INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第4回グッドライフアワード

市民参加型資源集積プロジェクト「えこ便」

平林金属株式会社

活動拠点: 岡山県岡山市「西古松局」(2015年7月に開局済み)、鳥取県米子市「安倍局」(2016年4月に開局済み)、岡山県岡山市「並木町局」(2016年度内に開局予定)、岡山県岡山市「高屋局」(2016年度内に開局予定)

WEB: http://ecobin.jp/

取組の紹介

弊社は、鉄・非鉄・家電などの再資源化処理を本業とする企業です。このたび、「家庭の片付け物を正しく回収・再資源化できる仕組みを創ろう」との想いから、市民参加型の資源集積プロジェクトを計画しました。
2015年7月から、使用済小型家電・金属など、家庭で不要になった「片付け物」を持ち込むことができる回収施設を順次設置しています。利用者が循環型社会に持続的に貢献できるよう、ポイントカードによる会員制を導入しており、重量に応じたポイントで社会貢献グッズ等と交換できます。また、環境破壊や不法投棄の事例が増加している不正ビジネスへの資源供給を断つため、回収施設に専門スタッフを常駐させ、利用者の方々に、横行する違法回収の実態を広く知らせ、正しいリサイクルへの参加を促しています。市民参加によって、家庭に眠っていた有用金属が集積され、景観に配慮した回収施設内で、文字通り「都市鉱山」が築かれ始めています。

活動のきっかけは?

近年、空き地や軽トラックなどを利用した「違法回収」が各地で横行し、回収物の多くが不適正に処理され、または不正に輸出され、国内外で環境汚染の原因となっています。
国や地方自治体の努力で小型家電リサイクル法などの制度が整備されてきていますが、民間の力でできることがないか、社員、外部デザイナー、建築士等と協議を続け、計量・ポイント交換のための外部システムエンジニアの協力も得て、この取り組みを開始しました。

問題解決のために取り組んだ方法

市街地でリサイクルがスタートするという「新しい景観」を創り出し、市民一人ひとりが持続可能な循環型社会を創り出す主体であるということが意識されるよう、施設デザインの工夫、女性スタッフの力を生かした優しい応対、都市鉱山イメージを演出する自動計量器付き資源回収ボックスの設置、工場で再生させた各種金属類の展示、ポイント交換グッズの開発、子供たちのリサイクル教室の開催やイベント回収などに取り組んでいます。

今までの成功のポイントは?

2015年7月に開局した岡山市西古松局と2016年4月に開局した米子市安倍局の会員数は合計で1万4千組を超えており、その多くがリピーターとなって正しいリサイクル活動に参加していただいています。
親子でリサイクルに参加していただけるプロジェクトとして、えこ便各局で「夏休みリサイクル教室」を開催し、市町村主催の環境フェスティバル会場で「えこ便専用トラック」を利用した回収イベントを実施しています。
地元メディア等に取り上げられる機会も増え、社内においても、市民とともにリサイクル社会を創っていくという使命が再認識されてきています。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

「えこ便があることで街が快適で便利になった」というような反響も多く、今後の展開として、再資源化技術の原理まで学べるリサイクル教室を小学校等で開催し、官民共働による回収イベントを実施できるよう、近隣市町村から働きかけていく予定です。一地方から全国へと循環型の社会を広め、ひいては、違法回収も一因となっている地球環境悪化や途上国における作業者の健康被害を食い止める地球規模での貢献を目指しています。

プロフィール

1956年に鉄のリサイクル事業で創業して以来、工業製品や部品に使用される素材が変化していく状況に素早く的確に対応してきました。その結果、現在では、例えば家電製品から家電製品へと再生素材を循環させるよう、回収した使用済みの製品などから、鉄・アルミニウム・銅・ステンレスなどの主要金属をはじめ、金銀等の貴金属、パラジウム等のレアメタルを含め約100種類もの再生資源を素材メーカー等に出荷しています。

実行委員会からのコメント

地域に根付いた企業ならではの、とても興味深い取組です。会員制による市民参加型のプロジェクトとすることで、広く市民のみなさんに正しいリサイクルの意識が浸透することにも貢献できるでしょう。リサイクル教室を開催していることも、素晴らしいです。

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