環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部第6章>第5節 地域づくり・人づくりの推進

第5節 地域づくり・人づくりの推進

1 環境を軸とした地域づくりの推進

(1)地域循環共生圏構築の展開

地域循環共生圏は、自然資本をはじめとする地域資源を持続的に活用して環境・経済・社会を統合的に良くしていく事業(ローカルSDGs事業)を、地域が主体性を発揮して生み出し続けることで、地域課題を解決し続ける「自立した地域」を作るとともに、それぞれの地域の個性を活かして地域同士が支え合うネットワークを形成する「自立・分散型社会」を示す考え方です(図6-5-1)。

図6-5-1 地域循環共生圏の概念

国全体で持続可能な社会を構築するためには、各々の地域が持続可能である必要があることから、各地域において、地域住民の「ウェルビーイング/高い生活の質」に向けて地域循環共生圏の実装を進め、「新たな成長」を実現していくことが重要です。地域循環共生圏の創造に向け、ローカルSDGs事業の創出と、それを生み出し続ける地域プラットフォームの構築を加速化するため、2024年度より地域循環共生圏づくりの中間支援の担い手を対象とした事業を実施し、延べ30地域を支援しました。また、脱炭素・循環経済・自然再興等の環境政策の強力な推進を背景に、地域の経済社会構造が大きく変化する地域において、地域循環共生圏の考え方に基づき、その変化に伴う負の影響を最小限とし、環境を軸とした新規産業の創出等を通じて持続可能な社会への移行を目指す「地域トランジション」について、モデル地域での実証及び研究会での検討を行い、研究会中間取りまとめを発表しました。

さらに、2019年度より運用を開始している地域循環共生圏に係るポータルサイトでは、各実証地域の取組から得られた知見を紹介するとともに、地域の経済循環構造や環境・社会・経済面の客観指標を把握するためのツールの最新年版を公表しました。対面及びオンラインにて開催した「地域循環共生圏フォーラム2025」(主催:環境省)では、「地域に着目する企業・金融の実践と共創」と題し、持続可能な地域づくりを進める省庁、企業、金融機関等が実践を共有し、対面で300名、オンラインで500名程度が参加しました。同時に20以上の省庁・企業等によるブース展示も行われ、登壇者や出展者、参加者との双方向の活発な議論と交流の場となりました。また、オンラインにて開催した「地域循環共生圏セミナー2025」は、環境以外のテーマで地域づくりに取り組む実践者の取組を入口に地域循環共生圏について考える機会となり、全4回で延べ562名が参加しました。

さらに、市町村やコミュニティといった一定の広がりのある「地域」の中で、環境・社会・経済の課題を同時解決する、SDGsの視点を取り入れた事業・プロジェクトを数多く生み出していく「地域循環共生圏」と両輪で、一人一人、一社一社がSDGsの視点を取り入れた活動・取組を表彰する「グッドライフアワード」を、2013年度から実施しています。国民一人一人が自らのライフスタイルを見直す契機とすることを目的として、企業、団体、個人等の幅広い主体による「環境と社会によい暮らし」を支える地道で優れた取組を募集し、表彰するとともに、その取組を広く国民に対して情報発信しています。2025年度は、応募数224の取組の中から、最優秀賞1、優秀賞3、各部門賞6、計10の取組を環境大臣賞として表彰しました。

事例:中間支援を通した地域循環共生圏づくり

合同会社もものわは、宮城県石巻市・牡鹿半島を拠点として、「海に良い影響を与える林業」をテーマに、森林整備を通じて人命の安全確保と海洋環境の再生を同時に図る取組を進めています。荒廃した小規模人工林を主なフィールドとし、レスキュー隊員へのチェーンソー技術指導や、様々な切り口からの森林環境教育、未利用の林地残材の商品開発を行うことで、結果として間伐が促され、災害に強く生物相の豊かな森林の形成につながっています。このように、林業と他分野を掛け合わせながら、森・里・川・海のつながりを回復させるローカルSDGs事業により、第13回グッドライフアワード環境大臣賞 地域コミュニティ部門を受賞しました。

レスキュー隊員へのチェーンソー技術指導の様子
合同会社もものわ 事業モデル図

こうした取組に対して中間支援を行っている一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンは、水産業や海洋環境を起点とした地域課題解決の知見を活かしつつ、企業の研修などで、合同会社もものわの取組を地域外に発信する機会を創出しています。また、研究機関や専門家との協働により科学的なエビデンスの蓄積を図る中で、海洋域へ良い影響を与えられる山林を目指す森林整備に向け、今後取り組むべき課題や解決に向けた方向性の洗い出し、先進事例の紹介や連携に向けた支援などを行っています。

