INITIATIVE OVERVIEW
第4回グッドライフアワード
株式会社まちUPいけだ
活動拠点:福井県今立郡池田町
町の約9割が森林の池田町。ほとんど手の入っていなかった森林の大整備を行い「Tree Picnic Adventure IKEDA」が誕生した。人口3千人を切る池田町であったが、オープン以降5か月で、約3万人が施設を利用した。
地域住民も運営に携わり、集落の「名人たち」がバーベキューの火を起こしたり、若いスタッフに草刈りや木材加工を教えたりしている。県外で働く池田町出身の男性から「テレビで池田町のニュースを見て嬉しい気持ちになった。同窓会では施設を訪れたい。」との声が届いた。来春、大阪から池田町に移住し、正社員として働く女性がいる。町の人へ、そして町を離れた人へ、パワーを発信したい。町外の人に、池田町を好きになってもらいたい。少しずつ、わたしたちの思いが伝わっていると信じている。
日本のいたるところで見られる「ほっておかれた山」は、人や地域を元気にする宝物かもしれない。宝物の可能性を最大限に引き出して、人々へ伝えていきたい。
日本の各地で人口の減少が叫ばれているが、池田町においても、人口の減少は大きな課題であった。特に、「就職」や「結婚」を理由とした若い世代の町外への流出が相次ぎ、2015年には人口が3000人を切り、2639人となった。町の交流人口を拡大させ、経済的にも地域を活性化させたいという思いから、木望のまちプロジェクトをスタートさせた。
若い世代の町外への流出を防ぐため、雇用の場を創出することに注力した。「Tree Picnic Adventure IKDA」は、スタッフの正社員登用にこだわり、20名の正社員を採用した。また、町外からの移住者の受け入れにも積極的に取り組み、使用されていない空き家をリノベーションし、移住者向けの「シェアハウス」を建築した。 その結果、スタッフのうち池田町民が13名、うちIターン者が4名となった。
池田町にある資源や素材を最大限に活用したこと
例)杉林を間伐して冒険の森を建設、空き家をリノベーションしてシェアハウスを建築、地域のシニアが経験や知恵を生かして若いスタッフの指導に当たる
地域資源活用型のまちづくりをさらに進めることを目指している。アウトドア施設として森林を楽しんでもらうだけでなく、池田町の木を多様な形でさらに活用し、木のエネルギーとして利用や、日常的に木に触れ、木を使うことを通して、町内の子どもたちへ「木育」を推進したいと考えている。「ほっておかれた山」の価値を、町内のあらゆる世代の人に感じてもらい、町全体が一丸となって外から人を呼び込むことで池田町を活気づけたい。
池田町という農山村をフィールドに地域資源の活用と再発掘を図り「地域循環経済」を作り出すため、池田町役場と福井県内の企業が出資をして設立された(平成23年)。株式会社まちUPいけだによる「木望のまちプロジェクト」は、屋内の木育施設である「おもちゃハウス」の運営からスタートし、2016年の春に森林を活用した屋外施設「Tree Picnic Adventure IKEDA」をオープンさせた。
放置林も見方を変え人が手を入れれば、冒険の森になるというとても楽しいプロジェクトです。このように、すぐそこに宝物(地域資源)があるのですね。他の地域のお手本となるような取組です。それにしてもオープン5ヶ月で3万人利用はすごいことです。