環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部>第3章 循環型社会の形成>第1節 廃棄物等の発生、循環的な利用及び処分の現状

第3章 循環型社会の形成

第1節 廃棄物等の発生、循環的な利用及び処分の現状

1 我が国における循環型社会

我が国における循環型社会とは、「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される」社会です。ここでは、廃棄物・リサイクル対策を中心として循環型社会の形成に向けた、廃棄物等の発生とその量、循環的な利用・処分の状況、国の取組、各主体の取組、国際的な循環型社会の構築について説明します。

(1)我が国の物質フロー

私たちがどれだけの資源を採取、消費、廃棄しているかを知ることが、循環型社会を構築するための第一歩です。

「第五次循環型社会形成推進基本計画」(2024年8月閣議決定。以下「第五次循環基本計画」という。)では、どの資源を採取、消費、廃棄しているのかその全体像を的確に把握し、その向上を図るために、物質フロー(物の流れ)の異なる断面である「入口」、「循環」、「出口」に関する指標にそれぞれ目標を設定しています。

以下では、物質フロー会計(MFA)を基に、我が国の経済社会における物質フローの全体像とそこから浮き彫りにされる問題点、「第五次循環基本計画」で設定した物質フロー指標に関する目標の状況について概観します。

ア 我が国の物質フローの概観

我が国の物質フロー(2023年度)は、図3-1-1のとおりです。

図3-1-1 我が国における物質フロー(2023年度)
イ 我が国の物質フロー指標に関する目標の設定

「第五次循環基本計画」では、物質フローの「入口」、「循環」、「出口」に関する指標について目標を設定しています。

それぞれの指標についての目標年次は、2030年度としています。各指標について、最新の達成状況を見ると、以下のとおりです。

[1]資源生産性(=GDP/天然資源等投入量)

2030年度において、資源生産性を約60万円/トンとすることを目標としています。2023年度の資源生産性は約50.9万円/トンであり、2000年度と比べ約101%上昇しました。

[2]一人当たり天然資源消費量(=一人当たりマテリアルフットプリント=(一次資源等価換算した天然資源等投入量-一次資源等価換算した輸出量)/人口)

2030年度において、一人当たり天然資源消費量を約11トン/人・年とすることを目標としています(2000年度の約17.8トン/人・年からおおむね4割減)。2000年度と比べ、2021年度の一人当たり天然資源消費量は約5.7トン/人・年減少し、約12.1トン/人・年でした。

[3]再生可能資源及び循環資源の投入割合(=(バイオマス系天然資源等投入量+循環利用量)/(天然資源等投入量+循環利用量))

2030年度において、再生可能資源及び循環資源の投入割合を約34%とすることを目標としています(2000年度の約19.7%からおおむね7割向上)。2000年度と比べ、2023年度の再生可能資源及び循環資源の投入割合は約10.4ポイント増加し、約30.1%でした。

[4]入口側の循環利用率(=循環利用量/(循環利用量+天然資源等投入量))

2030年度において、入口側の循環利用率を約19%とすることを目標としています(2000年度の約10.0%からおおむね9割向上)。2000年度と比べ、2023年度の入口側の循環利用率は約7.0ポイント上昇し、約17.0%でした。

[5]出口側の循環利用率(=循環利用量/廃棄物等発生量)

2030年度において、出口側の循環利用率を約44%とすることを目標としています(2000年度の約35.8%からおおむね2割向上)。2000年度と比べ、2023年度の出口側の循環利用率は約7.8ポイント上昇し、約43.6%でした。

[6]最終処分量(=廃棄物の埋立量)

2030年度において、最終処分量を約1,100万トンとすることを目標としています(2000年度の約5,600万トンからおおむね8割減)。2000年度と比べ、2023年度の最終処分量は約79%減少し、約1,200万トンでした。

(2)廃棄物の排出量
ア 廃棄物の区分

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)では、廃棄物とは自ら利用したり他人に有償で譲り渡したりすることができないために不要になったものであって、例えば、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿等の汚物又は不要物で、固形状又は液状のものを指します。

