INITIATIVE OVERVIEW
第4回グッドライフアワード
株式会社フードランド
活動拠点:静岡県浜松市北区三ヶ日町
WEB: http://cadew-fl.com/
弊社は、十年前から農産販売不適合品を農家から直接買い集め始めた。そして、ジュースや缶詰めのような従来からあった加工品と競合しない「食品加工用原料ピューレ」として販売。しかもこの加工品原料を作る際に、弊社での産業廃棄物に配慮し、消化酵素の溶かす力を応用し丸ごと皮ごと袋ごと全てを溶かし(まるで胃の中で胃液が食物を溶かすように)液状化させた。結果として、外皮など今まで可食出来なかった部分も摂取可能になった。これは、栄養摂取の面で画期的な機能性効果をもたらした。
今までに二百種以上生まれ、中には全国販売に至った商品も多い。これこそ弊社のゴミからダイヤモンドプロジェクトである。我が町三ヶ日町は、日本でも有数な高級みかんの産地です。GW明けから11月ごろまで、農家は、間引き作業(摘果)に追われていました。年数回行われる消毒作業も大変です。しかも傷や虫にやられた果実の摘出もしなければ、ブランド品である三ヶ日ミカンは、消費者にとっての「質」が維持できません。販売不適合品として出荷されず売り物にならないみかんが莫大に産地には残ったままです。みかん畑に行けば、足の踏み場もないようなくらい、摘果されたみかんが放置されたままです。みかん産地の我が町であれば、これは普通の光景でした。
弊社では、硬い輸入肉を柔らかくするのに天然由来の消化酵素(たとえば、青パパイヤ由来のパパイン酵素など)を使用します。この消化酵素を過度に効かせ、肉が柔らかさを通り越して、溶解させます。販売不適合みかんを、最初は、ジュース原料として挑戦したが、大量位の残渣を出し、安価なジュースを作れなかった。残渣無しということで、摺り下ろしたが、飲める代物にはならなかった。数年後、丸ごとみかんを溶解することに気付いた。残渣も出さず、丸ごと液状化することで食品加工原料を作り出すという事になった。
「これはゴミである」という基準は、捨てる人の個人的な価値観によるところが大きい。
世界中「みかん」は、皮を剥いて食べるものかジュースにしかならないという固定概念しかない。
すでにある様々な技術を組み合わせ応用することで、ゴミでさえ、高付加価値・高度利用できる貴重な資源となる。
農協や出荷組合からも問い合わせが入って、「イチゴは出来るか?」「メロンは?イチジクは?」と広がるばかりです。食品としての機能性で、ミカンの皮は昔から中国では陳皮として珍重されてきました。丸ごとの処理は、この皮さえも手軽な食品として摂取することが出来ます。私は、農業や水産の販売不適合品を核にした「酵素コンナート」を作り、食品、医薬品、エネルギー、工業品を創り出す実験設備を造ってみたい思います。
昭和6年 中村精肉店(初代中村良一によって町内に創業)
昭和40年 有限会社中村精肉店を設立従来、地域産品を支える裏側で「価値の代償」として産み出されてきた廃棄物を、独自の技術によって「新たな価値」を付加し地域を支えていく循環の好事例です。技術の可能性を追求した職人気質と、「もったいない」という価値観の融合が、更に広がっていくことを期待します。