INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第7回グッドライフアワード

2世代教育(100年)による6次産業化を目指した次世代里山利用デザイン・プロジェクト

新渡戸文化学園

活動拠点: 東京都檜原村

WEB: https://www.nitobebunka.ac.jp

取組の紹介

持続可能な社会を担う次世代の学生およびその保護者の2世代と自然とを「つなぐ」ことから、次世代型の里山利用について、6次産業化を視野に入れた、未来の里山のあり方を考えていくプロジェクト。 気候変動を肌身で感じる今、2015年の国連におけるSDGs(持続可能な開発目標)の採択にある目標の中にも、持続可能な生産消費、水陸生態系および森林管理の持続性などが挙げられていますが、一番の消費者である都心で生活する大人や、子供たちの日常からは遠い存在です。まずは消費者と自然をつなぐことを重視しています。(SDGs 13,15)そして、持続可能な社会に向けて、値段と大量消費の便利さではない、エシカルな物差しによる次世代の消費意識の変容を目指しています。(SDGs 12) そこで、「楽しさ・美味しさ・心地よさ」と「持続可能な里山利用とこれからの新しい利用方法の考察」を掛け算させたプログラムをデザインしています。 具体的には、3つのプロジェクトが動いています。1つは、耕作放置地の開墾からオーガニックコットンの栽培、糸紡ぎから加工・染織のプログラム。2つ目は、檜原村名物の「ヒノジャガ」を育て、ジャガイモアンのおやきを作成し、地産地消の新しい商品の開発を目指すプロジェクト。3つ目は、薪や炭、堆肥利用目的の里山から、果樹の植林へ変更し、果実からの食品加工から6次化を考えるプロジェクトです。(SDGs 11,17)

活動のきっかけは?

首都東京における教室だけの教育では、気候変動等の社会課題を「自分ごと化」し、実際に行動に移す生徒指導の限界を感じていた。そこで、理科・生物の「生態系とその保全」における分野で、知識の理解と、フィールドワークによる実体験による理解をつなぎ、気候変動や、持続可能な社会を担う行動者育成を目指すことができるフィールドを探していた時、東京都檜原村をフィールドとした未来のための森づくりを考え、都心近郊の緑を対象に、地域住民と緑の交流の拠点作りを目指しているNPO法人フジの森との出会いがきっかけとなった。

問題解決のために取り組んだ方法

都心と親世代と子どもたちの2世代と自然をつなぐ。ここには、「楽しさ・美味しさ・心地よさ」を重視している。 これらの楽しさなどを通じて、自分たちの消費を支える自然資本の重要性や、かつての里山のあり方などの学び(SDGs 4)を掛け算させた設計をしている。 ここに、次世代型里山利用の開発と提案を掛け算させるために、オーガニックコットンプロジェクト(SDGs 12,13)、地産地消の商品開発(SDGs 12)、次世代型里山管理の体験をデザインしている。(SDGs 11,13,15) さらに、1つの学校にとどまらず、この活動を開いた活動にしている。(SDGs 4)

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

・オーガニックコットンの収穫(1次産業)、縫製・染織・加工(2次産業)、都心で販売(3次産業)によって地産地消のタオル等のプロダクトを作成し、販売するモデルを構築し、6次化産業のモデルを提案する。 ・この活動を、檜原村教育委員会と共同して、地元の小中学校との交流会へと発展させ、地域の生徒とその保護者の2世代との交流を目指す。 ・次世代の里山利用の提案(植林→果樹園→加工・商品開発→都心の学校で販売する6次化モデル)により、都心の人々へのエシカル消費への変容をうながすモデルの提案と発信を目指す。

プロフィール

学校法人 新渡戸文化学園
1927年に創立され、初代校長新渡戸稲造先生の「教職員心得」を胸に一人ひとりの個性を大切に考える教育を実践している。こども園から短大までの一貫教育で、2歳から20歳までの成長を見守り、社会で真に活躍する人材を育んでいる。

「未来教育デザイン Confeito」
新しい教育のあり方を提案するプロジェクトとして2017年に山藤旅聞・山本崇雄により設立。
多様な個性をつなげ笑顔を生み出す教育デザインを理念に活動中。

「NPO法人 フジの森」
公益信託富士フィルム・グリーンファンドの「未来のための森づくり」の第二期事業として、1990年8月にオープン。東京都西部にある檜原村を拠点とし、様々な自然とのふれあい体験や地域住民との交流ができる場を提供している。
2つの村有林(教育の森・ふるさとの森)を指定管理者として運営、また村から委託で食事処四季の里を経営、森づくり、木材の活用、地産地消に取り組み、更に農林業の6次化を目指している。

第7回グッドライフアワード 受賞者一覧