廃棄物は、大きく産業廃棄物と一般廃棄物の二つに区分されています。産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「廃棄物処理法施行令」という。)等で定められた20種類のものと、廃棄物処理法に規定する「輸入された廃棄物」を指します。一方で、一般廃棄物とは産業廃棄物以外の廃棄物を指し、し尿のほか主に家庭から発生する家庭系ごみのほか、オフィスや飲食店から発生する事業系ごみも含んでいます。

イ 一般廃棄物(ごみ)の処理の状況

2024年度におけるごみの総排出量は3,811万トン(東京ドーム約102杯分、一人一日当たりのごみ排出量は839グラム)です。このうち、焼却、破砕・選別等による中間処理や直接の資源化等を経て、最終的に資源化された量(総資源化量)は738万トン、最終処分量は306万トンです。

ウ 一般廃棄物(し尿)の処理の状況

2024年度の水洗化人口は1億2,020万人で、そのうち下水道処理人口が9,768万人、浄化槽人口が2,251万人(うち合併処理人口は1,526万人)です。また非水洗化人口は431万人で、そのうち計画収集人口が428万人、自家処理人口が3万人です。

総人口の約2割(非水洗化人口及び浄化槽人口)から排出された、し尿及び浄化槽汚泥の量(計画処理量)は1,906万kℓで、年々減少しています。そのほとんどは水分ですが、1kℓを1トンに換算して単純にごみの総排出量(3,811万トン)と比較すると、その数値が大きいことが分かります。それらのし尿及び浄化槽汚泥は、し尿処理施設で1,712万kℓ、ごみ堆肥化施設及びメタン化施設で13万kℓ、下水道投入で171万kℓ、農地還元で2万kℓ、その他で7万kℓが処理されています。なお、下水道終末処理場から下水処理の過程で排出される下水汚泥は産業廃棄物として計上されます。

エ 産業廃棄物の処理の状況

近年、産業廃棄物の排出量は約4億トン前後で推移しており、大きな増減は見られません。2023年度の排出量は3億6,725万トンであり、前年度に比べて約680万トン減少しています。

(3)循環的な利用の現状
ア プラスチック類

プラスチックは加工のしやすさ、用途の多様さから非常に多くの製品に利用されています。一般社団法人プラスチック循環利用協会によると、2024年におけるプラスチックの生産量は853万トン、国内消費量は867万トン、廃プラスチックの総排出量は911万トンと推定され、排出量に対する有効利用率は、約89%と推計されています。一方で、有効利用されていないものの処理・処分方法については、単純焼却が約8%、埋立処理が約4%と推計されています。

イ 容器包装(ガラス瓶、ペットボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)(平成7年法律第112号)に基づく、2024年度の分別収集及び再商品化の実績について、全市町村に対する分別収集実施市町村の割合は、ガラス製容器、ペットボトル、スチール製容器(飲料又は酒類用)、アルミ製容器(飲料又は酒類用)、段ボール製容器が前年度に引き続き9割を超えました。紙製容器包装については約3割、プラスチック製容器包装については7割を超えています。

ウ 特定家庭用機器4品目

特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。以下「家電リサイクル法」という。)に基づき、2024年度に製造業者等により引き取られた特定家庭用機器廃棄物は1,458万台でした。なお、2024年度の不法投棄回収台数は、28,500台でした。

製造業者等は、一定の基準以上での再商品化を行うことが求められています。2024年度の再商品化実績(再商品化率)は、エアコンが93%、ブラウン管式テレビが72%、液晶・有機EL・プラズマ式テレビが85%、冷蔵庫・冷凍庫が80%、洗濯機・衣類乾燥機が93%となっています。

