環境省第5次レッドリストについて、2025年3月に公表した植物・菌類に続き、動物の一部の分類群(鳥類、爬虫類・両生類)の評価結果を2026年3月に公表しました。第5次レッドリストでは、鳥類では108種が、爬虫類・両生類では96種が絶滅危惧種として評価されました。その結果、2026年3月末時点での環境省レッドリストにおける絶滅危惧種の種数は、3,587種となりました。
2017年5月に成立した絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律第51号)においては、特定第二種国内希少野生動植物種制度の創設、国際希少野生動植物種の流通管理の強化等が行われました。
改正法の施行から5年を経過したことなどを踏まえ、2024年から法律の施行状況評価を実施し、2025年6月に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行状況評価報告書」を公表しました。これを踏まえ、2025年10月に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の在り方検討会」を設置し、希少種保全をめぐる様々な課題に関して、今後の種の保存法の在り方の検討を開始しました。
同法に基づき、2026年3月時点で458種の国内希少野生動植物種を指定し、捕獲や譲渡し等の規制を行っています。
また、ワシントン条約及び二国間渡り鳥等保護条約等に基づき、国際的に協力して種の保存を図るべき種について、同法に基づき国際希少野生動植物種に指定しています。2025年11月から同12月にかけて開催されたワシントン条約第20回締約国会議(COP20)において採択された附属書の改正を踏まえ、国際希少野生動植物種として新たに19種を指定するとともに、これまで指定されていた種から3種を削除しました。その結果、国際希少野生動植物種は、2026年3月時点で829種類となりました。
同法に基づき、国内希少野生動植物種の生息・生育地として重要な地域(10か所)を生息地等保護区に指定しています。
同法に基づき、計79種を対象に58の保護増殖事業計画を策定し、それぞれの地域において、生息環境の整備や個体の繁殖等の事業を行っています。
トキは、佐渡島におけるこれまでの保全活動や積極的な飼育・繁殖、放鳥等の取組により、野生下で推定500羽程度まで増加しています。本州においてもトキの野生復帰に向けた環境整備等の取組が進んでいることを受け、環境省は2026年5月末に本州初となる放鳥を石川県能登地域で行うことに加え、2027年の初夏を目途に島根県出雲市においても放鳥を行うことを決定しました。
ライチョウは、動物園と連携し、乗鞍岳で採取した卵を用いた飼育・繁殖技術の確立を2015年から進めてきました。また、過去にライチョウが生息していた中央アルプスでは、個体群復活に向け、繁殖させた個体の野生復帰や捕食者対策等の取組を多様な主体と協力・連携して実施してきた結果、2025年7月時点で約300羽が生息すると推定されており、分布範囲も拡大しています。
これらの保護増殖事業や調査研究、普及啓発を推進するための拠点となる野生生物保護センターを全国で8か所設置しています。
また、同法に基づき指定している全国10か所の生息地等保護区において、保護区内の国内希少野生動植物種の生息・生育状況調査、巡視等を行いました。
各種開発事業に際しての保全措置の検討のための考え方と積極的な保全活動を進める際の参考情報をまとめた「猛禽(きん)類保護の進め方」について、改訂に向けた情報収集及び検討を実施しました。
そのほか、猛禽(きん)類の採餌環境の改善にも資する主伐・間伐の実施等、効果的な森林の整備・保全を行いました。
琉球列島周辺海域に生息するジュゴンに関して、沖縄島、宮古諸島及び八重山諸島において、漁業関係者等と共同での喰(は)み跡のモニタリング調査や情報交換、目撃情報等の収集等を実施しました。
絶滅の危険性が極めて高く、本来の生息域内における保全施策のみでは近い将来、種を存続させることが困難となるおそれがある種について、将来的な野生復帰を想定した飼育下繁殖を実施するなど生息域外保全の取組を進めています。
2014年に公益社団法人日本動物園水族館協会と環境省との間で締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づき、ツシマヤマネコ、ライチョウ、アマミトゲネズミ、ミヤコカナヘビ、スジシマドジョウ類等の生息域外保全に、動物園水族館と連携して取り組んでいます。個別の動物園・水族館ではなく協会全体として取り組んでもらうことで、園館間のネットワークを活用した一つの大きな飼育個体群として捉えて計画的な飼育繁殖を推進することが可能となっています。
絶滅危惧植物についても、2015年に公益社団法人日本植物園協会との間で締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づき、生息域外保全や野生復帰等の取組について、一層の連携を図っています。さらに、新宿御苑においては、絶滅危惧植物の種子保存を実施しています。
