環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第2章>第6節 国際的取組

第6節 国際的取組

1 生物多様性の保全に関する世界目標の達成に向けた貢献

2022年12月に採択された、生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の達成に積極的に貢献します。そのため、我が国における取組を発信するほか、拠出を行っている生物多様性日本基金やGBF基金等を通じて、途上国におけるGBFの達成に向けた各種取組の実施や能力養成等を支援します。

2 生物多様性及び生態系サービスに関する科学と政策のインターフェースの強化

生物多様性に関する科学と政策のつながりを強化し、効果的・効率的に生物多様性の保全を図るため、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」の活動を積極的に支援します。特に、アセスメント報告書執筆作業やIPBES運営への日本人専門家の参画等を促進、支援するとともに、2024年3月に公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)に設置された「IPBESシナリオ・モデルタスクフォース」の技術支援機関の活動を支援します。また、IPBESの成果を踏まえて研究や対策等の取組が促進されるよう、公表されたIPBESアセスメント報告書などのIPBESの成果を発信する取組を行います。

加えて、生物多様性に関する全球規模の情報基盤である海洋生物多様性情報システム(OBIS)や地球規模生物多様性情報機構(GBIF)へのデータ提供に貢献します。

3 二次的自然環境における生物多様性の保全と持続可能な利用・管理の促進

二次的自然環境における生物多様性の保全と持続可能な利用を国際的に促進するため、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の活動への支援等により、SATOYAMAイニシアティブを推進します。

4 アジア保護地域パートナーシップの推進

アジアにおける保護地域の管理水準の向上に向けて、保護地域の関係者がワークショップの開催等を通じて情報共有を図る枠組みである「アジア保護地域パートナーシップ」を推進します。

5 森林の保全と持続可能な森林経営及び木材利用の推進

世界における持続可能な森林経営に向けた取組を推進するため、国連森林フォーラム(UNFF)、モントリオールプロセス等の国際対話への積極的な参画、国連食糧農業機関(FAO)、国際熱帯木材機関(ITTO)等の国際機関を通じた協力、国際協力機構(JICA)、緑の気候基金(GCF)等を通じた技術・資金協力等により、多国間、地域間、二国間の多様な枠組みの活動を支援します。また、脱炭素社会の実現に資する持続可能な木材利用の促進についても、FAOやITTO等の国際機関の活動を支援します。

6 砂漠化対策の推進

砂漠化対処条約(UNCCD)に関する国際的動向を踏まえつつ、同条約への科学技術面からの貢献を念頭に、砂漠化対処に資する技術の活用に関する調査等をモンゴルにおいて進めるとともに、二国間協力等の国際協力の推進に努めます。また、2026年8月にモンゴルにおいて開催予定のUNCCD第17回締約国会議(COP17)において、これまでの二国間協力等の取組について発信を行うなど、条約の実施に貢献します。

7 南極地域の環境の保護

南極地域の環境保護を図るため、引き続き南極地域での観測、観光等に対する確認制度等を運用し、普及啓発を行うなど、環境保護に関する南極条約議定書(1998年発効)及びその国内担保法である南極地域の環境の保護に関する法律(平成9年法律第61号)の適正な施行を推進します。また、環境保護に関する南極条約議定書附属書VI(2005年採択)の締結に向け、主宰者が実施する南極地域活動により環境上の緊急事態が生じた場合における当該主宰者の対応措置の実施を義務付けるとともに、対応措置をとらない主宰者に対し費用負担責任を課すこと等を盛り込んだ「南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案」を2026年4月に閣議決定し、第221回国会に提出しました。さらに、2026年5月に、第48回南極条約協議国会議(ATCM48)を広島市で開催するにあたり、南極における国際協力を一層強化する機会とするべく、関係省庁及び自治体をはじめとする関係者間の連携により、準備を進めます。

8 サンゴ礁の保全

国際的なサンゴ礁生態系保全のパートナーシップである国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)に参画するとともに、地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(GCRMN)において、東アジア地域におけるサンゴ礁生態系のモニタリングデータの解析を各国と協力して進めます。

9 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)の活動推進

渡り性水鳥とその重要な生息地を保全するための国際的な枠組みである東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)について、国内の34か所のネットワーク参加地における普及啓発、調査研究、研修、情報交換等の取組に加えて、フライウェイに位置する各国の関係省庁、国際機関、NGO等の様々な主体と連携・協力を促進します。

10 生物多様性関連諸条約の実施

ワシントン条約に基づく絶滅のおそれのある野生動植物の保全と持続可能な利用、ラムサール条約に基づく国際的に重要な湿地の保全及び賢明な利用(ワイズユース)、二国間渡り鳥等保護条約や協定を通じた渡り鳥等の保全、生物多様性条約に基づく生物多様性の保全と持続可能な利用、及び同条約カルタヘナ議定書に基づく遺伝子組換え生物等の使用等の規制を通じた生物多様性への影響の防止、同じく名古屋議定書に基づく遺伝資源の適正な取得と利益配分、国連公海等生物多様性協定(BBNJ協定)の詳細規定に係る交渉への参画等の国際的取組を推進します。