INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第3回グッドライフアワード

工場の部材を有効活用した 琵琶湖の生物多様性保全活動

積水化学工業株式会社 滋賀栗東工場

活動拠点:滋賀県栗東市

WEB: http://www.sekisui.co.jp/

取組の紹介

積水化学工業滋賀栗東工場は、「水環境ビジネス」に関わる、塩ビパイプや、合成木材(商品名:FFU)等の製造を行っています。製造段階で発生する製品の端材を有効活用し、環境に貢献できる取組として滋賀県と協議し、「魚のゆりかご水田プロジェクト」に端材を活用した、環境貢献活動を実施しました。
 具体的には、合成木材(FFU)の端材を提供し、魚道の堰板や、魚が魚道から田んぼに遡上できる一筆魚道の製作・設置を行いました。合成木材の端材を活用することにより、耐久性も向上しました。他地域では、水田内水路の土留め板として合成木材を提供・設置しました。また、塩ビパイプの端材を水田内水路に設置し、生き物の住処となるかを検証し、「よき住処」となっていることが確認されました。
 また、NPO循環型社会創造研究所「えこら」とコラボし、工場内の資源物を「えこら」を通して売却し、環境保全団体への寄付金となる仕組みつくりをしました。

活動のきっかけは?

積水化学工業 滋賀栗東工場は、「水環境ビジネス」に関わる、塩ビパイプや、合成木材等の製造を行っています。製造段階で発生する端材は、破砕機にて、破砕し、原材料として再使用することで、環境にやさしいリサイクル製品の製造も行っております。
 しかしながら、リサイクルするために新たなエネルギーを消費しているため、端材をそのまま有効活用し環境に貢献できることが無いか、滋賀県と共同で検討しました。

問題解決のために取り組んだ方法

工場で発生する端材の活用法について滋賀県、地域自治体と検討し、これまで間伐材で製作されていた、魚道の堰板や、魚を魚道に呼び戻す一筆魚道に合成木材の端材を活用し、製作・設置を行いました。
また、合成木材を使用することで、耐久性が向上し、付け替え頻度が減少し、農家にもやさしい活動となりました。
また、内陸部では、水田内水路に塩ビパイプを設置したところ、パイプ内が生き物のよき住処となることが確認されました。

今までの成功のポイントは?

滋賀県、地域自治体と協議し、工場で発生する端材を有効活用できる部材の選定ができ、工場端材を活用することで、お金をかけず、製作・設置も地元自治体と協力して実施できたこと。
地元自治体が取組んでいる「魚のゆりかご水田プロジェクト」にも参画し、「水田オーナー」として登録し、田植えや、稲刈り、生き物観察会を通して、生物多様性保全活動を体験し、活動の輪を広げることができた。
「えこら」とのコラボでは、資源物の売却益を環境保全団体への寄付をするだけでなく、工場内でも資源物の回収率を上げる活動を行うことで、社員の環境意識の向上及び収益金のアップに繋がった。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

当社(当工場)としては、「水環境ビジネス」を通して、滋賀県と深く関わっており、今後も同活動を他の地域にも広めることで、地域環境貢献を進めていきたいと考えてます。工場では端材として扱われるものも、うまく活用することで、お金をかけることなく、地域及び生態系に良い影響を及ぼすことができることを広くPRし、滋賀栗東工場のみならず、積水化学工業全体として、同様な環境貢献活動が広がることを期待しております。

プロフィール

積水化学工業は、環境・CS品質・人材の3つの際立ちを基盤とし、「環境」については環境貢献製品売上高の拡大、環境負荷の低減、自然環境の保全をグループ全体で推進し、自然資本へのリターンに貢献しております。
d また、環境経営長期ビジョンとして、全ての製品が自然資本へのリターンの貢献できるよう、「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」を設定し、生物多様性が保全された地球に貢献する活動を進めてます。

実行委員会からのコメント

「水環境ビジネス」に関わる企業として、製造している部材の特長を上手に生かした、優れた取り組みだと思います。活用方法について地元自治体と協議を行っていることや、地域の活動に積極的に参加するなどの活動によりネットワークが築かれており、地域に根付いている点も評価出来ます。

第3回グッドライフアワード 受賞者一覧