2024年度の回収率は66.9%でした。

エ 建設廃棄物等

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号。以下「建設リサイクル法」という。)では、特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4品目)を用いた建築物の床面積の合計が80m2以上の解体工事等を対象工事とし、そこから発生する特定建設資材の再資源化等を義務付けています。また、解体工事業を営もうとする者の登録制度により、適正な分別解体等を推進しています。建設リサイクル法の施行によって、特定建設資材廃棄物のリサイクルが促進され、建設廃棄物全体の再資源化・縮減率は2000年度の85%から2018年度には97.2%と着実に向上しています。また、2024年度の対象建設工事における届出件数は27万2,401件、2025年3月末時点で解体工事業者登録件数は2万685件となっています。また、毎年上半期と下半期に実施している「建設リサイクル法に関する全国一斉パトロール」を含めた2024年度の工事現場に対するパトロール時間数は延べ3万5,950時間となっています。現在は、循環経済への移行の推進に向けて、建設リサイクル分野においては、建設廃棄物由来の再生資材の需給等の実態調査を踏まえ、水平リサイクルの推進やCO2排出抑制等のリサイクルの質の向上や需要拡大のための取組を推進しています。また、建設発生土の現場内・工事間利用等の有効利用や適正処理を推進しています。

オ 食品廃棄物等・食品ロス

食品廃棄物等とは、食品の製造、流通、消費の各段階で生ずる動植物性残さ等であり、具体的には加工食品の製造過程や流通過程で生ずる売れ残り食品、消費段階での食べ残し・調理くず等を指します。

この食品廃棄物等は、飼料・肥料等への再生利用や熱・電気に転換するためのエネルギーとして利用できる可能性があり、循環型社会及び脱炭素社会の実現を目指すため、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成12年法律第116号。以下「食品リサイクル法」という。)等により、その利活用を推進しています。また、2023年度の再生利用等実施率は食品産業全体で90%となっており、業態別では、食品製造業が97%、食品卸売業が61%、食品小売業が63%、外食産業が34%と業態によって差が見られます。我が国では、食品廃棄物等の再生利用等の促進のため、食品リサイクル法に基づき、再生利用事業者の登録制度及び再生利用事業計画の認定制度を運用しており、2026年3月末時点での再生利用事業者の登録数は141、再生利用事業計画の認定数は60でした。

本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」の量は2023年度で約464万トンでした。更なる食品ロス削減に向けて、2025年10月には、千代田区及び全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会の主催、環境省を始めとした関係省庁の共催により「第9回食品ロス削減全国大会」を東京都千代田区で開催し、関係者間の連携を図りました。

また、食品ロス削減と食品循環資源のリサイクルにより食品廃棄ゼロを目指すエリアの創出のための先進的事例を支援し、広く情報発信・横展開を図ることを目的に、食品廃棄ゼロエリア創出モデル事業等を実施する地方公共団体や事業者等に対し、技術的・財政的な支援を行うとともに、2026年4月には「食品廃棄ゼロエリア創出の手引き」を策定・公表し、他の地域への普及展開を図りました。

2025年3月に見直された食品リサイクル法に基づく基本方針において食品関連事業者から発生する食品ロス量について、2030年度までに2000年度比で60%削減させるという新たな目標を設定しました。また、食品ロスの削減の推進に関する法律(令和元年法律第19号)に基づく基本的な方針も2025年3月に見直され、家庭から発生する食品ロス量を2030年度までに2000年度比で半減させるという目標について、2030年度を待たずに早期に達成することとされました。

カ 自動車

(ア)自動車

使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号。以下「自動車リサイクル法」という。)に基づき、使用済みとなる自動車は、まず自動車販売業者等の引取業者からフロン類回収業者に渡り、カーエアコンで使用されているフロン類が回収されます。その後、自動車解体業者に渡り、そこでエンジン、ドア等の有用な部品、部材が回収されます。さらに、残った廃車スクラップは、破砕業者に渡り、そこで鉄等の有用な金属が回収され、その際に発生する自動車破砕残さ(ASR:Automobile Shredder Residue)が、自動車製造業者等によってリサイクルされています。

一部の品目には再資源化目標値が定められており、自動車破砕残さについては70%、エアバッグ類については85%と定められていますが、2024年度の自動車破砕残さ及びエアバッグ類の再資源化率は、それぞれ96.4~97.8%及び96~97%と、目標を大幅に超過して達成しています。また、2024年度の使用済自動車の不法投棄・不適正保管の件数は4,666台(不法投棄752台、不適正保管3,914台)で、法施行時と比較すると97.9%減少しています。そのほか、2024年度末におけるリサイクル料金預託状況及び使用済自動車の引取りについては、預託台数が8,153万478台、預託金残高が8,630億951万円、また使用済自動車の引取台数は256万台となっています。さらに、2024年度における離島対策支援事業の支援市町村数は77、支援金額は1億950万円となっています。