(2)地域脱炭素の加速化

2021年6月に策定された「地域脱炭素ロードマップ」に基づき、地方公共団体が主導する地域脱炭素の取組を推進しています。2025年2月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」においては、引き続き、地域脱炭素の取組に関わるあらゆる政策分野において、脱炭素を主要課題の一つとして位置付け、必要な施策の実行に全力で取り組んでいくとともに、更なる施策を積極的に推進することが明記されました。また、今後の政策対応を強化し、地域脱炭素の全国展開のための基盤を強化・確固たるものとするため、環境省を始めとする関係府省が緊密に連携しつつ、2026年度以降2030年度までの5年間を新たに実行集中期間として位置付け、必要な施策の実行に取り組むこととしています。

地方創生に資する脱炭素化の先行的な取組を実施する「脱炭素先行地域」については、2025年度までに7回の募集により102地域を選定しました(図6-5-2)。また、全国で重点的に導入促進を図る屋根置き太陽光発電、ZEB(ゼブ)・ZEH(ゼッチ)、EV等の取組を地方公共団体が複数年度にわたり複合的に実施する「重点対策加速化事業」として、2025年度までに171の地方公共団体を採択し、脱炭素の基盤となる重点対策の加速化を支援しました。また、公共施設等の脱炭素化の取組を支援するため、2023年度に総務省において創設した「脱炭素化推進事業債」については、2030年度まで事業期間を延長するとともに、対象事業の拡充を行いました。

図6-5-2 脱炭素先行地域の選定状況(2026年3月末時点)

2025年度においては、地域における再生可能エネルギーの最大限の導入を促進するため、地方公共団体による脱炭素社会を見据えた計画の策定、再生可能エネルギー促進区域の設定に向けたゾーニング及び地域脱炭素化促進事業の案件形成等を補助する「地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業」や地域防災計画により災害時に避難施設等として位置付けられた公共施設等、又は業務継続計画により災害等発生時に業務を維持すべき公共施設等に、平時の脱炭素化に加え、災害時にもエネルギー供給等の機能発揮を可能とする再生可能エネルギー設備等の導入を支援する「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」等を実施しました。さらに、「脱炭素化支援機構」による地域資源を活用した脱炭素プロジェクト等への資金供給、その他グリーンボンド発行・投資の促進等を行いました。

加えて、地方自治体の職員等に対する、再生可能エネルギー導入等の脱炭素実現のメリットや手法等についての理解を深めるための研修を行ったほか、地方公共団体と企業のネットワークを構築するためのマッチングイベントの開催、地方公共団体への「脱炭素まちづくりアドバイザー」の派遣を行いました。

地域に貢献する脱炭素事業の構築に向けては、事業可能性調査を含む地域脱炭素の計画づくり支援や、衛星情報など最新のデジタル技術も活用したREPOSとEADASの拡充・連携強化、自治体排出量カルテ・地域経済循環分析等の情報ツールの整備・拡充を行うなど、事業の構築を情報・技術面から支援しました。

国の積極支援に当たっては、国の地方支分部局(地方農政局、森林管理局、経済産業局、地方整備局、地方運輸局、地方環境事務所等)が水平連携し、各地域の強み・課題・ニーズを丁寧に吸い上げて機動的に支援を実施しました。こうした関係府省庁との連携も通じた脱炭素先行地域づくりについて、地方公共団体が身近に相談できる窓口体制を確保し、相談対応や案件の進捗状況を地方支分部局間で共有しながら連携して対応しました。

事例:能登半島地震を踏まえた災害レジリエンス強化・被災地の復興加速を 軸とした脱炭素先行地域づくり(石川県)

「脱炭素先行地域」に選定された石川県では、能登半島地震での被災の経験を踏まえ、災害レジリエンス強化と被災地復興の加速に重点を置いた取組を進めています。のと里山空港や金沢港エリア、能登の道の駅といった、災害時に「人命救助」「物資供給」「広域避難」を担う陸海空の基幹インフラに対して太陽光発電・蓄電池・EV充電設備等を設置することで、県単位での広域防災体制の強化を実現していきます。また、能登半島の観光拠点である和倉温泉では、地域関係者が中心となって高温の源泉を活用した未利用温泉熱有効活用システムを導入し、サステナブルな温泉地としてブランディングすることで、再建途上にある旅館の経営支援と和倉温泉の復興加速を実現します。

