INITIATIVE OVERVIEW
第2回グッドライフアワード
滋賀県立大学まちづくり研究室(鵜飼研究室)
エコ民家とは、エコライフと古民家を掛け合わせた鵜飼による造語です。滋賀県彦根市石寺町の下石寺集落に整備されたエコ民家では、薪ボイラー、薪ストーブによる里山バイオマス利用の拠点として集落住民との連携のもとに里山資本主義を実践しています。里山整備、学生寮の光熱費削減、地域の活性化という「三方良し」の取り組みです。
古民家は元来、環境に対する負荷の少ない人間生活の実践の場でしたが、現代社会では不便、寒い、暗いなど悪いイメージが先行しています。そうした古民家も社会の貴重なストック(伝統的な集落の景観としても)として現代的に活用して行こうという取り組みがエコ民家におけるエコライフ実践です。
下石寺集落の世帯におけるエネルギー利用状況と地域環境資源とそれらに対する集落住民の思いを調査し、灯油ボイラー利用から里山バイオマス利用への転換するモデル住宅(学生寮)を整備しました。集落住民と共同した年数回の里山整備で燃料となる薪の調達を行い、里山整備、学生寮の光熱費削減、地域の活性化という「三方良し」の取り組みを実践しています。
地域の環境資源や集落の文化を知り、それらのあるべき姿の方向性を集落住民と共有したこと。
地域の課題として里山の整備をマツタケ山復活という「夢」を掲げ活動を推進としたこと。
地域の課題である空き家の活用としてバイオマス利用の学生寮を整備したこと。
里山資本主義の実践フィールドとして、バイオマス資源の利活用の推進と、その活動を通じての、環境に配慮した暮らしの普及啓発、学生への教育を継続的に実践していくことを目標として活動しています。そのために、学生寮管理や里山整備を担う事業体の設立を検討しています。
滋賀県立大学まちづくり研究室では、「地域を知る」地域診断から「住民主体の地域ビジネス」であるコミュニティ・ビジネスの創出による地域再生・地域活性化のノウハウを蓄積し、環境に配慮した実践的なまちづくり活動を推進しています。
大学が地元の地域に入ってまちづくりを行い、地域の人たちと連携している良いプロジェクトであると思います。バイオマスボイラーという需要を先に作り出すことで、地域の人たちや学生が里山に入って燃料を探す。そして里山に人が入り、里山が整備される。学生寮のエコ民家だけでなく、地域全体に里山からエネルギー等の恩恵をうける施設が整備され、里山をつくる輪が広がっていくことを期待します。