放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

発がんの仕組み

発がんの仕組み
閉じる

放射線ばかりではなく、様々な化学物質や紫外線等にもDNAを傷つける作用があります。しかし、細胞には傷ついたDNAを修復する仕組みがあり、大抵の傷はすぐに元どおりに修復され、また修復に失敗した場合でも、その細胞を排除する機能が体には備わっています(上巻P82「DNAの損傷と修復」)。
ごく稀に、修復し損なった細胞が、変異細胞として体の中に生き残ることがあります。こうしたがんの芽は生じては消え、消えては生じといったことを繰り返します。
その中でたまたま生き残った細胞に遺伝子の変異が蓄積し、がん細胞となることがありますが、それには長い時間が掛かります。原爆の被爆では、被爆後2年頃から白血病が増加し始めましたが、その後発生頻度は低くなっています。一方、固形がんは、約10年の潜伏期間を経て増加し始めました。
(関連ページ:上巻P85「被ばく後の時間経過と影響」

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成28年3月31日

ページ先頭へ