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エコツーリズム推進法

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1.上市町ではどのようにエコツーリズムに取り組んでいるのですか?

地域の概況

北アルプス立山連峰の名峰剱岳

北アルプス立山連峰の名峰剱岳

上市町は、富山県の県庁所在地である富山市の東約15kmの内陸に位置する人口約21,000人の町です。町の面積は236.7㎢で、その約8割を山林が占めており、人口の約8割が平野部に住んでいます。

町のシンボルである北アルプス立山連峰の名峰剱岳(標高2,999m)は、日本百名山及び新日本百名山に選定されており、圧倒的な存在感を放っています。剱岳は、アルピニストや写真愛好家、画家の憧れとなっており、早月尾根の麓に位置し剱岳の玄関口である馬場島(ばんばじま)には多くの登山客や芸術家が訪れています。

剱岳は古くから山岳信仰の山として知られており、約1,300年前に創建されたという真言密宗の大本山「大岩山日石寺(おおいわさんにっせきじ)」は、山岳信仰や修験道と結びついた密教の寺として隆盛しました。高さが3.2mある日本屈指の磨崖仏が国の重要文化財に指定されており、落差約5.5mから落ちる滝に打たれる滝行や写仏など修行体験もできることから、多くの方が訪れています。特に女性を中心に人気があり、最近は欧米人の観光客も増えています。

約650年前の創建とされる曹洞宗の「眼目山立山寺(がんもくざんりゅうせんじ)」も山岳信仰に由来する名刹で、三十三観音が4か所もあり、富山県の文化財に指定されているトガ(モミ)の木の参道は大変人気のあるスポットです。

平安時代末期から鎌倉時代の寺院・墓地・経塚・行場など、密教に関わる施設がまとまって発見された上市黒川遺跡群は、当時の宗教や信仰、葬送のあり方と地域社会の関係を示すもので、剱岳・立山信仰の起源や成立、その変遷を知る上でも重要な遺跡として国の史跡に指定されています。

ゆかりの地である大岩・眼目(さっか)・馬場島の3地区の森林について、近年、その癒し効果が科学的データにより実証され、NPO法人森林セラピーソサエティから森林セラピー基地「剱・きらめきの森」の認定を受けました。現在は、基地に登録する森林セラピスト・森林セラピーガイドの育成を行うとともに、基地を活用した森林セラピーツアーの企画・実施を積極的に行っています


現状と課題

平成23年7月の観光元年キックオフ宣言以降、地域住民を中心にエコツーリズムの普及啓発を行っており、少しずつ目的や活動を理解して取組に参加する方が増えてきていますが、町全体に浸透するにはまだまだ時間がかかる状況です。

上市町において、持続可能な観光産業を確立するためには、エコツーリズムに関する地域住民の理解を深め、地域にある観光資源の価値を地域住民自らが再確認するとともに、観光関係団体だけでなく、地域の産業を支える農家・商店・製造業など多様な分野・業種の方々を観光産業に巻き込むことで、地域内循環型経済の仕組みを構築し、観光事業による経済効果を地域全体に波及させることが必要です。


取組

まちのわ推進協議会では、豊かな地域資源を「町の宝」と表現し、「町の宝を後世に繋ぐ」ことが我々にとっての最大の使命と位置付けています。

この使命の達成に向け、町の宝を「活かす」、「守る」、「伝える」といった3つの活動を行い、持続可能な観光産業の確立と地域内循環型経済の推進を図るとともに、より多くの関係者と使命を共有し、活動を全町的な取組みへと広げ、地域が抱える様々な課題の解決や政策目標の達成に繋げたいと考えています。

町の宝を活かす活動

森林セラピー基地を活用した癒しのツアーや寺院での坐禅、滝行、写仏の体験、剱岳を間近に眺めながら屋外で富山の海と山の幸を堪能する森のレストランツアーなど、個性豊かなエコツアーの企画実施を行っています。

