容器包装廃棄物の3R推進に向けた自主協定の締結(詳細)
1. 容器包装廃棄物の3R推進に向けた自主協定の締結
(1) 背景
- 容器包装廃棄物の3R推進に向けた事業者との協定の締結については、平成18年2月の中央環境審議会の意見具申において、「事業者の自主的な取組を加速させるため、事業者と地方公共団体・国との自主協定の締結を促進することが有効である」とされています。
- これらを受け、現在、全国レベル、地方レベルで事業者と国・地方公共団体の自主協定の締結に向けた動きが進んでいます。
(2) 自主協定の意義
<自主的取組の有効性・実効性の確保>
- 事業者の自主的取組は、業務を最も知っている事業者が、効果的かつ効率的に行政目的を達成する手段として評価できる一方、その内容(目標・具体的取組)が行政目的に照らして不十分な場合がある、達成できなかった場合の担保措置がない、等の問題点が指摘されています。
- このため、事業者と行政が協定を締結することを通じて、事業者により自主的な取組に関する先進的な目標とその実現のための具体的な取組内容等が明確にされる一方、行政は事業者の目標や取組について周知を図り、また技術的な支援等を行います。その結果、目標達成に向けた事業者の計画的で実効性ある取組が確実に実施されるとともに、事業者の取組に対する国民の理解が一層高まることが期待されます。
<規制による効果と一体となったトップランナー事業者の取組促進効果>
- 容器包装リサイクル法の改正により、事業者の自主的取組を促進するための措置が導入されましたが、自主協定の締結は、取組が遅れている事業者のボトムアップを図る意味もあります。
- 一方、自主的取組を既にかなり進めている事業者に対して、自主協定は行政がPRや各種支援を通じて一層の取組を促す役割を果たすことになりますから、協定の締結を通じて、事業者の自主的な取組をも促進していくものです。
2. 環境省と事業者との協定の締結
(1) (株)ローソン及び(株)モスフードサービスとの協定の締結(平成18年9月12日締結)
[1] (株)ローソンとの協定の概要
- (株)ローソンは、環境省と自主協定を締結するにあたり、省エネ対策、緑化活動の推進等の取組の他に、このたびの協定により、「2008年度までに2005年度比で20%のレジ袋使用削減に挑戦する」こと等を宣言されました。
- この目標は、2000年度比で35%のレジ袋を削減することを意味しており、これはコンビニエンスストア各社を含む社団法人日本フランチャイズチェーン協会のレジ袋削減目標を、2年前倒しする画期的な目標として高く評価できるものです。
- 環境省は、(株)ローソンによる各種取組について、環境省ホームページにおける紹介等、積極的な広報を行うこととしています。
[2] (株)モスフードサービスとの協定の概要
- (株)モスフードサービス及びモスバーガーチェーンは、現在推進している環境方針、環境行動計画等既に様々な環境対策に加え、協定の締結を契機として、新たに「2005年度に使用したプラスチック製容器包装の50%について、石油系ではない製品に転換する。」こと等を宣言しました。
- (株)モスフードサービス等によるこれまでの取組と今回の協定に新たに盛り込まれた内容は、我が国における最も先進的な取組の一つであると高く評価できます。
- 環境省は、上記取組に関する取組が特に優秀と認められるモスバーガーチェーンの支部・店舗に対し、環境大臣等が訪問・視察を行うこととしています。これを受け、平成19年10月18日(木)、環境大臣がモスバーガー・ベイサイド門司店(北九州市門司区)を訪問しました。
(2) イオン(株)との協定の概要(平成19年4月16日締結)
- イオン株式会社は、レジ袋対策をはじめとする循環型社会の構築の取組を推進するため、 [1]2010年度までに、店頭回収の更なる拡大とマイバッグ持参率全店平均50%以上・レジ袋8億4000万枚に半減達成を目標として取り組むとともに、[2][1]の目標を達成するために、レジ袋無料配布を中止するパイロット店舗を全国に展開し、2010年度までに当該店舗のマイバッグ持参率80%以上を目指すこととしています。
- 環境省は、イオン株式会社が上記の取組を行う地域においてシンポジウム等を行う場合には積極的に協力するとともに、同社による取組についてホームページに紹介する等の積極的な広報を推進することとしています。
(3) 中間報告会の開催(平成19年5月28日)
- 平成19年5月28日(月)、(株)モスフードサービス、(株)ローソンと環境省が締結した自主協定の中間報告会が、環境省で行われました。
- (株)モスフードサービスからは櫻田厚 代表取締役社長CEOが、(株)ローソンからは新浪剛史 代表取締役社長CEOが出席し、環境大臣へそれぞれ自主協定の進捗状況を説明しました。
- (株)モスフードサービスは、店内で使用している環境に配慮した容器や包装について実物を示しながら、取組内容の推移と削減効果を説明しました。
- (株)ローソンも、取組内容とレジ袋の使用量の推移などを、持参したケータイバッグ、ケータイお箸を示しながら説明し、着実に成果をあげていることを説明しました。
- 環境大臣は、両者の取組に感心するとともに、活動の一層の推進をお願いしました。
(4) 環境副大臣による店舗視察(平成19年10月18日)
- 平成19年10月18日(木)、環境副大臣は、環境省と締結した協定(「特に優秀と認められるモスバーガーチェーンの支部・店舗に対し、環境大臣等による当該地域の訪問・視察を行う」)に基づき、モスバーガー・ベイサイド門司店(北九州市門司区)を訪問しました。
- 環境副大臣は、モスバーガーとしての取組や店舗における取組と、先進的な取組が実を結んでいることについて説明を受け、こうした先進的な取組の広がりへの期待を表明し、スタッフの皆さんを激励しました。
3. 容器包装廃棄物の3R推進に向けた、地方自治体と事業者による自主協定の締結
- 環境省では、地方公共団体と事業者が自主協定を締結することにより、地域におけるレジ袋等の容器包装廃棄物の排出抑制を促進していただくことを進めています。
- 例えば、「平成18年度容器包装廃棄物3R推進モデル事業」では、杉並区(東京都)、サミット(株)及び杉並区レジ袋削減推進協議会が、池田市(大阪府)、事業者及び市民団体がそれぞれ自主協定を締結し、レジ袋の削減の取組を連携して進めています。
- また、平成19年度の地域における容器包装廃棄物の3R推進モデル事業においては、岐阜県や名古屋市で市民、事業者、行政との連携による、レジ袋の削減の取組が進められています。
- 当ホームページの「地域の容器包装3Rの取組紹介」に、自主協定の締結を含めた、全国での容器包装廃棄物の3Rの取組事例を紹介しています。