放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

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第9章 事故からの環境再生に向けた取組
9.2 中間貯蔵施設

再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方

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福島県内における除染等の措置により生じた除去土壌を対象として、広く国民や地域の住民の方々等の理解・信頼を醸成しつつ、再生資材化した除去土壌の安全な利用を段階的に進めるため、2016年6月に「再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方」を取りまとめました。この基本的考え方では、除去土壌の再生利用について、利用先を管理主体や責任体制が明確となっている公共事業等に限定し、追加被ばく線量を制限するために放射能濃度を限定するとともに、覆土による遮へい等の適切な管理の下で実施することを想定しています。
現在、この基本的考え方を指針として、南相馬市及び飯舘村の実証事業を通じて、再生利用の安全性等の確認を進めています。これまでの実証事業では、事業開始時から空間線量率等に大きな変動はなく、盛土を通過した浸透水の放射性セシウムはすべて検出下限値未満との結果が得られています。なお、南相馬市では、再生資材を用いた試験盛土を造成し、放射線モニタリングを行い、3年以上のデータが得られたことから、2021年度に試験盛土を撤去しました。
飯舘村では、2020年6月から農地造成のための準備工事を開始し、2021年4月から盛土工事に着手しました。また、食用作物等の栽培実験を実施し、生育性・安全性を確認しています。2021年度に実施した栽培実験における食用作物の放射性セシウム濃度の測定結果は、検出下限値未満とされ得る値となっています(厚生労働省の定める食品中の放射性セシウム検査法では、検出下限値は20Bq/kg以下とされています。検出されるまで測定した結果、0.1~2.5Bq/kgとなっており、一般食品の放射性物質の基準値である100Bq/kgよりも十分低い値となっています)。さらに、2021年度から水田の機能を確認するための試験を実施しています。
また、県外最終処分の実現に向け、2021年度から、全国各地で対話フォーラムを開催するなど、減容・再生利用の必要性・安全性等に関する理解醸成活動を抜本的に強化して取り組んでいます。

環境省 中間貯蔵施設情報サイト「南相馬市における再生利用実証事業」
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/recycling/minamisoma.html
環境省 中間貯蔵施設情報サイト「飯舘村における再生利用実証事業」
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/recycling/iitate.html

本資料への収録日:2019年3月31日

改訂日:2023年3月31日

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