メダルプロジェクトを推進するため、回収ボックスの設置場所やPR方法に工夫を凝らすなど、独自の活動を行っている自治体があります。
彼らの取り組みを参考にしながら、全国へ小型家電リサイクルの波を広げましょう。
新座市立栄小学校は、射撃競技の開催地である陸上自衛隊朝霞訓練場に隣接していることから“日本一会場に近い小学校”をうたっている。二学期の始業式ではメダルプロジェクトについて、校長先生から児童に説明がされた
新座市では、今年9月1日から市内にある公立の小・中学校に携帯電話用の簡易回収ボックスを設置。メダルプロジェクトへの参加を通じて、子どもたちへの環境教育とあわせて、東京2020大会への機運を高めたいと意欲的だ。
「高校生や大学生であればボランティアとして大会に参加するという選択肢があると思いますが、小・中学生はそうもいきません。隣接する東京都で世界中が注目する大会が開催されるまたとない機会なので、子どもたちに“自分たちも大会に参加した”という経験を得てほしいという思いがありました」と新座市リサイクル推進課長の玉井晶子さんは話す。
市では、公民館や体育館など、多くの人が利用する公共施設にも携帯電話用の簡易回収ボックスを置いているが、今回の小・中学校への設置によって、小型家電リサイクルについても、子どもたちから親へ、さらに地域へと広がっていくことに期待を寄せている。
9月2日には、東京都下水道局主催のイベント「藤岡弘、流 下水道場」の会場受け付けに回収ボックスが設置された
東京都では、今年4月のメダルプロジェクトのスタートに先駆け、2月から都庁舎で小型電子機器9品目の回収(都庁のある新宿区の回収ルールに準拠)を始めた。「知事が環境問題への意識が高いこともあり、まず都で率先して回収しようと始めました。5月には3万個の回収を達成したので、記念イベントも開催したところです」と東京都オリンピック・パラリンピック準備局担当課長の武田守史さんは話す。
4月のプロジェクト本スタート以降は、都が主催するイベントなどでも回収ボックスを設置して、さらなる周知と回収に取り組んでいる。今後は主催イベントだけでなく、都が関わるさまざまなイベントなどでも回収ボックスを設置したい意向だ。武田さんは、「メダルプロジェクトが全国規模で広まって、日本が環境に配慮した国であることを世界に発信できればと思います」と話す。
市内のイオン4店舗、イトーヨーカドー3 店舗にボックスを設置して回収を行っている
市内10カ所の生協にボックスを設置。各地域のみやぎ生協に置くことで、繁華街以外からの回収も期待できる
郵便局での回収を行うほか、市内の全ボックス設置箇所を示したGoogleマップを市ホームページで公開している
写真/木村三春