保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議議事概要 | 第13回

日時

平成26年11月26日(水)17:00~19:30

場所

東京都内(全日通霞が関ビル 大会議室A(8階))

出席者

(委員)明石委員、阿部委員、石川委員、遠藤委員、大久保委員、春日委員、佐々木委員、

宍戸委員、清水委員、鈴木委員、祖父江委員、長瀧座長、丹羽委員、伴委員

(事務局)小里副大臣、北島部長、得津参事官 他

1.中間とりまとめについて

事務局より、資料1について説明。委員の主な意見は以下のとおり。

○ 被ばく線量評価部分に関する委員の主な意見は以下のとおり。

・ P15「避難指示により避難した住民の中に甲状腺吸収線量が100mGyを超えた乳幼児がいた可能性は否定できないが、いたとしても数としては限定的であると考えられる。」という表現について議論が行われた。「可能性は否定できない」に続く記述を削除する、という意見が出される一方、可能性の大小を示すことは重要との意見もあった。また、線量評価に不確実性があることを踏まえた上で、コンセンサスが得られた意見については、中間とりまとめに記載すべきとの意見があった。さらに、線量評価の研究が現在も進められていることから、「可能性は否定できないがさらなる検討が必要である。」あるいは、「可能性は否定できないが現在検討が進められている。」としてはどうかという意見もあった。

・ 線量評価については、「福島県内」、「福島県外」に線引きして評価することは適切でないとの意見があった。

・ 甲状腺への被ばくについては、吸入の寄与が大きいと推測されている。食品からの経口摂取の寄与は、福島県内の農業従事者の世帯の場合は、食品からの経口摂取による寄与もある程度存在する可能性はあるが、都市部では小さいと推測される。吸入被ばくにおいては、一般に距離が遠くなるほど、拡散による希釈効果があることから線量は低くなる。WHOやUNSCEARの線量推計で示している線量の幅は、平均値がその幅のあたりにあることを示しているものであり、その幅から外れる値が存在する可能性を否定しているものではない。

  ・ 線量評価については、推計の不確かさは当然あるが、科学的にどこまで分かっておりどこが分からないのかを踏まえた上で、中間とりまとめにおける表現の曖昧さはできるだけ小さくした方が良い。

○ 福島県の県民健康調査「甲状腺検査」に関する委員の主な意見は以下のとおり。

・ 就学・進学等のために、県外に転居した方にも将来にわたって調査に協力いただけるように何らかの体制が必要。

  ・ 県外に転居した方にも長期的に調査に協力してもらうためには、あらかじめ本人の同意書を取る必要がある。現在の県民健康調査では、こうした協力に対し同意を取っていないので同意書の取り方について再検討が必要。

  ・ 調査への協力については、本人の参加・不参加の自由を尊重することも必要。

・ 中間とりまとめにおいては、コホート調査の必要性について、論理展開を明確にすべき。

○ P31「エ)疾病罹患情報の把握について」に関する委員の意見は以下のとおり。

  ・ がんの罹患動向の把握に有用な全国がん登録は、2016年から始まるが、それまでは県単位のがん登録が継続される。福島県に住民票があり、他県の医療機関でがんの診断・治療を受ける方の情報を把握するため、近隣県だけでも協力してもらえると良い。

○ 避難や不安等に伴う心身の影響に関する委員の主な意見は以下のとおり。

・ 放射線の直接的な影響だけではなく、原発事故から派生した心理的、社会的問題も含めた間接的な影響を、総合的に考えるべき。肥満、糖尿病といった生活習慣病や、こころの問題は、明示的に健康リスクがある。それについて国として、省庁間の横断的な連携も含めて対応することを明示的に記載して欲しい。間接的影響の健康リスクが大きいことは、チェルノブイリ事故におけるUNSCEARの報告書に記載されており、スリーマイル原発事故でも同様だった。

○ その他、中間とりまとめ案全体に関する委員の主な意見は以下のとおり。

・ 例えば甲状腺検査の議論においては、公衆衛生学的な検診の効果に関するエビデンスや、甲状腺がんの診断・治療の現場における実情などについて、様々な議論があった。これらのロジックが見えるような形で中間取りまとめをまとめることが重要。

<文責 環境省放射線健康管理担当参事官室 速報のため事後修正の可能性あり>

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