環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和8年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部第2章>第4節 海洋における生物多様性の保全

第4節 海洋における生物多様性の保全

1 沿岸・海洋域の保全

沖合の海底の自然環境の保全を図るため、小笠原方面の沖合域の4地域(伊豆・小笠原海溝、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部、西七島海嶺、マリアナ海溝北部)が自然環境保全法に基づき沖合海底自然環境保全地域に指定されています。同地域では継続して自然環境の状況把握調査を実施しており、2025年10月には中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部沖合海底自然環境保全地域において調査を行いました。

有明海・八代海等における海域環境調査、東京湾等における水質等のモニタリング、水産資源に関する調査等を行いました。

2022年3月に策定した「サンゴ礁生態系保全行動計画2022-2030」について、具体的な評価指標の設定を行いました。また、関係省庁、関係地方自治体等の各主体が取り組む具体的な活動の進捗状況を確認するため、関係者が参加するフォローアップ会議を開催しました。

2 水産資源の保存管理

漁業法(昭和24年法律第267号)において、水産資源の管理は、持続的に生産可能な最大の漁獲量の達成を目標とした数量管理を基本とすることとされており、2024年3月に公表した「資源管理の推進のための新たなロードマップ」に従って、TAC(漁獲可能量)管理の導入やTAC管理を円滑に進める上での課題解決、取組の効果の検証及び検証結果を踏まえた取組内容の改良等を通じた資源管理協定の高度化等に取り組みました。また、[1]ミンククジラ等の生態、資源量、回遊経路等の解明に資する調査、[2]ヒメウミガメ、シロナガスクジラ、ジュゴン等の原則採捕禁止等、[3]サメ、ウナギ等に関する国内管理措置等の検討やウミガメ等の混獲の実態把握及び回避技術・措置の検討、普及を図りました。

3 海岸環境の整備

海岸保全施設の整備においては、海岸法(昭和31年法律第101号)の目的である防護・環境・利用の調和に配慮した整備を実施しました。

4 港湾及び漁港・漁場における環境の整備

港湾工事等で発生する浚渫(しゅんせつ)土砂等を有効活用した覆砂、深堀跡の埋め戻し、ブルーインフラ(藻場・干潟等及び生物共生型港湾構造物)の保全・再生・創出を推進するとともに、海洋環境整備船等による漂流ごみ・油の回収を行いました。また、海辺の自然環境を活かした自然体験・環境教育を行う「海辺の自然学校」等の取組を推進しました。

2024年3月に策定した「三水域(港湾・河川・漁港)におけるプレジャーボートの適正な管理を推進するための今後の放置艇対策の方向性」に基づき、各水域が所在する地域の実情を踏まえ、関係省庁、関係団体及びプレジャーボート利用者等と緊密に連携し、放置艇の解消に取り組むことにより、プレジャーボートの適正な管理を推進しました。

漁港・漁場では、水産資源の持続的な利用と豊かな自然環境の創造を図るため、漁場の環境改善を図るための堆積物の除去等の整備を行う水域環境保全対策を実施したほか、水産動植物の生息・繁殖に配慮した構造を有する護岸等の整備を実施しました。また、藻場・干潟の保全・創造等を推進したほか、漁場環境を保全するための森林整備に取り組みました。大規模に衰退したサンゴの効率的・効果的な保全・回復を図るため、サンゴ礁の面的な保全・回復技術の開発に取り組みました。

5 海洋汚染への対策

第4章第4節を参照。