INITIATIVE OVERVIEW
第7回グッドライフアワード
仲建設株式会社
日本の山の多くは間伐などの手入れができずに、大量の花粉の飛散、豪雨による山崩れの危険など荒れた状態にあります。この問題を改善するため、木曽川でつながる地域環境共生圏の一つとして、私たちは、家づくりに関わる工務店と建築主、山に関わる森林組合や山主がイベントを通し山で出会い、森林環境への理解を深め、ともに保全活動を行う取り組みを13年続けています。 具体的な取り組みは3つあります。1つは建築主がみずから大黒柱に使用する樹齢100年前後の東濃桧を立木のなかから選び、伐倒する「大黒柱ツアー」。2つ目は、次の世代のために建築主が再び山を訪れ苗木を植える「植林ツアー」。3つ目は土台、柱、梁などの構造材に地域材そして国産の木を使用する家づくりです。 大黒柱の伐倒体験に感動する建築主。交流後、完成した家についても知ることで仕事に誇りを感じる山の関係者。皆さまの笑顔で、長年続く取り組みとなっています。
15年程前、森林組合から、十分な大きさに育った桧の巨木の需要が少なく、山主に還元できないとの声を聞いていました。そこで大きく育った桧を有効に活用できる「大黒柱」を設計に取り入れ、山にてお客様がその木を立木から選ぶイベントを開催したことが始まりです。今では大黒柱のある家は珍しいですが、力強く、温かみのあるデザインを多くのお客様が希望され、満足度も高く、桧の巨木の需要創出につながりました。
山の環境を守り、次の世代に豊かな森林を残すことは、山に関わる方たちだけでなく、この国土に暮らす私たちの責任です。間伐がされず樹齢を重ねた木が混み合うと、日が当たらない暗い森になり、植生が維持できなかったり、若い桧が育たないことでCO2の吸収・固定が滞り環境問題につながります。 課題に直面する林業の一助となる為、仲建設が企業としてすべきことは、私たちの取り組みを「継続」することだと考えています。子どもたちや山に興味のなかった方がイベントに参加され、山を知り、意識が変わることが将来への広がりになります。林業を営む側にも誰にどんな形で自分達の育てた木が使われるのかが解り、働き甲斐につながっています。今後は10年前に植林した方にお声掛けをして、10年後の木を見にいき、この10年の家の状況を振り返ってもらう、工務店、 山側、 建築主が共に感謝を感じられるパートナーシップの輪をつなげ続けることです。
工務店のこうした取り組みは少なく、林業全体への影響も微力です。しかし森林組合のサポートを得て、工務店、森林組合、建築主に恩恵が生まれています。大切なのは取り組みをさらに発信し、使う側の都市に住む建築主はもちろん、同業の工務店も巻き込み、取り組む仲間を増やすことだと考えています。地域の山を改善できれば、質の良い木が採れ、国産材を使った良い家が建つ。森林資源の循環利用を発信し続けたいと考えています。
仲建設㈱は1958年名古屋市北区にて創業61年目を迎えます。外部環境の大変動もありましたが堅実に住宅建築という本業に集中して取り組んで来ました。木造注文住宅の企画 設計 施工をメインに国産材 地域材活用が使命と捉えお客様 山主さん 森林組合さん 職人さんと交流を図りながら思い出に残る家創りを行なっています。 あすみ住宅研究会(中津川市) 中津川市森林組合 個人のお客様に協力を頂きイベント活動を継続しています。