感想文


TEMM15 ユースフォーラムに参加して


 

 

草間由紀子
 横浜国立大学
 理工学部 
 建築都市・環境系学科 
 地球生態学EP 1年

TEMM15の学生ユースフォーラムに参加し、日中韓三カ国の学生とESC「環境的に持続可能な都市」について話し合いました。短い期間でしたが、積極的な意見交換ができ、よい経験ができました。今回、このような貴重な機会を与えて下さった、環境省、TEMM15フォーラム事務局、JEEF、関係者の皆様、また、三カ国の参加者の皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
私は、小学生の頃から、環境問題に関心を持ってきました。地元の地方都市の長野と現在住んでいる首都圏の横浜の両方の都市で生活をする私にとって、今回のテーマは、とても興味深いものがありました。また話し合いの中で、都市の定義も各々で違い、環境に対する考え方も狭義から広義まであり、さらに国によっても意見が異なり、新しい発見をすることができました。とりわけ、実際にそれぞれが考える理想の都市を紙に描いたときに、理想の生活を維持するために、どのくらい環境へ負荷をかけてしまうのかという意見交換をする中で、それを強く感じました。事前学習会、会議を通し、今回のフォーラムの開催地でもある北九州市の環境への取組やESDについて、学ぶことができたことも有意義でした。三カ国の環境大臣が話し合う姿を実際に見ることができ、その空気に触れることができたことは、貴重な機会でした。さらに、このユースフォーラムのような場で、環境問題に関心のある学生や社会人の方と交流し、ネットワークを構築することができました。このネットワークを活かし、今後、日本、中国、韓国のそれぞれの参加者が実際に取り組んでいることについて、より詳しく聞き、話し合っていければと思っています。このユースフォーラムで学んだことを、今後、私自身の活動に活かし、深めていきたいと思います。環境的に持続可能な都市を構築するために、日中韓それぞれの場所、立場で、難しい局面もあると思いますが、協力し、実践していくことができればと思います。そのためにも、私自身も今後、どのように貢献できるのか考え、さらに努力していきたいと思います。

 

 

小島直也
 大阪大学
 大学院工学研究科
 環境・エネルギー工学専攻
 博士後期課程 2年

2013年5月5日に行われたTEMM15ユースフォーラムへの参加を通じて、新しいネットワークが得られた事、環境問題解決のための視野が広がった事、自身の環境活動を継続していく意思が強化された事を実感しています。
まず、今回のユースフォーラムを通じて、日中韓のユース代表、またサポートいただいた各国の社会人の方々に出会うことができ、新たなネットワークを築くことができました。初対面かつ短時間という事もあり十分にコミュニケーションをとれたとは言えませんが、皆がそれぞれの立場や思いから「環境的に持続可能な都市」(今回ユースフォーラムのテーマ)に向けて活動・学業を行っている事はお互いに分かり合えたと感じています。ここで出会えたことを将来の日中韓の環境づくりに役立てられるように、WEBを通じた情報交換を積極的に続けたいと感じています。
また、今回のユースフォーラムでは、今までと違う視点で環境政策を考える機会となりました。例えば、中韓ユースの「環境的に持続可能な都市」をテーマとした発表内容では、日本で取り組まれていないような先進事例も紹介されましたが、日本でこのような先進的な取組みがなされない理由や、日本でその取組みを転用することができるか、といった事をはじめて考えさせられました。
その一方で、日中韓共通に行われている取組みも見られました。例えば、地元に密着した地域活性化の取組みは3カ国すべてで行われているようで、経済状況・地理環境が異なっても、市民が求める快適で持続可能な居住環境は本質的には同じである事を実感しました。私自身もこのような取組みに参加しているので、取組みがもつ意義や地域への貢献についてあらためて考える事ができました。
以上の3つがユースフォーラムを通じて得られたモノだと感じています。このような素晴らしい機会を用意してくださった参加者・関係者の皆様、本当にありがとうございました。
最後となりましたが、今後もTEMM、及びユースフォーラム、ビジネスフォーラムが継続され、3カ国が協力して持続可能な社会の構築を目指していく事を望みます。

 

 

長川美里
 東京大学公共政策大学院
 キャンパスアジア 修士1年

「近くて遠い国」。日中韓の三ヵ国を表す際によく使用されるこの言葉が、私はあまり好きではありません。地理的に非常に密接しながらも、歴史的・政治的な問題でたびたび難しい立場に立たされる三ヵ国の関係を、学部生の頃から苦い思いで見ていました。だからこそ今回のTEMM15では、この言葉を私たちユースの世代でなくせるような社会づくりの足掛かりにしたいと考えていました。
今年度のTEMM15は開催国を日本に戻し、北九州で行われました。九州に行くのは初めての経験で、北九州の先進的な環境都市づくりに感銘を受けたと同時に、日本代表として北九州のような特別な場所で会合をすることに背筋が伸びる思いでした。私は環境は専門ではありませんが、エストニアで環境啓発活動に関わった経験がある他、持続可能な都市というテーマは先進国の人間として避けては通れない問題です。また、環境問題はこの三ヵ国が地理的に密接しているからこそ協力できる、最大の国際協調の場であると私は思います。
私がこの会合を通して知りたかったことは2つあります。1つは三ヵ国の若者が未来を担う人材として社会にどのような取り組みを行っているのか、そしてこれからどうこの三ヵ国で協力関係を築いていきたいのか、ということです。1つ目の答えはシンプルです。やはり日本の他の代表団の方々も、韓国・中国の若者も教育機関や地域を巻き込んで積極的な活動をそれぞれの目的意識で行っていました。特に中国の若者が日本・韓国の若者とは比にならないくらいの規模で環境啓発活動をしているのには刺激を受けました。2つ目の協力関係に関しては、あるビジネスフォーラムに参加されていた方とのお話が心に残っています。ビジネスの政治問題を超えた絆に深い感動を覚えました。一人の人間として真摯に向き合うこと、そしてその関係を維持しようとすることが、三ヵ国の明るい未来に繋がると教わった気がします。
TEMM15の最大の魅力は、国際政治が動く瞬間をこの目で見て、聞いて、感じられること、そしてユースやビジネスの声を大臣に直接届けられることでしょう。私にとって、将来国際社会に出ていく人材になるというモチベーションを再確認できる非常に貴重な場となりました。最後ではありますが、TEMM15の開催にご尽力なさった全ての方と各代表団への感謝の気持ちを込めて、来年に繋げたいと思います。