絶滅のおそれのある昆虫についても、全国の昆虫施設と連携し、ツシマウラボシシジミ、フサヒゲルリカミキリ、ウスイロヒョウモンモドキ、フチトリゲンゴロウ等の生息域外保全に取り組んでいます。このうちツシマウラボシシジミについては、飼育施設に加えて本種の生息地である長崎県対馬市とも連携し、飼育下で繁殖させた個体の野生復帰も進めています。
そのほか、飼育下個体の遺伝的多様性の評価等を大学や研究機関等とも連携して取り組みました。
なお、2026年3月末時点で27施設を認定希少種保全動植物園等として認定しており、認定園館において希少種の生息域外保全や普及啓発の取組が進められています。
我が国には多様な野生鳥獣が生息しており、鳥獣保護管理法に基づき、その保護及び管理が図られています。鳥獣保護管理法では、都道府県における鳥獣保護管理行政の基本的な事項を「鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針」(以下「基本指針」という。)として定めることとされており、各都道府県では、2021年10月に策定した第13次基本指針に基づき、科学的な知見に基づく鳥獣保護管理事業が進められています。
野生生物保護については、渡り鳥の生息状況等に関する調査として、鳥類観測ステーション等における鳥類標識調査、ガンカモ類の生息調査等を実施しました。また、出水平野(鹿児島県)に集中的に飛来するナベヅル、マナヅルについては、出水平野におけるツル類の保護管理に加え、出水平野以外の地域における越冬環境の整備を実施しました。
希少鳥獣でありながらも漁業被害をもたらす北海道えりも地域のゼニガタアザラシについて、漁網の改良等による被害防除対策や、科学的分析による個体群管理を実施しました。また、「えりも地域ゼニガタアザラシ特定希少鳥獣管理計画(第3期)」を策定しました。
加えて、野生生物保護についての普及啓発を推進するため、愛鳥週間(毎年5月10日~5月16日)行事の一環として、第79回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」を東京都内において開催したほか、第59回目となる小・中学校及び高等学校の児童・生徒による野生生物保護の実践活動を発表する「全国野生生物保護活動発表大会」を開催しました。
2004年以降、野鳥、飼養鳥及び家(か)きん等において、高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されていることから、「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に基づき、渡り鳥等を対象として、ウイルス保有状況調査を全国で実施し、その結果を公表しました。また、国内での発生状況を踏まえ、2025年10月に野鳥のサーベイランス(調査)における全国の対応レベルを最高レベルとなる「対応レベル3」に引き上げ、全国で野鳥の監視を強化しました。その後も国内の野鳥、飼養鳥及び家(か)きん等において、高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されているため、早期発見・早期対応を目的とした野鳥のサーベイランスを都道府県と協力しながら実施するとともに、高病原性鳥インフルエンザの発生地周辺10km圏内を野鳥監視重点区域に指定し、野鳥の監視を一層強化しました。
高病原性鳥インフルエンザの発生や感染拡大等に備えた予防対策に資するため、国指定鳥獣保護区等への渡り鳥の飛来状況の調査等を実施し、環境省ウェブサイトを通じて情報提供等を行いました。
2018年9月に岐阜県の農場において、国内で26年ぶりとなる豚熱が発生し、その後、野生イノシシでも感染が拡大しています。こうした状況を受け、環境省では、農林水産省と連携し、各都道府県が実施する野生イノシシのサーベイランスに協力しました。また、豚熱の感染拡大防止を図るため、野生イノシシの捕獲強化に向けた取組を指定管理鳥獣対策事業交付金で支援するとともに、野生イノシシ対策の強化に向けて関係機関と情報共有等を実施しました。
我が国における野生鳥獣に関する感染症について広く情報収集し、生物多様性保全の観点でのリスク評価を行いました。このリスク評価の結果、対策の優先度が高かった感染症等を対象に、鳥獣における感染症の発生状況の実態把握を目的とした鳥獣病原体保有状況調査を都道府県と協力しながら実施しました。