(イ)タイヤ

一般社団法人日本自動車タイヤ協会によれば、2024年における廃タイヤの発生量は8,900万本(2023年9,000万本)、廃タイヤ有効利用量は69万2,000トン(2023年77万6,000トン)、有効利用率は99.6%(2023年99.2%)とされています。

キ パーソナルコンピュータ及びその周辺機器

資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号。以下「資源有効利用促進法」という。)では、2001年4月から事業系パソコン、2003年10月から家庭系パソコンの回収及び再資源化を製造等事業者に対して義務付け、再資源化率をデスクトップパソコン(本体)が50%以上、ノートブックパソコンが20%以上、ブラウン管式表示装置が55%以上、液晶式表示装置が55%以上と定めてリサイクルを推進しています。

2024年度における回収実績は、デスクトップパソコン(本体)が約4万2,000台、ノートブックパソコンが約13万台、ブラウン管式表示装置が約4,000台、液晶式表示装置が約10万4,000台となっています。また、製造等事業者の再資源化率は、デスクトップパソコン(本体)が81.4%、ノートブックパソコンが74.2%、ブラウン管式表示装置が75.5%、液晶式表示装置が77.7%であり、いずれも法定の基準を上回っています。なお、パソコンは、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(平成24年法律第57号。以下「小型家電リサイクル法」という。)(第3章第1節1(3)ケを参照)に基づく回収も行われています。

ク 小形二次電池(ニカド蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム蓄電池、密閉形鉛蓄電池)

資源有効利用促進法では、2001年4月から小形二次電池(ニカド蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム蓄電池及び密閉形鉛蓄電池)の回収及び再資源化を製造等事業者に対して義務付け、再資源化率をニカド蓄電池60%以上、ニッケル水素蓄電池55%以上、リチウム蓄電池30%以上、密閉形鉛蓄電池50%以上とそれぞれ定めて、リサイクルを推進しています。

2024年度における小形二次電池(携帯電話・PHS用のものを含む。)の再資源化の状況は、ニカド蓄電池の処理量が611トン(再資源化率76.3%)、ニッケル水素蓄電池の処理量が270トン(同76.5%)、リチウム蓄電池の処理量が510トン(同52.8%)、密閉形鉛蓄電池の処理量が607トン(同50.0%)となりました。また、再資源化率の実績はいずれも法令上の目標を達成しています。

ケ 小型電子機器等

小型家電リサイクル法に基づき、使用済小型電子機器等の再資源化を促進するための措置が講じられており、同法の基本方針では、年間回収量の目標を、2023年度までに一年当たり14万トンとしています。年間回収量の実績は2020年度に約10万トンまで増加しましたが、直近では横ばい傾向にあります。2024年度は目標の14万トンには達しませんでしたが、約9万トンを回収しました。市町村の取組状況については1,502市町村(全市町村の約86%)が参加又は参加の意向を示しており、人口ベースでは約95%となっています(2025年6月時点)。また、2026年3月末時点で、61件の再資源化事業計画が認定されています。

コ 下水汚泥

下水道事業において発生する汚泥(下水汚泥)の量は、近年は横ばいです。2024年度時点で、全産業廃棄物の発生量の約2割を占める約7,682万トン(対前年度約61万トン減、濃縮汚泥量として算出)が発生していますが、最終処分場に搬入される量は約31万トンであり、肥料・エネルギーとしての再生利用や脱水、焼却等の中間処理による減量化により、最終処分量の低減を推進しています。なお、下水汚泥の有効利用率は、乾燥重量ベースで76%となっています。

下水汚泥の再生利用は、バイオマスとしての下水汚泥の性質に着目した肥料利用やエネルギー利用、セメント原料等の建設資材利用など、その利用形態は多岐にわたっています。

2024年度には、乾燥重量ベースで179万トンが再生利用され、セメント原料(70万トン)、建設資材(48万トン)、肥料利用(土壌改良材、人工土壌としての利用を含む。)(34万トン)、固形燃料(25万トン)等の用途にされています。

