保健・化学物質対策

「平成27年度放射線の健康影響に係る研究調査事業」新規研究課題の公募のお知らせ

平成27年4月30日
環境省総合環境政策局環境保健部
放射線健康管理担当参事官室

放射線の健康影響に関する研究調査について平成27年度より新規の研究を開始します。それに伴い新規に実施する研究課題を以下の通り公募します。

1.背景

原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策の総合的な推進を図るための基本的な方針として、平成24年7月に福島復興再生基本方針が閣議決定されたところであり、国内外の英知を結集した放射線の人体への影響等に関する調査の重要性等について指摘されているところです。また、同時期に公表された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書や東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会報告書においても、継続的な健康影響に関する調査を行っていく必要がある旨の提言を行っているところです。

環境省では、このような状況を踏まえて、平成24年度から放射線の健康影響に係る研究調査として、線量評価に関する研究、健康リスクに関する研究、健康不安対策の推進に関する研究を実施しています(7.添付書類参照)。本事業では、昨年度までの内容及び「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の「中間取りまとめ」を踏まえつつ、放射線の健康影響に係る研究調査を推進することを目的としています。

2.公募内容及び概要

今般の東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「今般の事故」という。)後、福島県が実施する県民健康調査を始めとした健康管理や、健康不安への対応が行われてきましたが、特に子どもの健康に対する幅広い影響が注目されているなかで、依然として放射性物質の汚染による健康影響への不安の存在が推測されるところです。

こうした状況を踏まえ、「平成27年度放射線の健康影響に係る研究調査事業」では、住民の健康管理や健康不安解消への取組の有効性を高めることを主目的に、以下の4つの研究を推進します。なお、研究期間は原則として最長で3年としますが、各年度に実施する有識者による当該年度の研究成果及び次年度の研究計画の評価結果により、次年度の継続を認めないこともあり得ます。また、諸処の事情により3年未満で本事業を終了する場合もあり得ます。採択件数は(1)~(3)合わせて数件、(4)では1件を予定しております。審査結果によっては予定採択件数を下回る場合もありますので留意して下さい。

(1)放射線被ばくの線量評価に関する研究                           (1課題あたり年間最大1千万円  (一般管理費を含む))

今般の事故における被ばく線量評価として、現在、個人線量計による外部被ばく線量の測定や、ホールボディカウンターによる内部被ばく線量の測定等が実施されています。そこでこれらの取組を補完し、一般住民の被ばく線量の評価に資する研究を募集します。特に、下記の内容を満たす研究については優先的に採択します。

① 線量評価に資するデータの収集及び評価に関する研究

「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の「中間取りまとめ」では、「今後も、線量推計の基礎となる様々な測定データの収集と信頼性の評価を継続することが重要である」と記載されています。これを踏まえ、福島県内外における事故初期を含む被ばく線量の推計の精緻化を図ることを目的とし、線量評価に資する各種データを収集し評価する研究を募集します。なお、当該研究については必要に応じ、研究成果となる計測データ等について、既存のデータとの比較・集計等ができる形での提出を求めることがあります。

(2)放射線による健康影響の解明及び放射線以外の要因による健康リスクの低減を含めた総合的な健康リスクに関する研究 (1課題あたり年間最大1千万円(一般管理費を含む)

放射線による健康影響については、広島・長崎の原爆被爆者に関する調査を初めとする疫学調査、動物実験等による放射線生物学に係る研究等により、これまで様々な科学的知見の集積が行われてきており、これらの知見を踏まえて、一般住民の健康管理を行う必要性や健康管理の内容について検討が行われています。そこで、こうした取組に資するため、極低線量(10 mGy 未満)及び低線量(10~100 mGy)の放射線被ばくの影響に関する研究ならびに生活習慣等自然発がんの頻度を修飾することが明らかである要因について、その放射線の発がんへの影響と機序を解明する研究、さらに福島県民健康調査等の既存の取組で指摘されている課題の解決に資する研究を募集します。特に、下記の内容を満たす研究については優先的に採択します。

① 避難等による生活習慣の変化に伴う健康影響に関する研究

「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の「中間取りまとめ」では、「放射線に対する不安に加えて長期の避難生活による生活習慣の変化、生活設計が十分にできないことの不安とストレス等が血圧、肥満度、血糖値といった健康指標の悪化をもたらしている、また、それらが十分に改善されておらず今後さらなる悪化も懸念されるとの意見があった」と記載されています。これを踏まえ、今般の事故による生活習慣及び健康状態の変化について現況把握を行い、分析・検討を行う研究を募集します。

(3)放射線による健康不安対策の推進に関する研究                      (1課題あたり年間最大1千万円(一般管理費を含む))