クマは、秋の堅果類の結実量の影響等もあり、数年おきに人里への大量出没を繰り返し、市街地への出没や人身被害の発生など人との軋轢が深刻化しています。2024年4月には、絶滅のおそれのある四国の個体群を除いたクマを鳥獣保護管理法に基づく指定管理鳥獣に指定し、同年度から地方自治体への財政支援を開始しました。また、人の日常生活圏にクマ等が出没した場合に、地域住民等の安全の確保の下での銃猟(緊急銃猟)を可能とする改正鳥獣保護管理法が2025年4月に成立し、同年9月に施行されました。こうした対策強化を進める一方で、2025年度はクマの出没件数、クマによる人身事故件数、事故者数及び死者数が過去最多を記録するなど国民の安全・安心を脅かす深刻な事態となりました。このような状況を踏まえ、政府として対策を強化するため、2025年11月にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議において「クマ被害対策パッケージ」を決定しました。同パッケージでは、人の生活圏からクマを排除するとともに、増えすぎたクマの個体数の削減・管理の徹底を図り、人とクマのすみ分けを実現することを掲げています。同パッケージに基づき、例えば、都道府県等による個体数管理を支援するため、指定管理鳥獣対策事業交付金において緊急銃猟対応等実務者の雇用等を支援対象としたり、特別交付税措置を充実させ、自治体の負担分を軽減したりするなどの大幅な財政措置の拡充を実施しています。さらに、こうした取組の実効性を高めるため、2026年3月にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議において「クマ被害対策ロードマップ」を決定し、関係省庁や自治体間の連携強化を図りながら、クマによる被害対策を実施します(写真2-5-1、写真2-5-2)。


近年、ニホンジカやイノシシ等の生息数が増加するとともに生息域が拡大し、生態系や農林水産業等への被害が拡大・深刻化しています。環境省と農林水産省は、ニホンジカとイノシシについて、2023年度までに2011年度の個体数から半減させることを目標として捕獲対策を強化してきました。その結果、イノシシの推定個体数は減少傾向に転じた一方で、ニホンジカの推定個体数は2021年度末時点で未だ高い水準にあったことから、目標の期限を2028年度まで延長し、目標の達成に向け捕獲強化の取組を進めました。
鳥獣保護管理法においては、都道府県が捕獲等を行う指定管理鳥獣対策事業や捕獲の担い手の確保・育成に向けた認定鳥獣捕獲等事業者制度など、「鳥獣の管理」のための制度が導入されています。
指定管理鳥獣対策事業は、集中的かつ広域的に管理を図る必要があるとして環境大臣が指定した指定管理鳥獣(ニホンジカ、イノシシ、クマ)について、都道府県又は国の機関が捕獲等を行い、適正な管理を推進するものです。国は指定管理鳥獣の被害防止対策や捕獲等の強化を図るため、都道府県が実施する指定管理鳥獣対策事業に対し、交付金により支援を行っています。2025年度においては、51都道府県・協議会で当該事業が実施されました。
認定鳥獣捕獲等事業者制度は、鳥獣保護管理法に基づき、鳥獣の捕獲等に係る安全管理体制や従事者の技能・知識が一定の基準に適合し、安全を確保して適切かつ効果的に鳥獣の捕獲等を実施できる事業者を都道府県が認定するもので、45都道府県において182事業者が認定されています(2026年3月末時点)。
また、狩猟者については、1970年度の約53万人から2012年度には約18万人まで減少しましたが、2016年度以降には20万人を超え、微増傾向にあります。一方、2008年度以降は60歳以上の狩猟者が全体の6割を超えており、依然として高齢化が進んでいることから、引き続き捕獲等を行う鳥獣保護管理の担い手の育成が求められています。高度な知識や技術を有する捕獲の担い手の確保・育成に向けた検討や狩猟の魅力を伝えるための映像作成、鳥獣保護管理に係る専門的な人材を登録し、紹介する事業等を行いました。
コラム:2025年度のクマ被害状況と被害防止のためのお願い
2025年度は全国でクマの出没が多発し、238名の方がクマによる人身被害を受けました。また、人の日常生活圏にクマ等が出没した場合に地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能とする緊急銃猟制度は、2025年9月から運用が開始され、2025年度末までに60件実施されました。
改めてクマによる被害を防ぐために、以下の3つの注意をお願いします。
[1]クマの生息地にはむやみに入らないこと。仕事等でやむを得ず入る場合は、単独行動を避け、鈴やラジオなど音の出るものやクマ撃退スプレー(適切に効果が検証された製品)を携帯するなどの対策をすること
[2]人の生活圏では、クマの誘因物となるものを適切に管理すること。具体的には、放置された果樹、ペットフード、コンポスト、家庭菜園の作物、夜間に出されたごみ等がクマの餌となるため、これらをしっかり管理すること
[3]クマと出会った際には、落ち着いてクマに背を向けずに距離をとること。襲われそうになった場合は、両腕で顔面や頭部を覆い、すぐにうつ伏せになるなど致命的なダメージを最小限にとどめる行動をとること
クマの出没は今後も継続する可能性があり、地方自治体が発信するクマの出没情報等に十分注意を払うようお願いします。
