環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部第3章>第4節 多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現

第4節 多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現

1 地域の循環システムづくり

資源循環分野における地域循環共生圏の形成に向けては、循環資源の種類に応じて適正な規模で循環させることができる仕組みづくりを進めてきたところです。

一般廃棄物処理に関しては、循環型社会形成の推進に加え、災害時における廃棄物処理システムの強靱(じん)化、地球温暖化対策の強化という観点から、循環型社会形成推進交付金等により、市町村等が行う一般廃棄物処理施設の整備等に対する支援を実施しました。また、廃棄物処理施設から排出される余熱等の地域での利活用を促進させるため、「廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業」を実施し、2019年度からは、補助金の対象範囲をこれまでの供給施設側の付帯設備(熱導管・電力自営線等)から需要施設側の付帯設備まで拡大することにより、廃棄物エネルギーの利活用を更に進め、地域の脱炭素化を促進しました。さらに、脱炭素や地域振興等の社会課題の同時解決を追求すべく、地域循環共生圏構築が進まない自治体が抱える課題を解決するため、施設の技術面や廃棄物処理工程の効率化・省力化に資する実証事業を行いました。

また、汚水処理に関して、少子高齢化・人口減少社会の中で、浄化槽は、効率的・経済的かつ柔軟に社会ニーズに対応することができる分散型汚水処理システムであり、地方創生や国土強靱化の観点からも、その役割はますます重要になっていくものと考えられます。また、2050年ネット・ゼロの実現に向けて、浄化槽分野においても省エネ化の更なる推進や再生可能エネルギー導入等の脱炭素化の取組を一層進めていく必要があります。このため、2022年度より、エネルギー効率の低い中大型合併処理浄化槽について、最新型の高効率機器への改修、先進的省エネ型浄化槽への交換、再エネ設備の導入を行うことにより大幅なCO2削減を図る事業に対する補助事業を新たに開始し、2023年度、2024年度、2025年度においても引き続き必要な予算を措置し、浄化槽分野の脱炭素化に向けて当該事業を推進しました。

バイオマスの活用の推進にあたっては、バイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づく「バイオマス活用推進基本計画」(2022年9月閣議決定)の下でバイオマスの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進してきたところです。下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けては、農林水産省と国土交通省が連携して、取組の意義や先進的な取組事例等について、関係者に広く情報発信を実施しています。また、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指すバイオマス産業都市について、2025年度には3市町が選定され、2013年度の取組開始以来、選定された市町村は全国で累計107市町村となりました。

加えて、森林資源をマテリアルやエネルギーとして地域内で持続的に活用するため、担い手確保から発電・熱利用に至るまでの「地域内エコシステム」の構築に向け、地域協議会の運営や技術開発・改良等への支援を実施しました。また、木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業においては、木質バイオマス発電の安定稼働に向け、国内木質バイオマス燃料の供給ポテンシャルの拡大や、発電コストの大半を占める燃料費の低減等を目指し、新たな燃料ポテンシャル(早生樹、広葉樹等)を開拓・利用可能とする“エネルギーの森”実証や、安定的・効率的な製造・輸送等システムの構築に向けた実証、品質安定化等に向けた調査を行いました。

農山漁村のバイオマスを活用した産業創出を軸とした地域づくりについては、第3章第3節2を参照。

2 循環システムづくりを支える広域的取組

エコツーリズム推進法に関する施策については第2章第6節を参照。また、地域における生活系ごみ処理の有料化の検討・実施や廃棄物処理の広域化・集約的な処理、地域の特性に応じた効果的なエネルギー回収技術を導入する取組等を促進する施策を検討しました。

3 廃棄物により汚染された地域環境の再生

マイクロプラスチックを含む海洋・河川等環境中に流出したごみに関する、実態把握や発生抑制対策、回収・処理等を進めるための施策については、第4章第4節1を参照。