のと里山空港
和倉温泉

事例:「投資事業有限責任組合しんきん脱炭素応援ファンド」について

官民の出資を受けて設立されている脱炭素化支援機構(JICN)では、信金中央金庫及び信金キャピタルと連携して設立した「投資事業有限責任組合しんきん脱炭素応援ファンド」に対して出資を行っています。本ファンドは、信用金庫のネットワークを活用した案件発掘、専門的なアドバイスの提供、信用金庫が出資・融資等で関与する脱炭素化に資する事業に対してメザニンファイナンスを中心とした資金支援を実施しており、本ファンドを通じて脱炭素関連事業を支援することで、信用金庫が深いつながりを持つ地方公共団体や地元企業等における脱炭素関連事業の取組が拡大することが期待されます。本ファンドからは、例えば、2024年2月に岡山県瀬戸内市等の出資により設立された地域新電力会社である「瀬戸内市民電力」に対して投資を行っており、市内の公共施設や民家に太陽光発電設備を設置し、発電した電気を地域内に供給するなどの取組を行うことで、地域の脱炭素化を進めるなどの事例が既に生まれています。

しんきん脱炭素応援ファンドスキーム図

2 多様な主体の参加による国土管理の推進

(1)多様な主体による国土の管理と継承の考え方に基づく取組
ア 多様な主体による森林整備の促進

国、地方公共団体、森林所有者等の役割を明確化しつつ、地域が主導的役割を発揮でき、現場で使いやすく実効性の高い森林計画制度の定着を図りました。なお、自然的・社会的条件が悪く林業に適さない森林については、公的主体による森林整備を推進しました。多様な主体による森林づくり活動の促進に向け、企業・NPO・森林所有者等のネットワーク化等による連携・強化を推進しました。

イ 環境保全型農業の推進

第2章第6節1(1)を参照。

(2)国土管理の理念を浸透させるための意識啓発と参画の促進

国土から得られる豊かな恵みを将来の世代へと受け継いでいくための多様な主体による国土の国民的経営の実践に向けた普及や検討として、市町村管理構想・地域管理構想の全国展開などに取り組んでいます。

ア 森林(もり)づくり等への参画の促進

森林(もり)づくり活動のフィールドや情報の提供等を通じて多様な主体による国民参加の森林(もり)づくりを促進するとともに、森林空間を活用して健康、観光、教育など多様な分野で体験プログラムを提供する「森林サービス産業」の創出・推進、地域の森林資源の循環利用を通じた森林の適切な整備・保全につながる「木づかい運動」等を推進しました。

イ 公園緑地等における意識啓発

都市における公園や緑地は、都市のオープンスぺースとして、良好な都市環境の保全、防災、自然豊かなレクリエーションの場、良好な都市景観の形成など様々な機能を有しており、都市の住民が健康で文化的な生活をする上で不可欠な基盤です。

こうした都市における公園や緑地の機能と重要性を踏まえつつ、人と自然が共生し、環境への負荷が小さく、Well-beingが実感できる緑豊かな都市を実現し、緑地の質・量両面での確保に向けた都市緑地行政を全国的に一層推進するため、2024年11月に都市緑地法等の一部を改正する法律(令和6年法律第40号)が施行され、必要な施策を総合的に講じました。

3 持続可能な地域づくりのための地域資源の活用と地域間の交流等の促進

(1)地域資源の活用と環境負荷の少ない社会資本の整備・維持管理
ア 地域資源の保全・活用と地域間の交流等の促進

緑地の保全及び緑化の推進について、国が定める「緑の基本方針」や地方公共団体が定める「緑の広域計画」、「緑の基本計画」等に基づく地域の各主体の取組を支援しました。

イ 地域資源の保全・活用の促進のための基盤整備

資源循環分野については、第3章第4節を参照。

ウ 森林資源の活用と人材育成

中大規模建築物等の木造化、住宅や公共建築物等への地域材の利活用、木質バイオマスの活用等による環境負荷の少ないまちづくりを推進しました。

人材育成に関しては、地域の森林・林業を牽引する森林総合監理士(フォレスター)、持続的な経営プランを立て、循環型林業を目指し実践する森林経営プランナー、施業集約化に向けた合意形成を図る森林施業プランナー、伐採や再造林、路網作設等を適切に行える現場技能者を育成しました。