農林水産業への被害防止等の観点から、市町村を中心とした侵入防止柵の設置、捕獲活動や追払い等の地域ぐるみの被害防止活動、都道府県が行政界をまたいで行う広域捕獲活動、捕獲鳥獣の食肉等(ジビエ)利用の取組等の対策を進めるとともに、鳥獣との共存にも配慮した多様で健全な森林の整備・保全等を実施しました。また、ニホンジカによる森林被害の防止に向けて、先進技術によるシカ生息場所の特定調査に対する支援等を行いました。さらに、トドによる漁業被害防止対策として、出現状況等の調査等を行いました。
鉛製銃弾の使用による鳥類への影響を科学的に評価するため、鳥類の鉛汚染の効果的なモニタリング体制の構築に取り組むとともに、影響評価の方法に関する検討を行いました。また、科学的かつ計画的な鳥獣管理を進めるために情報システムの整備と運用を進めるとともに、次期システムへの更改に向け、システムの機能強化等に向けた検討を行いました。
外来種とは、人によって本来の生息・生育地からそれ以外の地域に持ち込まれた生物のことです。そのような外来種の中には、侵略的外来種と呼ばれる、在来の生物を食べたり、すみかや食べ物を奪ったりして、生物多様性を脅かす特に侵略性の高いものがおり、地域ごとに独自の生物相や生態系が形成されている生物多様性を保全する上で、大きな問題となっています。世界的な動植物の絶滅の6割は主に侵略的外来種が要因として引き起こされたものであり、少なくとも218種の侵略的外来種を要因として、1,200種以上もの在来種が絶滅していると報告されています。我が国においても、生態系被害、食害等による農林水産業への被害、刺咬(しこう)症等による人の生命・身体への被害や、文化財の汚損、悪臭の発生、景観・構造物の汚損など、様々な被害が及ぶ事例が見られます。
また、近年の貿易量の増加に伴い、輸入品に付着することなどにより非意図的に国内に侵入する生物が増加しています。2017年6月に国内で初確認された南米原産のヒアリの確認件数は、2025年度は36件に上り、年度ごとの確認数の過去最多を大幅に更新しました。初確認以降の累計は20都道府県で171事例に上ります。環境省では、全国65港湾において地元自治体や関係行政機関等と協力して定期的なモニタリング調査を行い、発見された個体は速やかに駆除するなど、ヒアリの定着を阻止するための水際対策を実施しています。
このような外来種の脅威に対応するため、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)に基づき、我が国の生態系等に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある外来生物を特定外来生物として指定し、輸入、飼養等を規制しています。2026年3月時点で特定外来生物は合計162種類(7科、14属、4種群、127種、10交雑種)となっています。
また、アメリカザリガニ及びアカミミガメについては、一般家庭等での飼養等や無償での譲渡し等を法律の適用除外とする条件付特定外来生物に指定したことを踏まえ、これらの規制内容や終生飼養等について、環境省ウェブサイトでの周知とコールセンターでの問合せ対応を行いました。
また、2025年3月に改定した「外来種被害防止行動計画」の付属資料を作成したほか、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」(通称「生態系被害防止外来種リスト」(2015年3月環境省・農林水産省作成))の改定を行っています。
外来種被害予防三原則(「入れない」、「捨てない」、「拡げない」)について、多くの人に理解を深めてもらえるよう、外来種問題に関するウェブサイトやYouTube等を活用し、普及啓発を行いました。
我が国で既に定着が確認されている特定外来生物による生態系等に係る被害の防止措置は地方公共団体の責務であることを踏まえ、特定外来生物防除等対策事業(交付金)により、地方公共団体が行う対策事業の支援を行いました。また、我が国に定着が確認されていない又は分布が局所的である特定外来生物のまん延の防止、生物の多様性の確保上重要な地域等における特定外来生物の被害防止措置として、フイリマングースやシロアゴガエル、ツマアカスズメバチ等の防除を行いました。外来生物の防除により、奄美大島のアマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、沖縄島やんばるのヤンバルクイナなど、多くの在来種の生息状況の回復が見られています。
事例:クビアカツヤカミキリによる被害の状況と対策事例
特定外来生物クビアカツヤカミキリは東アジア原産の外来のカミキリムシで、サクラ、ウメ、モモをはじめとしたバラ科樹木に被害を与えることが知られています。日本では2012年に初めて被害が確認されて以降、関東、近畿地方を中心とした17都府県に分布が拡大しています(2026年3月末時点)。この種の被害を受けた木は数年で枯死することがあるため、お花見ができなくなるなど、地域社会に大きな影響を及ぼしており、2025年10月には、桜の名所である吉野山(吉野熊野国立公園)でも被害が初確認され、対策には猶予が許されない状況です。
