保健・化学物質対策

地球規模の水銀循環

水銀の利用・排出状況について

 水銀は、零細・小規模金採掘、塩化ビニルや塩素アルカリなどの工業分野での利用、歯科用アマルガム、電池・照明ランプ等の製品中への使用など、世界中で様々な用途に用いられています。 

 それに加え、水銀は原燃料の燃焼をはじめとした多様な排出源から環境に排出され、全世界を循環しており、それが水銀対策を複雑かつ困難なものにしています。

 国連環境計画(UNEP)によれば、海洋生物中の水銀濃度は人為的な水銀排出の影響で19世紀中頃より急激に増加しており、魚介類を多食する北極圏の人々などで健康影響の懸念が指摘されています。

水銀対策に関する国際的な機運の高まり

 2002年にUNEPが公表した「世界水銀アセスメント」は、グローバルな水銀汚染の状況に警鐘を鳴らしました。これを踏まえ、国際社会における水銀の環境中への排出削減の重要性への認識が高まり、水銀に関する国際条約の策定に向けた交渉が開始されました。

地球規模の水銀循環の図