保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 | 第12回議事概要

日時

平成26年10月20日(月)14:00~16:30

場所

東京都内(三田共用会議所 大会議室(3階))

出席者

(委員)
明石委員、阿部委員、石川委員、遠藤委員、大久保委員、佐々木委員、宍戸委員、鈴木委員、祖父江委員、長瀧座長、
中村委員、丹羽委員、伴委員、本間委員
(関係省庁)
粟津主査(復興庁)、福生課長補佐(厚生労働省)、川崎室長補佐(厚生労働省)
(事務局)
福山政務官、北島部長、得津参事官 他

1.原発事故による避難や不安等に伴う社会的・精神的影響について

 事務局より、資料1-1について説明。その後、避難や不安等に伴う間接的な社会的・精神的影響に関する現在の施策に関して、復興庁及び厚生労働省より、資料1-2に沿って説明。主な質疑としては、委員からは、保健師の人材不足に対する厚労省の考え方を問う質問があり、それに対して、保健師の確保については基金で対応しており、十分な予算の確保に努めたいとの回答があった。その他、今年の3月に復興庁と厚生労働省の連名で関係団体への協力の通知を発出したとの報告があった。

2.中間とりまとめについて

事務局より、資料2~4について説明。委員の主な意見は以下のとおり。

  • 子どもの甲状腺被ばく線量の分布は不確かさがあり、一番線量が高い人でも大したことはない、と片付けてしまうことに抵抗を感じる。不確かさについては、もう少し丁寧に記載すべき。
  • 県民健康調査「健康診査」に含まれる血算は、血液疾患をみる基本項目であり、不安があるために行っていることについて考慮すべき。乳幼児に対する採血については、侵襲的なものであり、慎重な検討も必要。
  • 日本での成人の甲状腺検査でも、甲状腺がんの発見頻度は罹患率よりも高く出ている。まずは文献から引用すべき。
  • 一般に甲状腺がんの発見頻度が年齢とともに増加することについて記載するべき。
  • 福島県の場合、住民の不安を解消することが甲状腺検査の目的であり、通常のがん検診とは事情が異なる。「無症状」という表現を変えたほうが誤解を生まない。
  • 細胞診の段階で、偽陽性と判断してよいのか疑問がある。
  • 検査をすること自体が心身の負担につながると受け取れる表現については賛成できない。経過を患者不安に寄り添って一緒に見ていくことが、臨床医の役割だと思っている。
  • 現在、県民健康調査で実施している甲状腺検査は健康で甲状腺に問題がない人に検診しているものである。通常、がん検診のガイドラインは症状がない方を念頭においており、利益が不利益を上回ると考えられる場合、がん検診を推奨している。福島県の方々には放射線の状況があるため特別な配慮は要るが、基本的にその考え方は適用するべきと考える。甲状腺がんの検診については不利益が利益を上回ると考えられており、普通の方に対しての検診は抑制的に考えられ、推奨されていない。
  • 被ばく者の甲状腺スクリーニングについては米国、イタリアの合同でガイドラインが作成されている。無症状の人には超音波検査は推奨しないが、被ばく線量が高い方に関しては甲状腺がんのリスクがあるためスクリーニングをするとある。原爆被爆者あるいは脊柱側弯症等で小児のときに被ばくした子どもを対象とした疫学調査のデータによれば、甲状腺がんによる死亡は見られない。そのことから自覚症状が出てからの対応でも十分間に合う疾患であると考えられる。
  • 小児に対してこれだけの規模の検診を行った例は他にないことから、その結果の精緻な検証が必要ではないか。
  • 近隣県においては、被ばくのレベルは低く、心理的な不安のほうが問題である。まずはリスクコミュニケーションの実施、希望者への心理的なカウンセリングを行うことが大切である。その上でなお、検査を希望する者への対応については、福島県とは異なる対応になるのではないか。
  • 前回ヒアリングした川上氏の発表の中で、自分自身に対する差別意識を感じたことがある方や地域に対する差別を感じたことがある方が20%程度いたと聞いた。健康管理のあり方を議論する際には、そのようなことへの配慮が必要であり、極力特別なことは避け、既存の制度を利用・活用していくことが重要。

<文責 環境省放射線健康管理担当参事官室 速報のため事後修正の可能性あり>

ページ先頭へ