環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和7年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部>第4章 水環境、土壌環境、海洋環境、大気環境の保全・再生に関する取組>第1節 健全な水循環の維持・回復

第4章 水環境、土壌環境、海洋環境、大気環境の保全・再生に関する取組

第1節 健全な水循環の維持・回復

1 流域における取組

(1)流域マネジメントの推進等

2021年6月に改正された水循環基本法(平成26年法律第16号)や、2024年8月に閣議決定された新たな「水循環基本計画」等に基づき、2024年度は、流域マネジメントに取り組む、又は取り組む予定の地方公共団体等を対象に、知識や経験を有するアドバイザーの現地派遣等を通じて、勉強会の開催や流域水循環計画の策定・実施に必要となる技術的な助言・提言を行う「水循環アドバイザー制度」により、取組の支援を行いました。また、災害時における代替水源としての地下水等利用の推進に向け「災害時地下水利用ガイドライン」を策定しました。

(2)環境保全上健全な水循環の確保

水循環基本法の施行を受け、広く国民に向けた情報発信等を目的とした官民連携プロジェクト「ウォータープロジェクト」の取組として、豊かな水辺等を活用した良好な環境の創出に取り組む「良好な環境創出活動推進モデル事業」を実施しました。また、民間企業等のウォーターポジティブや流域一体的な取組を推進し、水に関する情報開示等を促進するため、水に関する優良事例を共有する「グッドプラクティス塾」や「CDPウォーター×環境省Water Projectセミナー」を通じた情報発信を行いました。

2 森林、農村等における取組

第2章第3節を参照。

3 水環境に親しむ基盤づくり

下水処理水の再利用の際の水質基準等マニュアルに基づき、適切な下水処理水等の有効利用を進めるとともに、雨水の貯留浸透や再利用を推進しました。

河口から水源地まで様々な姿を見せる河川とそれにつながるまちを活性化するため、地域の景観、歴史、文化、観光基盤等の資源や地域の創意に富んだ知恵を活かし、市町村、民間事業者と河川管理者が連携して、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を目指す「かわまちづくり」を推進しました。

約580の市民団体等により全国の約4,400地点で実施された「第21回身近な水環境の全国一斉調査」の支援等、住民との協働による河川水質調査を実施しました。