放射線事故が起こった場合、放射線に被ばくした可能性があるのか、被ばくした場合、どのくらい被ばくしたのか、その結果起こる健康影響はどのようなものなのか、不安を感じます。特に保護者らは、子供の現在及び将来への健康影響に不安を抱えます。
将来出現するかもしれない放射線の影響による不安が長く続いた結果、メンタルヘルスが悪化します。母親の不安が子供の精神状態や成長に影響を及ぼす可能性も指摘されています(上巻P106「子供への影響-チェルノブイリ原発事故-」)。
また、放射線に関する信頼できる情報や、正確な情報を、的確に入手できないことにより、不安感が高じる場合もあるようです。さらに、汚染や被ばくを受けた住民に対する社会からのいわれなき烙印(スティグマ)や偏見(ステレオタイプ)が、メンタルヘルスをさらに悪化させると報告されています1、2 。
1. 福島県精神保健福祉センター「福島県 心のケアマニュアル」
2. Werner Burkart( Vienna ) “Message to our friends affected by the nuclear component of the earthquake/tsunami event of March 2011 (August 26, 2013)”(Werner Burkart :Professor for Radiation Biology at the Faculty of Medicine of the Ludwig Maximilians University in Munich, Former Deputy Director General of the International Atomic Energy Agency (IAEA))( http://japan.kantei.go.jp/incident/health_and_safety/burkart.html )
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2017年3月31日