小型家電に含まれているさまざまな金属資源は、実際にどのように回収されているのでしょう。リサイクル企業を訪ねて回収工程を見ながら、リサイクルに向けて私たちが知っておきたいことを伺いました。
1_NNY 株式会社には、1日約4tの小型家電が運び込まれる 2_パソコンや携帯電話の基板は、手作業で解体を行っている
消費者・自治体・リサイクル業者の良い連携が新たな資源を生む
小型家電を資源として適正にリサイクルするためには、正式な認定事業者の手に渡ることが必要だ。全国に50社ある認定事業者(2017年9月現在)のひとつ、スズトクグループ内で主に栃木県内の小型家電リサイクルを担当するのがNNY株式会社。その敷地では自治体から回収した小型家電が毎日運び込まれ、大量の廃棄物を処理できるシュレッダーと特殊な金属選別機械で次々と小型家電を処理している。
「スズトクグループの小型家電回収量は年々アップしていて、法律が施行された2013年の回収量662tに対し、昨年度は約14倍の9,341tになりました。とはいえ小型家電リサイクルの認知度はまだまだ低いです」とNNY株式会社の佐藤恵一さんは話す。特に金や銀の割合が高いのはパソコンや携帯電話の基板だ。NNY株式会社では手で解体し取り外した基板や、機械で選別し回収した銅などを主に金属精錬事業者へ出荷している。また「処理する際に発火の危険性があるので、プリンターのトナーや使われている乾電池類は絶対に外してほしい」と注意を喚起する。今後さまざまな機関と連携して回収率をさらにあげる仕組みも考えていく予定だ。
写真/米山典子