このため、環境省では交付金などを用いて、地方公共団体が実施するクビアカツヤカミキリへの対策を支援しています。
例えば、栃木県足利市では、「クビアカみっけ隊」による市民参加型の防除、市民からの被害相談を受けた被害木調査、防除指導等の民有地への被害相談対応、成虫飛散密度の低減を目的とした繁殖源に対する薬剤散布等化学防除、市有地や民有地における被害木の伐採処分支援といった基本的な対策を行った上で、「樹勢回復と成虫の繁殖・拡散防止を図る不定根誘導防除法」等、独自の防除手法の開発・実装も推進しています。
足利市の例のように、地域によっては市民参加型の防除を実施している例もあります。クビアカツヤカミキリを発見した場合は、防除への御協力をお願いします。




生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(以下「カルタヘナ議定書」という。)を締結するための国内制度として定められた遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「カルタヘナ法」という。)に基づき、2026年3月末時点で560件の遺伝子組換え生物の環境中での使用が承認されています。その他、日本版バイオセーフティクリアリングハウス(ウェブサイト)を通じて、法律の枠組みや承認された遺伝子組換え生物に関する情報提供を行ったほか、港湾周辺の河川敷において遺伝子組換えナタネの生物多様性への影響監視調査等を行いました。
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)に基づき、自治体等と連携しながら、動物虐待の防止、ブリーダーやペットショップ等の動物取扱業の適正化、動物の飼養に関する幅広い普及啓発等の施策を実施することで、動物の愛護と適正な管理の推進に取り組みました。
動物取扱業に係る制度の円滑かつ適正な運用に向け、犬猫以外の哺乳類や爬虫類に関する飼養管理基準の具体化に向けた検討を進めました。2025年8月には、過去に幼齢犬猫の販売規制等の法令違反が確認されたブリーダーへのフォローアップ調査を実施し、約8割で是正が確認されました。引き続き動物取扱業の適正化に向けて今後の対応を検討したほか、市民向けには幼齢犬猫の販売制限の必要性や購入する際の留意事項等についてSNS等を通じた情報発信、相談窓口を通じた都道府県等への助言等も行いました。2022年6月からは、販売される犬猫のマイクロチップ装着等義務化が施行され、2025年度末時点で248万頭を超える犬猫の飼い主などの情報が登録されています。
2024年度に都道府県等に引き取られた犬猫の数は、約3.9万頭(前年度から約0.5万頭減)となりました。引き取られた犬猫の返還・譲渡率は約82%となり、殺処分数は約0.7万頭(2004年度比約98%減)となりました(2025年度に集計)。
都道府県等が引き取った犬猫の返還・譲渡を促進するため、都道府県等が行う収容施設や譲渡施設の整備等に対して費用の補助を行うとともに、自治体職員等を対象にした動物適正譲渡講習会を開催しました。
動物愛護週間(毎年9月20日~26日)には、広く国民に動物の愛護と適正な飼養について啓発するため、関係行政機関や団体との協力の下、「人もどうぶつも守る防災術」をテーマに、動物愛護週間中央行事「どうぶつ愛護フェスティバル」としてシンポジウムや屋外ブース出展等を開催したほか、全国各地においても様々な行事が実施されました。
災害対策については、令和6年能登半島地震等における対応状況を検証し今後の災害に備えるため、検討会を設置して「人とペットの災害対策ガイドライン(平成30年3月策定)」の改訂案の取りまとめを行いました。また、全国8箇所でのペット同行避難訓練の実施を通じて、自治体の受入れ体制の整備等の取組を支援しました。「ぼうさいこくたい2025」にブース出展し、ペットの災害対策の重要性等に関する普及啓発を進めました。
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)(平成20年法律第83号)の内容について、ペットの飼い主等に向けた普及啓発を行い、ペットフードの正しい扱い方や安全性に関する知識の向上等を図りました。
愛玩動物看護師法(令和元年法律第50号)に基づき、2026年2月に第4回愛玩動物看護師国家試験を実施しました。愛玩動物看護師名簿には、2026年4月1日時点で30,072人が登録されています。また、愛玩動物看護師の動物愛護・適正飼養分野における活躍推進や職域拡大に向けて、自治体や企業等を対象にした説明会、普及啓発等を実施しました。2023年から、政府統計として実施している愛玩動物看護師就職状況等調査(愛玩動物看護師の養成校における卒業生の就職状況及び学生の在籍状況把握)を実施し公表しました。