一般成人(16歳以上)のこころの健康度を評価する尺度としてK61を用いています。2011年度と比較して低下(改善)しているものの、2021年度調査結果ではわずかですが上昇(悪化)しました。新型コロナウイルス感染症の影響の可能性が考えられます。日本の先行研究(川上, 2007)における割合(3.0%)と比較すると、依然として高い(悪い)値を示しています。
性別では、男性より女性の方が高い傾向にありました。
また一般成人(16歳以上)のトラウマ反応を評価する尺度としてPCL2を用いています。2011年度調査と比較して大きく低下(改善)していましたが、今なお1割近い方々が強いトラウマ反応を持っていることがわかります。
性別では、男性より女性の方が高い値を示し、年齢別では年代が上がるにつれ高くなる傾向にあります。
1. K6:気分の落ち込みや不安に関する6項目(例:「神経過敏に感じましたか」「絶望的だと感じましたか」等)について、それぞれ過去30日間の頻度を尋ねた質問で、16歳以上を対象に実施しています。この尺度によって気分障害や不安障害の可能性について判定しました。
2. PCL(Post Traumatic Stress Disorder Checklist): 被災体験に関連した過去30日間の心身の反応(トラウマ反応)を尋ねた質問で、K6と同様に16歳以上を対象に実施しています。この尺度によって、トラウマ反応の強さについて判定しました。2011~2013年度調査後、2年間の休止を経て、短縮版であるPCL-4を2016~2020年度に実施し、2021年度に再び休止しています。
本資料への収録日:2015年3月31日
改訂日:2024年3月31日