放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

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第4章 防護の考え方
4.3 線量低減

食品の調理・加工による放射性セシウムの除去

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東京電力福島第一原子力発電所事故の直後は、野菜から検出された放射性物質は表面に付いているだけでしたので、表面に付着した放射性物質はある程度洗い流すことができました。
現在では、野菜の表面に付着することはほとんどないのですが、土壌中に含まれる放射性物質が部分的に根から吸収され野菜などの内部に入ることがあります。根から吸収されて野菜の中に入ったセシウムも調理や加工するときの工夫によって放射性物質を除去することができます。
スライドの表は、食品の内部に取り込まれている放射性セシウムの除去率が示されています。
野菜をゆでる場合、ゆで時間が長いほど除去率が大きくなると考えられていますが、これは野菜の細胞に取り込まれていた放射性セシウムが、細胞が壊れることによって出てきてゆで湯に移行するためと考えられています。また、塩漬けの場合も塩漬けの時間が長いほど除去率が高くなるとされていますが、これは塩の成分のナトリウムと野菜の中に含まれている放射性セシウムが入れ替わることによるものと考えられています。
肉や魚も煮る場合は、放射性セシウムが移行した煮汁を捨てることにより、放射性物質の量を半分程度までは減らすことができるとされています。焼くよりも、ゆでたり煮たりした場合の方が除去率は高いことが分かっています。
データの詳細については、https://www.rwmc.or.jp/library/other/kankyo/ を参照してください。

本資料への収録日:2017年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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