サ 廃棄物の再生利用及び広域的処理

廃棄物処理法の特例措置として、廃棄物の減量化を推進するため、生活環境の保全上支障がないなどの一定の要件に該当する再生利用に限って環境大臣が認定する制度を設け、認定を受けた者については処理業及び施設設置の許可を不要としています。2026年3月末時点までの累計で、一般廃棄物については69件、産業廃棄物については77件の者が認定を受けています。

また、廃棄物処理法の特例措置として、製造事業者等による自主回収及び再生利用を推進するため、廃棄物の広域的処理によって廃棄物の減量その他その適正な処理の確保に資すると認められる製品廃棄物の処理を認定(以下「広域認定」という。)する制度を設け、認定を受けた者(その委託を受けて当該認定に係る処理を行う者を含む。)については処理業の許可を不要としています。2026年3月末時点までの累計で、一般廃棄物については124件、産業廃棄物については368件の者が認定を受けています。

(4)成長志向型の資源自律経済戦略の具体化

「成長志向型の資源自律経済戦略」(2023年3月経済産業省策定)に基づき、[1]動静脈連携の加速に向けた規制・ルールの整備、[2]資源循環に係る研究開発から実証・実装までの政策支援の拡充、[3]産官学連携の取組の強化を進めています。

規制・ルールの整備については、再生材の利用拡大や環境配慮設計の可視化・価値化等を促進し、経済合理性のある資源循環を達成するため、2025年5月に資源有効利用促進法を改正する法案が成立しました。主な改正事項は、[1]再生資源の利用計画策定・定期報告、[2]環境配慮設計の促進、[3]GXに必要な原材料等の再資源化の促進、[4]CE(サーキュラーエコノミー)コマースの推進です。

また、政策支援の拡充については、GX経済移行債を活用し、2023年度以降10年間で官民合わせて2兆円超の投資実現を目指しています。具体的には、2025年度より3年間で400億円の支援を実施し、長寿命化や再資源化の容易性の確保や先進的な資源循環に資する技術開発及び設備投資の支援を実施しています。

さらに、産官学連携の取組の強化については、2023年9月に経済産業省と環境省が連携して、産官学のパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」(以下「CPs」という。)を立ち上げ、これまでの会員数は850者以上となっております。CPsでは参画者が情報共有を行うだけでなく、製品や素材ごとの課題の抽出、資源循環のロードマップの策定、国際連携・標準化などに向けて議論を深めています。

2 一般廃棄物

(1)一般廃棄物(ごみ)
ア ごみの排出量の推移

第1節1(2)イを参照。

イ ごみ処理方法

ごみ処理方法を見ると、直接資源化及び資源化等の中間処理の割合は、2024年度は18.4%となっています。また、直接最終処分されるごみの割合は減少傾向であり、2024年度は0.8%となっています。

ウ ごみ処理事業経費

2024年度におけるごみ処理事業に係る経費の総額は、約2兆4,489億円であり、国民一人当たりに換算すると約1万9,700円となり、前年度から増加しました。

(2)一般廃棄物(し尿)

2024年度の実績では、し尿及び浄化槽汚泥1,906万kℓは、し尿処理施設又は下水道投入によって、その98.8%が処理されています。また、し尿等の海洋投入処分については、廃棄物処理法施行令の改正により、2007年2月から禁止されています。

3 産業廃棄物

(1)産業廃棄物の発生及び処理の状況

2023年度における産業廃棄物の排出量は3億6,725万トン(第1節1(2)エ再掲)、再生利用量は2億79万トン、最終処分量は875万トンでした。再生利用量は、直接再生利用される量と、中間処理された後に発生する処理残さのうち再生利用される量を足し合わせた量を示しています。また、最終処分量は、直接最終処分される量と中間処理後の処理残さのうち処分される量を合わせた量を示しています。