 

 

中村杏
 福岡女子大学 国際文理学部環境科学科

石原伸晃環境大臣が今の三カ国の関係を「ぎくしゃくしている」と表現されたように、関係の悪化で一時は開催が危ぶまれた中で会合を実現できたこと、またそれにユースとして関わることができたこと、本当に嬉しく思っています。
先にも述べましたように、決して良いとはいえない日中韓の関係の中、各国の学生が集って環境をテーマに話し合うことに対して、開催前は複雑な気持ちがありました。議論中に喧嘩腰になって批判し合う結果にならないだろうかという不安、それでもユースにしかできないことがきっとあるはずだという期待を胸に抱きながら、フォーラムに臨みました。 当日は、環境への取り組みや自身の実践に基づいた意見を発表し合い、話し合いを重ねました。三カ国の学生たちによる議論は私の予期していたものとは大きく異なり、議論中にお互いの考えを尊重し合う姿を何度も見たことが強く印象に残っています。学生同士にしかできない率直な質問の投げかけ、それに対する真摯な対応をみて、環境というテーマが外交問題を解決する一助になるのではとも思いました。私は昨年度ごみ関連の団体で活動した経験を元に、小さな循環型社会を各地につくることが環境問題の改善につながることをグループ討論で主張しました。
近年「PM2.5」を始めとする越境汚染など、三カ国、そしてアジアの強い結びつきをもって解決すべき環境問題が多くあるように思います。今すぐに問題を解決できるような策を、このような2日間のフォーラムでは練ることができませんでした。しかし、「環境」という共通のテーマについて日中韓の学生たちが一緒に考えることができたこと、学生同士が国を越えて互いに新しいつながりを持てたことを思うと、これは大きな一歩であるといえるのではないでしょうか。「国境」より「環境」を強く感じた今回のユースフォーラムを終着点として終えるのではなく、長い目でみて始点と捉えてこそ、開催した意義が見出せると思うのです。
最後になりましたが、開催に際しましてご協力くださったJEEFの塚原様を始めとする関係者の皆様、並びにこのような機会をくださった環境省の方々に深く感謝いたします。そしてユースメンバー、皆さんあってこそユースフォーラムが実現したと言っても過言ではありません。再開を心から楽しみにしています。本当にありがとうございました。

 

 

 
服部遼馬
 東京大学大学院
 工学系研究科
 マテリアル工学専攻修士1年

平成25年5月5日、6日に北九州市にて開催された第15回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM15)ユースフォーラムに参加させていただきました。私にとってこれが初めての国際フォーラムへの参加であり、海外の学生と議論したことや、各国の大臣のやり取りを聞かせていただいたことなど、いくつもの貴重な経験を得ることができました。更に、自分の研究とは異なる視点から環境問題を考える良い機会となりました。
短い準備期間でしたが、「環境的に持続可能な都市」というテーマについて、様々なバックグラウンドを持つユースのメンバーと議論をし、日本ユースの発表を作り上げることは私にとって非常に刺激的でした。材料分野の研究をしている私にとって、環境教育や環境活動について考えることは初めてで、とても新鮮でした。
中韓の発表では、エコドライビングゾーンや学生環境大使など他国の様々な政策や活動が紹介され、中韓の環境問題に対する理解を深めることができました。そして、日本における環境問題の現状を改めて考えさせられました。その後のディスカッションでは、中韓メンバーの環境に対する関心と行動力の高さに驚かされました。議論を通じて分ったことは、各国の環境問題に対するアプローチは異なっていても、根底的な考えは三カ国とも共通しているということです。「環境問題に対しては、政府、企業、社会の三つの組織が連携しなければならない。」当たり前のことですが、環境問題の解決にはこの連携が不可欠です。今回のディスカッションでそれを再認識することができました。
石原環境大臣の発言にもありましたが、今後は三カ国が協力し、PM2.5などの環境問題に取り組まなければならないと実感しました。そして、環境問題に対してだけではなく、より良い友好関係が築くことができればと強く思いました。
事前勉強会及び準備期間を含め、TEMM15ユースフォーラムでは、素晴らしい時間を過ごすことができました。更に、熱く議論ができる友人を得ることができました。このような貴重な機会をくださった、環境省、JEEF、及びコングレの関係者の皆様、そして各国の参加者の皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。