明るく楽しくをモットーとして、自治体、漁業関係者が連携し、地元の研究者の協力を得て、活動を継続し、ホームページによる積極的な広報により活動を広げる事例
神奈川県江の島は相模湾奥部に位置し、周辺には相模川や酒匂川といった大河川が流出している。近年、海洋ごみや流木等の漂着や、海岸を利用するレジャー客によるごみの放置等により、水域環境や生物、また景観などへの悪影響が問題視されている。
「NPO法人海さくら」の活動は、平成17年から開始し、かつて江の島の海に多く生息していたタツノオトシゴが戻ってくるくらい海をキレイにして次世代に引き継いでいくことを目標として、「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」をモットーに活動を続けている。さらに、水産技術センターや地元の漁業者に協力を得ながら、アマモ場の再生・創出に取り組んでいる。
江の島海岸を中心にごみ拾いやアマモの移植、水質調査を実施し、活動の様子をWebを通じて発信することで、自分の子供のように「アマモを育てる」ような感覚になってもらえるように活動を進めている。
月に一度実施するごみ拾いのイベントであり、平成31年2月時点で148回目の開催となる。参加者は毎回150名程度。活動後は、スタンプを押し、ポイントがたまればプレゼントを贈呈。
神奈川県水産技術センター監修のもと、江の島西浦にアマモの移植を実施する。毎月の水質調査や、継続的なアマモの観察、地域住民への聞き取り調査を進める。
学校への出前講義やごみ拾い等を通じて、子供達に環境を中心とする社会問題について深く考えるきっかけをつくり、次代を育成する活動を進める。
活動の成果は、14年間で回収した海洋ごみは49.7トン、延べ参加者数は13,900人(平成31年3月時点)であり、環境美化を進めるとともに、人とのつながりのきっかけをつくることができた。また、海さくらの活動の場は神奈川県のみにとどまらず、全国21か所、海外3か所に広がっている。
一方、海創造プロジェクトは試行錯誤している状態であるが、検証と改善を繰り返しながら、長期的な目線で根気よく、アマモ場の創設について継続的に取組を進める。