産業廃棄物の排出量を業種別に見ると、排出量が多い3業種は、電気・ガス・熱供給・水道業、農業・林業、建設業(前年度と同じ)となっています。この上位3業種で総排出量の約7割を占めています。

ア 産業廃棄物の排出量の推移

第1節1(2)エを参照。

イ 産業廃棄物の中間処理施設数の推移

産業廃棄物の焼却、破砕、脱水等を行う中間処理施設の許可施設数は、2023年度末で19,565件となっており、前年度との比較ではほぼ横ばいとなっています。中間処理施設のうち、木くず又はがれき類の破砕施設は約56%、汚泥の脱水施設は約13%、廃プラスチック類の破砕施設は約12%を占めています。

ウ 産業廃棄物処理施設の新規許可件数の推移(焼却施設、最終処分場)

産業廃棄物処理施設に係る新規の許可件数(焼却施設、最終処分場)は2023年度末で39件となっており、前年度より件数が増加しています。

(2)大都市圏における廃棄物の広域移動

首都圏等の大都市圏では、土地利用の高度化や環境問題等に起因して、焼却炉等の中間処理施設や最終処分場を確保することが難しい状況です。そのため、廃棄物をその地域の中で処理することが難しく、広域的に処理施設を整備し、市町村域、都府県域を越えて運搬・処分する場合があります。そのような場合であっても、確実かつ高度な環境保全対策を実施した上で、廃棄物の適正処理やリデュース、適正な循環的利用の徹底を図っていく必要があります。

4 廃棄物関連情報

(1)最終処分場の状況
ア 一般廃棄物

(ア)最終処分の状況

直接最終処分量と中間処理後に最終処分された量を合計した最終処分量は306万トン、一人一日当たりの最終処分量は67gです。

(イ)最終処分場の残余容量と残余年数

2024年度末時点で、一般廃棄物最終処分場は1,550施設(うち2024年度中の新設は9施設(建設中含む。))であり、2023年度から減少し、残余容量は93,287千m3であり、2023年度から減少しました。また、残余年数は全国平均で24.9年です。

(ウ)最終処分場のない市町村

2024年度末時点で、当該市区町村として最終処分場を有しておらず、民間の最終処分場に埋立てを委託している市区町村数(ただし、最終処分場を有していない場合であっても大阪湾フェニックス計画対象地域の市町村は最終処分場を有しているものとして計上)は、全国1,741市区町村のうち317市町村となっています。

イ 産業廃棄物

2023年度の産業廃棄物の最終処分場の残余容量は1.77億m3、残余年数は20.3年となっており、前年度との比較では、残余容量はやや減少、残余年数はやや増加しています。

(2)廃棄物焼却施設における熱回収の状況
ア 一般廃棄物

(ア)ごみの焼却余熱利用

ごみ焼却施設からの余熱を有効に利用する方法としては、後述するごみ発電を始め、施設内・外への温水、蒸気の熱供給が考えられます。余熱利用を行っている施設は710施設であり、割合は施設数ベースで71.6%となっています。

(イ)ごみ発電

ごみ発電とは、ごみを焼却するときに発生する高温の排出ガスが持つ熱エネルギーをボイラーで回収し、蒸気を発生させてタービンを回して発電を行うもので、ごみ焼却施設の余熱利用の有効な方法の一つです。

また、ごみ発電を行っている割合は施設数ベースでは41.9%となっています。また、その総発電量は約105億kWhであり、一世帯当たりの年間電力消費量を3,911kWhとして計算すると、この発電は約267万世帯分の消費電力に相当します。なお、ごみ発電を行った電力を場外でも利用している施設数は275施設となっています。

最近では、発電効率の高い発電施設の導入が進んできていますが、これに加えて、発電後の低温の温水を地域冷暖房システム、陸上養殖、農業施設等に有効利用するなど、余熱を合わせて利用する事例も見られ、こうした試みを更に拡大していくためには、熱利用側施設の確保・整備とそれに併せたごみ焼却施設の整備が重要です。

