国連科学委員会(UNSCEAR)2013年報告書の第Ⅰ巻 科学的附属書「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響」と題する報告書は、上の図で示す3つの目的で作成されました。
報告書の緒言で述べられているように、UNSCEAR は、第58回会合(2011年5月)において、東日本大震災後の原子力発電所事故による被ばくレベルと放射線リスク評価を、十分な情報が集まった時点で実施することを決定し、2014年4月に同報告書を公表しました。報告書は、主に2012年9月までに発表された日本の都道府県データ、政府機関によるデータ、さらに日本以外の国連加盟国により提供されたデータや文献、国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)等の国際機関のデータと文献に準拠しています。また、それ以降、2013年末までに得られた重要な新しい情報も可能な限り検討されました。
2013年報告書における被ばく線量評価の概要は以下の通りです。
・評価はできるかぎり測定データに基づいて行った
・事故後1年間に公衆が受けた被ばく線量を評価
・対象は、20歳(成人)、10歳(小児)、1歳(乳児)
・事故後10年間及び80歳までに被ばくする線量を予測
・実測値に基づいて状況を客観的に評価するため、できるだけ現実に即したモデルを使用
・最初の1年間に講じられた防護措置により回避された線量も推定
【報告書記載箇所】
・UNSCEAR2013年報告書(科学的附属書A, 日本語版P26, 第8項及びP25, 第3~4項及びP7, 第12項から作成)
本資料への収録日:2015年3月31日
改訂日:2023年3月31日