新・湯治で温泉の魅力を再発見
「湯治」というとどんなイメージをお持ちですか?ひなびた温泉宿に滞在し、世俗から遠く離れ、温泉で療養…こんなイメージではないでしょうか。環境省が進める「新・湯治」は、現代の生活スタイルにあった温泉地での過ごし方を提案するもの。「新・湯治」を通して新たな温泉の魅力を発見してみましょう。
古くから病気やけがの治癒、農閑期の骨休めとして生まれた温泉地。西洋医学が導入されてからは保養・休養の場としての意味合いが大きくなり、戦後は観光地としての発展が見られましたが、近年では日帰り施設の増加、旅行スタイルの変化によって温泉宿泊施設は減少傾向にあります。
しかし、ストレス社会、超高齢社会といった新たな社会課題に対して、温泉地が温泉や地域資源を活かし、心身ともにリフレッシュできる場を提供できるとすればどうでしょう。人々は元気になり、社会や地域に活力を生み出すことができます。こうした現代社会の課題を解決する場所として、温泉地のあり方を考えていくのが「新・湯治」です。
温泉地には、温泉入浴に加えて周辺の自然、歴史、文化、食などの魅力的な資源がたくさんあります。「新・湯治」では、温泉地での過ごし方として、温泉地に泊まってその土地ならではの多様なプログラムを楽しみ、地域の人やほかの訪問者とふれあい、心身ともに元気になることを提案しています。温泉宿に泊まって温泉に入るだけではなくて、温泉地全体を“湯治場”と捉え、自分に合った楽しみ方、過ごし方を探してみましょう。
温泉地に滞在し、人々は実際にどんな効果を感じているのでしょうか。「新・湯治」プロジェクトの調査によると、温泉利用者には
・滞在後は心身に良い効果が得られる
・湯につかるだけでなく、温泉地でアクティビティを行うことでより良い心身の変化がある
・年間を通して高頻度で温泉に訪れることで、心身への良い影響がある
といった調査結果が得られました。
また日帰りや1泊2日といった短期間の滞在でも疲労が少なくなったと感じた人が8割以上でした。現代のライフスタイルに合わせ、短期間でもくり返し利用することで、療養効果が得られると考えられます。
「チーム新・湯治」に参加しよう
「チーム新・湯治」は、温泉地を中心とした自治体、団体、企業などによるネットワークです。セミナーや情報交換などを行い、多種多様な連携で「新・湯治」を推進しています。