酒匂川ふるさと絵本づくり

酒匂川流域で行う絵本づくりのための情報共有ページとして立ち上げました。絵本制作状況を報告していきます。
絵本づくりの手法である五感体験アンケートを用いた「心象図法」を考案された滋賀県立大学講師上田先生の言葉より
地域文化について地域の人々と語り合う際、なかば方便として「地域文化とはめぐみのめぐりあわせである」「文化とはめぐみをめぐりあわすまなざしといとなみである」と言っている。めぐみとは一に「自然のめぐみ」、つぎに「歴史(時間)」のめぐみ、そして「人のめぐみ」である。「人のめぐみ」とはそれぞれ固有の生活背景・経験や能力をもつ一人ひとりの人という意味と、人間性の本質である「想像力」のふたつを指している。<中略>
地域に暮らす人々の生身の五感体験・生活体験に関する記憶をもとに、地域の様々な人や団体が参加協力し役割を担いながら、地域の生活誌を一枚の絵図として描き上げる。絵図の制作過程を通じて、また制作した絵図を様々なかたちで活用することを通して、
地域とそこにある「めぐみ」を見つめ直し、地域の暮らしの文脈の中に現在の暮らしを改めて定位し直し、あるいは発見していく。<中略>
この手法そしてその作品は、過去の記憶を保存・復元し伝えることだけでなく、また過去への回帰を唆すことではなく、過去の出来事に学ぶことで現在そして未来への想像力を養い、地域の文脈に根差した固有の文化を構築・再生産することを促すことを目指す。またそれは地域の世代間を繋ぐコミュニケーションの道具あるいはメディアとなる
ことを目指す。(滋賀大学環境総合研究センター研究年報 Vol. 11 No. 1 2014より、一部転載)