また、山菜や中山間地の間伐材、薬膳など、地域資源を活用した土産品の開発・販売を支援することで地域内循環型経済を推進しています。

町の宝を守る

森林セラピーガイド等により、森での遊び体験を通して、森と人の生活のかかわりや自然の循環、環境保全の大切さを親子で学ぶ「森の学校」を開催しています。

また、全小学校の高学年を対象としたエコツーリズム出前授業を開催するとともに、町内にある専門学校と首都圏にある姉妹校の生徒を対象に、自然体験学習を実施しています

町の宝を伝える

上市町エコツーリズムの基本方針として協議会が作成した「上市まちのわ宣言」や協議会の活動を紹介したリーフレットを町内全戸に配付し、エコツーリズムの普及啓発を行っています。また、町の魅力を紹介した情報誌を計13回発行するとともに、その掲載情報を実際に体験できるツアーも実施いたしました。

平成27年度からフォトロゲイニング大会を開催し、県内外からの大勢の参加者に上市町の魅力を体験していただいています。フォトロゲイニングとは、地図を頼りにチェックポイント探し、指定されたポーズの写真を撮って合計ポイントを競うスポーツです。上市町の大会では、地域内の観光地や商店街での飲食、お土産品購入等による経済効果だけではなく、地域にある歴史や伝統文化、優良企業の技術・製品など様々な魅力を知っていただくとともに、地域の人との交流機会を多く設けています。大会の賞品は、地域の企業が自社商品等を提供してくださり、メダルやトロフィーは、地域の若手デザイナーと優れた加工技術を持った企業が連携し、観光PRに繋がるよう工夫を凝らしたデザインで製作しています。また、地域の商店が飲食サービスとして試食品を提供してくださり、大会の趣旨に賛同していただけた地域住民の方々が大会運営資金を小口出資するなど、まさに町が一体となって参加者をおもてなしする手作りのイベントです。このイベントは、「上市ファン」を全国に増やすとともに、地域住民が地域の魅力を再発見し郷土愛を深める機会となっています。


主なツアープログラム

豊かな森林を活用したツアー

古刹の森で香りを聞く ~こころとからだを癒す森とお寺の旅~
森の学校

森の学校

由緒ある古いお寺のことを「古刹(こさつ)」といいます。森に包まれた古刹で森林セラピーを体験します。散策中に感じた香りでアロマクラフトを体験し、森の香りをお土産として持ち帰ることができます。

今日だけ森のレストラン

剱岳の登山口である馬場島で森林セラピーを体験します。森林散策に加え、野外レストランで富山ならではの特別メニューを堪能し、テント泊も体験できます。

森の学校 ~山の暮らし、スノーシューとランチ~

森を散策したり、ふかふかの雪が積もった田んぼや棚田を自由に歩いたり、たき火で料理するなど、冬の森での遊びを楽しみながら、昔から受け継がれる里山の暮らしを知ることができます。


山岳を活用したツアー

上市ちょっぴり山あるき(城ケ平山・千石城山など)
ハゲ山スノーシューウォーキング

ハゲ山スノーシュー
ウォーキング

剱岳周辺にある中低山のトレッキングを楽しみます。戦国時代に城が築かれていた城ケ平山と千石城山の山頂からは、大迫力の剱岳を間近で見ることができるとともに、振り返ると富山平野が一望できます。

ハゲ山スノーシューウォーキング

冬のハゲ山をスノーシューをはいてウォーキングします。はじめてスノーシューを体験する方には、ガイドからスノーシューの装着や歩き方のレクチャーもあります。


歴史を活用したツアー

大岩ぷちみそぎ修行体験
大岩ぷちみそぎ修行体験

大岩ぷちみそぎ
修行体験

1,300年続く密教の古刹である「大岩山日石寺」で滝行、写仏、護摩祈祷といった修行体験をします。写仏した紙は、護摩祈祷の後、特製のお守りになります。


>>2.上市町のエコツーリズム推進全体構想はどのようなものですか?