イ 産業廃棄物

脱炭素社会の取組への貢献を図る観点から、3Rの取組を進めてなお残る廃棄物等については、廃棄物発電の導入等による熱回収を徹底することが求められます。産業廃棄物の焼却による発電を行っている施設数は、2024年度には365炉となりました。このうち、廃棄物発電で作った電力を場外でも利用している施設数は、59炉となっています。また、施設数ベースでの割合は16%となりました。また、廃棄物由来のエネルギーを活用する取組として、廃棄物の原燃料への利用も進められています。廃棄物燃料を製造する技術としては、ガス化、油化、固形燃料化等があります。これらの取組を推進し、廃棄物由来の温室効果ガス排出量のより一層の削減とエネルギー供給の拡充を図る必要があります。

(3)不法投棄等の現状
ア 2024年度に新たに判明した産業廃棄物の不法投棄等の事案

2024年度に新たに判明したと報告があった不法投棄事案の件数は106件です。

イ 2024年度末時点で残存している産業廃棄物の不法投棄等事案

都道府県及び廃棄物処理法上の政令市が把握している、2025年3月末時点における産業廃棄物の不法投棄等事案の残存件数は2,920件、残存量の合計は999.1万トンでした。

このうち、現に支障が生じていると報告されている事案7件については、支障除去措置に着手しています。現に支障のおそれがあると報告されている事案76件については、21件が支障のおそれの防止措置、7件が周辺環境モニタリング、48件が撤去指導、定期的な立入検査等を実施中又は実施予定としています。そのほか、現在支障等調査中と報告された事案37件については、17件が支障等の状況を明確にするための確認調査、20件が継続的な立入検査を実施中又は実施予定としています。また、現時点では支障等がないと報告された事案2,800件についても、改善指導、定期的な立入検査や監視等が必要に応じて実施されています。

(ア)不法投棄等の件数及び量

新たに判明したと報告があった産業廃棄物の不法投棄事案の件数は106件、投棄量は1.4万トンです。また、不適正処理事案の件数は113件、不適正処理量は6.0万トンです。また、2024年度に報告があった5,000トン以上の大規模な不適正処理事案は1件でした。

(イ)不法投棄等の実行者

2024年度に新たに判明したと報告があった不法投棄等事案の実行者の内訳は、不法投棄件数で見ると、実行者不明のものが34.9%(37件)、排出事業者によるものが全体の33%(35件)で、複数によるものが13.2%(14件)、無許可業者によるものが9.4%(10件)、許可業者によるものが3.8%(4件)となっています。これを不法投棄量で見ると、排出事業者によるものが61.4%(0.9万トン)、実行者不明のものが13.8%(0.2万トン)、複数によるものが7.7%(0.1万トン)、許可業者によるものが7.3%(0.1万トン)、無許可業者によるものが6.8%(0.1万トン)、でした。また、不適正処理件数で見ると、排出事業者によるものが全体の47.8%(54件)で、複数によるものが18.6%(21件)、実行者不明のものが15.9%(18件)、許可業者によるものが7.1%(8件)無許可業者によるものが4.4%(5件)、となっています。これを不適正処理量で見ると、排出事業者によるものが39.2%(2万トン)、実行者不明のものが29.8%(1.8万トン)、複数によるものが18.3%(1.1万トン)、許可業者によるものが11.3%(0.7万トン)、無許可業者によるものが0.5%(0.03万トン)でした。

(ウ)支障除去等の状況

2024年度に新たに判明したと報告があった不法投棄事案(106件、1.4万トン)のうち、現に支障が生じていると報告された事案は1件あり、支障除去措置に着手している。現に支障のおそれがあると報告された事案9件については、1件が支障のおそれの防止措置に着手しており、8件が定期的な立入検査を実施しています。

2024年度に新たに判明したと報告があった不適正処理事案(113件、6.0万トン)のうち、現に支障が生じていると報告された事案は3件です。現に支障のおそれがあると報告された事案8件については、3件が支障のおそれの防止措置に着手しており、5件が定期的な立入検査を実施しています。

(4)有害廃棄物の越境移動

有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(以下「バーゼル条約」という。締約国は2025年12月時点で189か国と1機関(EU)、1地域)及び特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108号。以下「バーゼル法」という。)に基づき、有害廃棄物等の輸出入の厳正な管理を行っています。