エ 災害に強い森林づくりの推進

東日本大震災で被災した海岸防災林の復旧・再生、豪雨や地震等により被災した荒廃山地の復旧・予防対策、流木による被害を防止・軽減するための効果的な治山対策など、災害に強い森林づくりの推進により、地域の自然環境等を活用した生活環境の保全や社会資本の維持に貢献しました。

オ 景観保全

景観の保全に関しては、自然公園法(昭和32年法律第161号)によって優れた自然の風景地を保護しているほか、景観法(平成16年法律第110号)に基づき、2025年3月末時点で675団体において景観計画が定められています。また、文化財保護法(昭和25年法律第214号)に基づき、2026年3月末時点で重要文化的景観として74地域が選定されています。

カ 歴史的環境の保全・活用

2025年度中に史跡名勝天然記念物の新指定15件、特別史跡名勝天然記念物の新指定2件を行うとともに、2025年度は2都市の歴史的風致維持向上計画を新規認定し、文化財の保護と一体となった歴史的風致の維持及び向上のための取組を行いました。

(2)地方環境事務所における取組

地域の行政・専門家・住民や各省庁の地方支分部局等と協働しながら、地域における脱炭素の取組支援、資源循環政策の推進、気候変動適応等の環境対策、生物多様性の保全、国立公園の保護と利用の推進、自然環境保全のための施設整備、希少種・野生鳥獣・外来種等の野生生物の保護管理、また東日本大震災からの被災地の復興・再生について、地域の実情に応じた環境保全施策を展開しました。

4 環境教育、ESD及び協働取組の推進

(1)あらゆる年齢階層に対するあらゆる場・機会を通じた環境教育及びESDの推進

環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(平成15年法律第130号。以下「環境教育等促進法」という。)及び「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」(2024年5月変更閣議決定)に基づき、環境教育のための人材認定等事業の登録制度(環境教育等促進法第11条第1項)、環境教育等支援団体の指定制度(同法第10条の2第1項)、体験の機会の場の認定制度(同法第20条)の運用等を通じ、環境教育等の指導者等の育成や体験学習の場の確保等に努めました。

また、発達段階に応じ、学校、家庭、職場、地域等のあらゆる場において自発的な環境教育等の取組が促進されるよう、環境省では、文部科学省と連携し、学校や地域において質の高い環境教育・ESDを実践・推進するリーダーとなる人材を育成することを目的とする「教職員等環境教育・学習推進リーダー養成研修」として、教職員を主な対象とし、教科横断的にホール・スクールで環境教育・ESDを推進するための研修をオンラインや全国各地で開催したほか、指導案や参考事例など、学校や地域での環境教育や環境保全活動に役立つ情報を、ウェブサイト(環境学習ステーション)にて提供しました。

さらに、2023年度から環境教育やESDに取り組む方の負担軽減、ネットワーク化、取組支援を目的に「環境教育・ESD実践動画100選」として、学校教育又は社会教育における幼少期~高校生を対象とした環境教育やESDに関連する実践取組の短編動画の優良事例を発信する取組を始め、2025年度には26件の動画を選定、公表しました。

加えて、「体験の機会の場」研究機構との間で締結された環境教育等促進法に基づく協定(同法第21条の4第1項)の趣旨を踏まえ、同機構と連携して、2025年日本国際博覧会において、若年層を対象としたプレゼンテーションコンクールやパネルディスカッションを内容とする「Green Blue Education Forum 2025」を実施するなど、体験の機会の場の利用及び認定促進に向けた取組を進めました。

文部科学省では、環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備に対し、関係省庁と連携してエコスクールパイロットモデル事業を実施し、1997年度から2016年度までに1,663校認定しました。2017年度からは「エコスクール・プラス」に改称し、エコスクールとして整備する学校を2025年度までに345校認定しました。

ESDについては、「持続可能な開発のための教育:SDGs実現に向けて(ESD for 2030)」という2020年から2030年までの新たな国際的実施枠組みが2019年11月に第40回ユネスコ総会で採択され、同年12月には第74回国連総会で承認されました。「ESD for 2030」の理念を踏まえ、関係省庁が連携し、2021年5月、「第2期ESD国内実施計画」を策定し、同日に「ESD推進の手引」も更新しました。また、学習指導要領では、小・中・高等学校の各段階において、児童生徒が「持続可能な社会の創り手」となることが期待されることを明記しており、引き続き、ESDの提唱国として、持続可能な社会の創り手を育成するESDを推進していきます。