放射線による健康影響、特に低線量被ばくの健康影響に係る健康不安に対応するために、正確かつ迅速な情報提供を行うとともに、個々の住民が有する健康不安の内容を把握し、個々の健康不安の内容に適切に対応する必要があります。そこで放射線に対する健康不安の背景に対し、一定の妥当性を有するアプローチで対話を試みる研究や、健康に関する正確な情報に基づき、職種横断的に取り組む健康不安対策について、福島県内の自治体と連携し、住民の参加を促しながら、総合的かつ客観的に評価する研究を募集します。特に、下記の内容を満たす研究については優先的に採択します。

① 福島県内外での放射線不安等の現状把握に関する調査研究

「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の「中間取りまとめ」を踏まえた当面の施策の方向性として、「福島県及び福島近隣県の各地域の状況や自治体としての方向性を尊重し、地域のニーズに合ったリスクコミュニケーション事業の推進に取り組む」ことが示されています。そこで、今般の事故に関して、現在、福島県内外の住民が抱えている放射線からの被ばくを含めた様々な不安やその心理的影響について包括的に調査し、その割合や要因等について分析した上で、系統的に整理する研究を募集します。

② リスクコミュニケーションの効果の把握に関する研究

放射線による健康不安軽減に対して、効果的な方法の一つとしてリスクコミュニケーションがあります。これまでに実施されてきた、住民向けのセミナーや車座集会、保健福祉関係者の人材育成を通じた不安対策等の様々なリスクコミュニケーション手法についての情報収集を行い、実際の結果を基に定量的に分析・評価し、効果を把握することを目的とした研究を募集します。

(4)福島県内外での疾病罹患動向の把握に関する調査研究                   (年間最大1千万円(一般管理費を含む))

「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の「中間取りまとめ」を踏まえた当面の施策の方向性として、「各種がんの罹患動向の把握及びがん以外の疾患においても同様に把握していく」ことが示されています。そこで、福島県およびその他の地域における死亡・死因、がん、循環器疾患、先天異常等の悉皆性の高い統計情報を収集し、地域ごとに経時的な疾病等の有病率、発症率および死亡率の変化を分析することで、福島県内外での疾病罹患動向の把握を行うことを目的とした研究を募集します。なお、採択に当たっては、日本国内において、がんや循環器疾患等に関する疫学研究の実績を十分に有する公衆衛生学や疫学の専門家を中心とした研究体制を構築していること、および、福島県の疾病罹患の動向を把握している専門家が参加している研究課題を優先的に採択します。

※(1)~(3)については、優先的に採択する研究に該当しないものについても若干数採択する予定です。

3.応募資格者

  1. (1)研究機関※に、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含むものとして、所属する者であること。
  2. (2)当該研究機関の研究活動に実際に従事していること
  3. (3)大学院生等の学生でないこと
  1. ※ア.国の試験研究機関
  2.  イ.地方公共団体の附属試験研究機関
  3.  ウ.学校教育法に基づく大学及び同附属試験研究機関
  4.  エ.研究を主な事業目的としている一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人及び公益財団法人
  5.  オ.研究を主な事業目的とする独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第3項に規定する国
      立研究開発法人

4.応募方法

【様式1】「平成27年度原子力災害影響調査等事業(放射線の健康影響に係る研究調査事業)研究計画書(主任研究者用)」をダウンロードし、主任研究者が研究計画書作成要領【主任研究者用】に従って必要事項を入力の上、下記事務局にメールで送付してください。分担研究者を必要とする研究計画の場合、【様式2】「平成27年度原子力災害影響調査等事業(放射線の健康影響に係る研究調査事業)研究計画書【分担研究者用】」をダウロードし、分担研究者が研究計画書作成要領(分担研究者用)に従って必要事項を入力の上、主任研究者を通じて【様式1】とともに下記事務局にメールで送付してください。

※応募いただいたメールを受理した旨を事務局からメールにて返信いたします。応募後5日経過しても受理メールが届かない場合は、お手数ですが事務局まで電話にてご確認願います。

※必要書類は「7.添付書類」よりダウンロードして下さい。

5.応募期限

平成27年4月30日(木)~6月8日(月)18時まで

6.研究の採択

研究の採択につきましては、送付された研究計画書に基づき、今後、開催する「放射線の健康影響に係る研究調査推進委員会」にて研究課題についての評価方針に従って採択の可否が検討されます。合計7課題程度の採択を予定していますが、採択しない場合もあり得ます。採択の可否については事務局より御連絡いたします。

7.添付書類

事務局:お問い合わせ先及び研究計画書送付先
環境省総合環境政策局環境保健部放射線健康管理担当参事官室
参事官補佐 護邦(もりくに) 英俊
〒100-8975
(住所)東京都千代田区霞が関1-2-2
(電話)03-3581-3351(内線6397)
(FAX)03-3581-3368
(E-Mail)HIDETOSHI_MORIKUNI@env.go.jp

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