里海ネット

全国の里海活動状況

7.課題と解決策

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東京湾アマモ場再生会議ほか

NPO法人 海辺つくり研究会(神奈川県横浜市)

都市部において継続的かつ多様な活動が多様な主体により実施され、海辺の再生・保全を通して、地域復興や東京湾の再生に寄与している事例。

目標(キーワード:沿岸域環境の保全・再生・創出、地域の復興、地球環境の保全)

海辺つくり研究会は、沿岸域環境の保全・再生・創出や自然と共生する海辺つくりに関する事業を、多様な主体とともに実施することによって、地域の復興や地球環境の保全に貢献することを目的に活動している。

実施(キーワード:多様な組織の参画、多様な活動、継続的な活動)

東京湾を中心に特に以下の自然再生活動を実施している。また全国的な活動としては、全国アマモサミット(事例⑥)への参画、活動の発表等を実施している。

  • アマモ場再生活動:緩やかな連携組織である金沢八景-東京湾アマモ場再生会議の枠組に参加して、2001 年から継続して活動。同会議に参画しているのは、国の機関、神奈川県、横浜市、漁業協同組合、NPO 法人や住民組織、地域の学校等の教育機関、研究機関等、多様である。東京湾横浜沿岸部のアマモ場再生活動を通じて東京湾の再生を目指し、主にアマモ場の再生や環境学習を柱に活動している。季節に応じて、次の活動を実施。(4 月下旬:アマモ移植会、5 月下旬~6 月上旬:花枝採取会、8 月上旬:種子選別会、11 月上旬:アマモたねまき会、11 月上旬:苗床づくりなど)。環境学習として小学生を対象としたワークショップを不定期に開催。
  • 夢ワカメ・ワークショップ:神奈川県沿岸域において、ワカメの種糸の取付けから収穫、有効活用を一般の参加者とともに行っている。
  • 多摩川河口干潟生物調査(SCOP100)への参加:東邦大学有識者や一般財団法人みなと総合研究財団等と多摩川河口干潟で生物調査を実施。
  • 全国アマモサミットへの参画:毎年、全国で開催されるアマモサミットに参画し、海辺つくりに関する活動発表、情報提供等を実施。

効果と課題および対策(キーワード:アマモ場の増加、地元企業の参加、情報発信の重要性、物質 循環)

  • アマモ場再生では、アマモ場の分布面積が増加している。また、東京湾の釣り船からアオリイカやクロダイが増加しているとの話を聞くこともあり、アマモ場再生の成果と考えている。
  • 活動経費の確保が課題であるが、地元企業の寄付金のほか、様々な公益法人や民間企業の助成も受けている。
  • また、今後の課題として、地元の参加者の増加や将来の活動の担う若手の必要がある。
  • 参加者の増加のためには、情報発信が重要である。情報発信は、ホームページのほか、口コミ、学校へのチラシ(イベントの案内)、シンポジウムでの発表、マスコミへの広報などを行っている。
  • 夢ワカメ・ワークショップでは、東京湾の物質循環の促進への寄与、参加者のワカメ生育を通じた環境改善の実感、人と人とのつながりの構築が効果としてあげられる。
金沢八景-東京湾アマモ場再生会議、夢ワカメ・ワークショップに取り組んでいます

出典:金沢八景-東京湾アマモ場再生会議HP、夢ワカメ・ワークショップHP