 水俣病ってどんな病気なの?
A. 工場から流された水に入っていたメチル水銀が魚にたまって、それを食べておこった病気だよ。
Q. 水俣病から教えられたことは何?
A. 自然を大切にすること。
自然をよごすと、その影響がぼくらに返ってくるからね。

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