放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

被ばく時年齢と発がんリスクの関係

被ばく時年齢と発がんリスクの関係
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この表は、放射線のリスクを、原爆被爆者の疫学調査で得られたデータに基づき、がんによる死亡のリスクを生涯リスクとして表したものです。具体的には、急性被ばく100ミリシーベルト当たりのがん死亡と白血病による死亡の生涯リスクを、急性被ばくの無い場合、つまり自然のバックグラウンド線量によるそれぞれの死亡リスクと比較しています。
表から次のようなことが読み取れます。例えば、10歳の男子は、将来30%の確率でがんで死亡する可能性があるところ(表の10歳男性のバックグラウンドがん死亡リスク30%)、急性被ばくとして100ミリシーベルトを被ばくすると、被ばくによるがん死亡が2.1%増加して、トータルでは、32.1%のがん死亡のリスクになることを意味しています。
表からは、 100ミリシーベルト当たり急性被ばくした場合、被爆時の年齢が低いほど、生涯のがんによる死亡のリスクが高い傾向がみられます。
その理由としては、若年者のほうが将来がん細胞に進展する可能性を持つ幹細胞の数が、また、細胞分裂をくり返す頻度が、それぞれ高年齢者に比較して多いことなどがあげられます。
(関連ページ:上巻P109「年齢による感受性の差」上巻P115「被ばく時年齢とがんの種類」

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成30年2月28日

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