環境省:Ministry of the Environment

温室効果ガス排出削減等指針

コスト・排出量の削減に有効な対策

脱炭素化に取り組むことは、温室効果ガス排出量を削減するだけでなく、運用コストも大幅に削減可能です。
ここでは、産業部門・業務部門それぞれにおいて特に削減効果の高い対策を中心に、そのコスト削減額等を紹介します。

業務部門において費用対効果の高い対策としては、下図に示すものが挙げられます。
すでに導入されている設備において、一部設備を更新することや、運転時間や設定温度の最適化、定期的な点検・清掃を行うことで低コストで運用コストの削減とCO2排出量の削減することができます。

下表は、上記で挙げた各対策について、ある一定の試算条件でのCO2削減量、CO2削減率、運用コスト削減額、運用コスト削減率の試算例をとりまとめたものです。削減計画の策定及び削減対策の検討の際に活用ください。
※対策名をクリックすると、対策の内容の詳細を解説する対策個票が閲覧できます。

対策名

設備分類

対策分類

空調システム

運用改善

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

5

10%

25

10%

空調熱源設備
(消費電力量:108千kWh/年)

空調の設定温度1℃緩和

対策名

設備分類

対策分類

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

14

7%

70

7%

延床面積18,000㎡の事務所ビルの空調
(電力消費量:460千kWh/年)

延床面積に対し10%の非使用室の空調を停止(停止時間:2,400h/年)

対策名

設備分類

対策分類

空調システム

運用改善

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

39

38%

206

38%

空調熱源機
(運転台数:2台、負荷率:45%)

負荷率が低い時間帯は運転台数を1台にして、1台あたりの負荷率を90%にまで高めるように運用
(対策実施時間:1,200h/年)

対策名

設備分類

対策分類

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

12

4%

70

4%

延床面積5,000㎡の事務所ビルの空調

最適制御により空調のエネルギー消費量を15%削減

対策名

設備分類

対策分類

照明設備

運用改善

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

6

20%

30

20%

ー(照度センサーなし)

照度センサーを導入し、照明の自動調光によって電力消費を20%削減

対策名

設備分類

対策分類

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

39

38%

206

38%

熱源機
(運転台数:2台、負荷率:45%)

負荷率が低い時間帯は運転台数を1台にして、1台あたりの負荷率を90%にまで高めるように運用
(対策実施時間:1,200h/年)

対策名 ※1

設備分類

対策分類

給湯設備

部分更新

試算結果※2

試算条件

CO2
削減量
[t-CO2/年]

CO2
削減率※1
[%]

運用コスト
削減額
[万円/年]

運用コスト
削減率※1
[%]

対策実施前の設備

対策実施後の設備

11

90%

60

90%

熱蒸気配管
(配管径:80A、未保温部分:10m・100箇所、 放熱量:690W)

未保温部分にグラスウール製の保温筒を装着することで放熱量を69Wまで削減 (90%削減)