INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第2回グッドライフアワード

猪鹿庁

猪鹿庁

活動拠点:岐阜県郡上市

WEB: http://inoshika.jp/

Facebook: https://www.facebook.com/inoshikatyo?ref=hl

取組の紹介

中山間地域において、野生鳥獣による農作物被害や林業被害が増えてきています。その原因となっている鹿や猪を地域の貴重な「資源」として、6次産業化(捕獲者としての直売)高付加価値化を行い、鳥獣被害対策における地域の担い手を育てていく活動をしてます。猟師は里山保全者であると考え、猟師の育成・PRのためにエコツアー等も実施。また、林業事業者と共同で植樹活動や育林対策、豊かな森作りにも取り組んでます。

活動のきっかけは?

全国で野生動物による農作物被害額は二百億円を超え、私達の住む郡上も例外では無く、農業生産者、林業者は窮地に立たされています。私たちは郡上の人や自然に魅力を感じ、移り住んだ者が多く集まるNPOです。鹿や猪を害獣ではなく地域資源とする事で、私達の好きな郡上で持続可能な生業を作る事が出来ると考え、6年前に猟師の免許を取得し、里山保全組織「猪鹿庁」を設立しました。『里山と生きる』を理念に日々活動してます。

問題解決のために取り組んだ方法

猪鹿庁メンバーのみで捕獲できる獣の数には限度があるため、地域住民が自ら捕獲できる体制を作りました。具体的には、集落環境診断(被害状況と対策案の共有化)を行った後に、捕獲檻(猪鹿庁オリジナル)をレンタルし、捕獲するという流れで、集落内の協力捕獲者を増やします。また、電話一本で猪鹿庁が出動し、罠にかかった後の処理を行い、資源化するという、地域住民と猪鹿庁がwin-winとなる関係を作る事ができました。

今までの成功のポイントは?

自分たちのやりたいことよりも、地域の困り事を優先して取り組んだ事。
幸運にも良き猟師の師匠にめぐり合うことができ、狩猟の仕方や、解体の仕方や、捕獲檻の作りかたなどを教えてもらうことが出来た事。
情熱。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

全国の獣害に困っている各地に、猪鹿庁と同じような志を持って地域に根付いた里山保全活動を進める団体が増えていく事を願っております。そのためのネットワーク作りや、獣害対策手法や獣肉の利活用などの資源化の手法を学ぶことが出来る仕組み作りに力を入れております。
また、「猪鹿庁レストラン」として、猪鹿庁のある郡上でしか食べることが出来ない、新鮮で美味しいジビエ料理を提供できる場所・空間を作りたいです。

プロフィール

1982年生まれ、福岡県出身。学生時代にドイツで、自分のまちに誇りをもっている青年に感化され、自分の町が好きになるまちづくり活動を始める。岐阜大学地域科学部にて、「持続可能な地域社会をつくる~まちに生きる学生の力~」をテーマに活動。卒業後、岐阜県郡上市へ移住。NPO法人の3代目代表理事として、「ずっと暮らし続けられる郡上をつくる」を理念に郡上ファン倍増計画と郡上で役に立つ人財育成計画に取り組む。

実行委員会からのコメント

シカやイノシシを有害鳥獣としてとらえるのではなく地域の貴重な「財産」として活用していくことで、地域の人たちの生業を守りつつ新たな産業も生み出し、地域とプロジェクトがうまく連携している取組であると思います。地域に根付いた活動であり、有害鳥獣対策・雇用の場の提供など新たな地域振興のモデルとしてプロジェクトが活性化していくこと期待しています。

第2回グッドライフアワード 受賞者一覧