
(評価結果の概要)
- 全体として概ね順調にリサイクルの推進が図られているところであり、今後、
リサイクルされた再生品の需要を喚起していくことが必要である。
- 産業廃棄物処理の「確実かつ適正な処理」への転換を進め、優良な産業廃棄物処理業者が
市場の中で優位に立つ構造への転換を進める必要がある。
- IT等を活用した不法投棄監視の高度化を図るとともに投棄された廃棄物の原状回復措置
の推進を支援する必要がある。
- 循環型社会構築のために必要な廃棄物処理・リサイクル施設の整備に対する財政的・
技術的支援について、地球温暖化対策も視野に入れながら、施設整備を進める必要がある。
- 最終処分場の信頼回復や容量確保に向けた不適正最終処分場の適正化、最終処分場の
再生及び新世代型処分場の普及が必要となっている。
- 地域の特性や経済性を考慮した合併処理浄化槽の整備や市町村が運営主体となる特定
地域生活排水処理事業の効率的な推進が必要となっている。
|
(15年度の方向性)
- 3Rの推進
- 排出事業者責任の徹底、産業廃棄物処理業の構造改革の推進
- 不適正処理の防止、産業廃棄物処理に対する信頼回復
- 地球温暖化対策も視野に入れた廃棄物処理・リサイクル施設の整備
- 合併処理浄化槽の整備の促進
|
(反映状況)
平成15年度環境省重点施策への反映
1.脱温暖化社会・循環型の持続可能な社会の迅速な構築
(1)持続可能な社会の基盤づくり
廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用の促進に向けた取組の拡充
平成13年度策定の国の基本方針及び14年度末までに策定予定の「循環型社会形成推進基本計画」
を踏まえ、循環型社会構築のための廃棄物処理・リサイクル施設の整備を進めるなど、
廃棄物等の発生抑制及び適正な循環的利用の促進に努める。
また、廃棄物処理施設重点化計画(仮称)を策定するとともに、PFI方式による効率的な
公共関与の廃棄物処理施設整備等を進める。
|
[事業の拡充を図るものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- 循環型社会形成推進基本計画フォローアップ経費 102 ( 25) *
(施策名:循環型社会の形成の推進のための基本計画)
(事務事業名:循環型社会形成推進基本計画の策定等)
循環型社会形成推進基本計画が平成14年度中に策定されるのに併せて、
また、循環型社会についての周知度が未だ高くない状況にあることを踏まえて、
循環基本計画の進捗状況を適正に把握するとともに国民各界各層へ循環型社会形成へ
向けた3Rの取組や知識の普及・浸透を図るための予算要求を行い、循環基本計画の効果的な
実施及び適切な見直しにつなげることとした。さらに、循環型社会の形成に向けた実証事業
を行うための予算を要求することにより、これまで取組の弱かったリデュース(排出抑制)、
リユース(再使用)を中心とする循環型社会に向けた取組を推進することとした。
|
|
(2)経済のグリーン化・環境ビジネスの推進
環境ビジネスの活性化等による経済のグリーン化の推進
優良化した産業廃棄物処理業をさらにより高度なサービスを提供する産業として
発展できるようにするためのビジョンやビジネスモデルの提示などの取組を行う。
|
[新規に予算要求したものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- (新)産業廃棄物処理業リ・スタイル化計画推進事業費 50 ( 0) *
(施策名:産業廃棄物対策)
(事務事業名:不法投棄等の不適性処理対策の実施/廃棄物等の適正な輸出入の確保)
平成12年の廃棄物処理法改正により、安価で不適正になりがちな処理から、
優良な処理業者による適正な処理への転換を図る構造改革が進行している産業廃棄物処理業において、
構造改革の先に目指すものとして、循環型・環境負荷低減型という観点から、
優良化した産業廃棄物処理業をさらにより高いサービスを提供する産業に進化させていくことが必要である。
このため、循環型社会におけるリデュース・リユース・リサイクルの3Rを軸とし、
最終処分量の最小化、温暖化防止、汚染物質の最小化を実現する産業廃棄物処理業のこれからの
新しいビジネススタイルを確立させるため、産業廃棄物処理業の将来ビジョンや
新しいビジネスモデルの提示など、産廃処理ビジネスの育成と活性化を推進するために
必要な各種調査等を新たに実施するための予算を要求することとした。
|
|
(1)持続可能な社会の基盤づくり