文部科学省では、ユネスコスクール(ユネスコ憲章に示されたユネスコの理想を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校であり、ユネスコが認定する学校)をESDの推進拠点として位置付けています。ユネスコスクール全国大会及び地方連絡会・地方セミナーの開催等を通じて、ESDの実践例の共有や議論等を行いESDの活動の振興を図るほか、調査研究委託事業を通じて、持続可能な社会の創り手育成の推進につながる教員養成、カリキュラム作成及び多様なステークホルダーとの協働による人材育成に取り組んでいます。

さらに、ESD活動に取り組む様々な主体が参画・連携する地域活動の拠点を形成し、地域が必要とする取組支援や情報・経験を共有できるよう、環境省、文部科学省、関係団体等が連携して、ESD活動支援センター及び地方ESD活動支援センター(全国8か所)を活用したESDに関する情報収集・発信、地域間の連携・ネットワークの構築に努めるとともに、気候変動を切り口としたテーマ別の学び合いプロジェクトを実施しました。このほか、国連大学が実施する世界各地でのESDの地域拠点(RCE)の認定、アジア太平洋地域における高等教育機関のネットワーク(ProsPER.Net)構築等の事業を支援しました。

また、日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)における三カ国共同のプロジェクトとして、日中韓環境ユースフォーラム(TEMMユースフォーラム)において、環境教育推進のための意見交換を行いました。

(2)持続可能な地域づくりに向けた対話を通じた協働取組の推進

環境カウンセラー登録制度の活用により、事業者、市民、民間団体等による環境保全活動等を促進しました。

独立行政法人環境再生保全機構が運営する地球環境基金では、国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成やセミナー開催等により、それぞれの活動を振興するための事業を行いました。このうち、2025年度の助成については、392件の助成要望に対し、161件、総額約5.7億円の助成決定が行われました。

環境省、独立行政法人環境再生保全機構、国連大学サステイナビリティ高等研究所の共催により、環境活動を行う全国の高校生に対し、相互交流や実践発表の機会を提供する「全国ユース環境活動発表大会(全国大会)」を2026年2月に開催し、優秀校に対して環境大臣賞等を授与しました。

持続可能な地域づくりのための中間支援機能を発揮する拠点として「環境パートナーシップオフィス(EPO)」を全国8か所に展開しています。各地方環境事務所と各地元のNGO・NPOが協働で運営、環境情報の受発信といった静的なセンター機能だけではなく、地域の環境課題解決への伴走等といった動的な役割を担いました。EPOの結節点として、各EPOの成果の取りまとめや相互参照、ブロックを超えた横展開等、全国EPOネットワーク事業を「地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)」が行いました。また、GEOCは環境省・国連大学との協働事業として時機に見合った国際情報の発信やシンポジウムの開催等を行いました。

環境教育等促進法に基づく体験の機会の場等の各種認定の状況等を環境省ウェブサイトにおいて発信しました。

事業者、市民、民間団体等のあらゆる主体のパートナーシップによる取組を支援するための情報をGEOC及びEPOを拠点としてウェブサイトやメールマガジンを通じて、収集、発信しました。

また、団体が実施する環境保全活動を支援するデータベース「環境らしんばん」により、イベント情報等の広報のための発信支援を行いました。

環境調査研修所においては、国及び地方公共団体等の職員を対象に、行政研修、分析研修及び職員研修の各種研修を実施しています。

2025年度には、2024年度に引き続き、合宿制の集合研修を実施するとともに、集合形式とオンライン形式を組み合わせるなどの研修手法も活用し、行政研修12コース(12回)(日中韓三カ国合同環境研修の協同実施を含む)、分析研修9コース(11回)及び職員研修8コース(8回)の合計29コース(31回)を実施しました。加えて、分析研修等の研修内容に関連する支援教材の動画配信を視聴登録者に対して行いました。2025年度の研修修了者は、1,354名となりました。修了者の研修区分別数は、行政研修(職員研修含む)が1,186名、分析研修が168名でした。所属機関別の修了者の割合は、国が41.2%、地方公共団体が57.7%、独立行政法人等が1.1%となっています。