放射線による人体への健康影響を考える際には、確率的な影響と確定的な影響の二つに分けて考える方法があります。上の図は、確率的影響と確定的影響(組織反応)を整理したものです。
確定的影響は一定以上の線量を被ばくしない限り発生することはありません。そのうちの多くは、被ばく後、数週間以内に現れる急性障害に分類されます。
確率的影響は、低い線量でも発生の可能性がゼロではないと考えられている影響です。一般的に安全側に立ち、しきい値がないと仮定して管理が行われています。
ただし、ヒトでは、動物実験の結果と同じような頻度で放射線による遺伝性疾患が出現することは、確認されていません。
(関連ページ:上巻P85「放射線影響の分類」、上巻P86「確定的影響(組織反応)と確率的影響」)
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2021年3月31日