廃棄物の適正処分・不法投棄対策の強化
産業廃棄物の不法投棄を始めとする不適正処理の防止対策や不法投棄の現状回復措置の
強化を図り、廃棄物処理に関する国民の信頼を回復していくとともに、埋立処分地の再生など
一般廃棄物最終処分場の信頼性向上・容量確保に向けた取組を進める。
さらに、PCB廃棄物処理については、拠点的処理施設の整備など全国的な処理体制の整備に着実に取り組む。
|
[新規に予算要求したものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- (新)産業廃棄物不法投棄地再生事業
(廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕 26,000 ( 0) *
(施策名:廃棄物の不法投棄の防止等)
(事務事業名:不法投棄等の不適正処理対策の実施)
不法投棄等の産業廃棄物の不適正処理に係る原状回復措置を代執行する都道府県を
費用面から支援するため、そのために設けられた基金(適正処理推進センター制度)の造成に国庫補助を
行ってきているところである。
さらに、本制度の支援対象となっていない制度施行前(平成10年6月以前)に行われた
不法投棄事案の原状回復措置の着実な推進を図るために、平成10年6月以前の不法投棄事案のうち、
青森・岩手県境大規模不法投棄のような原状回復措置が今後のモデルケースとなるような事案に対して
国庫補助を行うための予算を要求することとした。
|
[事業の拡充を図るものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- PCB廃棄物の拠点処理における運行状況管理のためのシステム開発 51 ( 15) *
(施策名:産業廃棄物対策)
(事務事業名:PCB廃棄物の適正な処理の推進)
PCB廃棄物が複数自治体を通過して、PCB廃棄物の拠点的処理施設へ集中搬入
されるのは初めてであり、収集運搬についてより高度な安全性を確保することが求められており、
地域住民の不安感を払拭し、安心感を得られるよう、運行状況に係る情報を高度に管理するとともに、
その情報を公開することが必要不可欠である。
このため、北九州市における拠点的処理施設をモデルとして、拠点的処理施設に搬入される
PCB廃棄物の運行状況をリアルタイムで管理するとともに、地元住民等に対して
情報提供を行うことができるシステムを開発することとし、平成15年度は、前年度に
行った運行管理システム及び情報提供システムの検討結果に基づき、システムの
開発を行うための予算を要求することとした。
|
|
政府一体となった京都議定書目標達成計画の着実な実行
高効率発電やバイオマスを活用した廃棄物処理・リサイクル施設、自然体験施設など、
地球温暖化対策の観点も踏まえた施設整備を進める。
|
[事業の拡充を図るものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- ごみメタン回収施設等の拡充(再掲)
(廃棄物処理施設整備費補助のごみ処理施設〔公共〕 64,039 ( 63,330) * のうち)
(施策名:一般廃棄物対策)
(事務事業名:第8次廃棄物処理施設整備計画に沿った着実な施設整備の推進)
地球温暖化対策に資するごみメタン回収施設の整備を促進するため、現行の補助対象
(1施設で1日処理量5t以上)に加えて、新たに分散型(複数の施設で1日処理量5t以上)
の施設についても補助対象とするよう予算を要求することとした。
|
|
健全な水循環に資する合併処理浄化槽の整備強化
効率的効果的な汚水処理施設の整備を図るため、設置費用も比較的安価で水質の
保全と河川の水量が確保でき、健全な水循環に資する合併処理浄化槽の整備を一層進める。
|
[事業の拡充を図るものの例] |
* 15年度要求額(14年度予算額)(単位:百万円) |
- 合併処理浄化槽設置整備事業の促進〔公共〕 22,482 ( 15,660) *
(施策名:合併処理浄化槽の整備によるし尿等の適正な処理の推進)
(事務事業名:特定地域生活排水処理事業の実施)
汚水処理施設の整備の中心が大都市から中小市町村に移行していることから、
中小市町村の生活排水対策として、家屋間距離の長い地域で経済的効率的な合併処理浄化槽の
整備の推進を行おうとするものである。特に、市町村が合併処理浄化槽の設置主体と
なって面的整備を図り適正な維持維持管理を行う特定地域生活排水処理事業について、
地域要件の拡充等を行うための予算を要求することとした。
|
|
|