報道発表資料
また、日本、中国、韓国及びモンゴルの4か国及びUNEP等の国際機関により進められた黄砂対策プロジェクトにおいて、モニタリングネットワーク構築の重要性が指摘されています。
今般、環境省ではネットワーク構築のため、地上から上空数kmにわたりリアルタイムでの黄砂の観測が可能な装置(ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging))を長崎県に設置し、観測を開始しましたのでお知らせします。
環境省では、ライダーを長崎県のほか富山県、島根県の3か所に設置しています。また、独立行政法人国立環境研究所等では、国内5か所で観測を行っており、併せて8か所のライダーにより国内のモニタリングネットワークを構築し、その観測結果を同研究所のホームページで公表しています。
1趣旨
日本にも飛来する黄砂については、近年、中国等において被害が急激に拡大していることから、日本、中国、韓国及びモンゴルの共通関心事項であり、早急な対応が求められています。
従来、黄砂は自然現象と考えられていましたが、近年の現象については、過放牧や耕地の拡大等の人為的な要因も影響しているとの指摘もあり、より詳細な現象解明が求められています。しかし、現時点では、黄砂の物理的、化学的な性質や飛来経路等について、必ずしも十分には解明されていません。
このため、日本、中国、韓国及びモンゴルの4か国及びUNEP等の国際機関が共同でアジア開発銀行及び地球環境ファシリティーの資金を活用して策定した「北東アジアにおける黄砂の防止と抑制に関する地域マスタープラン」(平成17年3月に公表)では、モニタリングネットワーク等の重要性が指摘されているところです。
こうした中、環境省では、今般、当該ネットワークの構築にも資するものとして、長崎県の協力を得て、ライダーモニタリングシステムを長崎県に設置することとしました。環境省が国内で設置するライダーとしては、富山県、島根県への設置に続き3基目となります。また、独立行政法人国立環境研究所等は、国内5か所で観測を行っており、併せて8か所のライダーにより国内のモニタリングネットワークを構築しています。
環境省としては、(独)国立環境研究所と協力して、今後とも、ライダーによる国内のライダーモニタリングネットワークの構築を順次進めていく予定です。
2ライダーモニタリングシステム
今般設置するライダーは、(独)国立環境研究所が開発した黄砂観測装置(NIES-LIDARと呼ぶ。)であり、レーザー光線を上空に発射し、上空に浮遊する粒子状物質に反射して返ってくる光を測定・解析することにより、他の汚染物質と区別して黄砂等粒子状物質の鉛直分布等をリアルタイムで観測するものです。(参考:ライダーについて)
3国内ライダーモニタリングネットワーク
環境省では、これまで富山県(15年度設置)、島根県(16年度設置)にライダーを設置しており、長崎県への設置は3基目となります。これに加え、(独)国立環境研究所(大気圏環境研究領域遠隔計測研究室)は関係研究機関と協力し、札幌市、仙台市、つくば市、長崎県福江島、沖縄県辺戸岬の5か所で、このシステムによる観測を行っています。(本システムは、同研究室が開発したもの。)
これら8基により国内におけるライダーモニタリングネットワーク(別紙位置図参照)を構築し、その観測結果を同研究所のホームページで公表しています。(http://www-lidar.nies.go.jp)
4ライダーモニタリングシステム(長崎県)
(1)設置場所
長崎県衛生公害研究所敷地内(長崎県長崎市滑石1-9-5)
(2)稼働時期
黄砂飛来時期に合わせ、3月25日から試行的に稼働し、本日からデータを公表しています。
長崎におけるライダー観測データは、国立環境研究所のホームページ(http://www-lidar.nies.go.jp/Nagasaki2/index-j.html)で閲覧が可能です。
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長:小川 晃範(内線6740)
課長補佐:根木 桂三(内線6755)
担当:吉森 信和(内線6745)
関連情報
関連Webページ
過去の報道発表資料
- 平成18年4月18日
- 黄砂実態解明調査の実施(サンプリングの実施)について
- 平成18年4月7日
- 黄砂実態解明調査の実施(サンプリングの実施)について
- 平成18年3月28日
- 黄砂実態解明調査の実施(サンプリングの実施)について
- 平成17年9月28日
- 黄砂問題検討会報告書について
- 平成17年8月22日
- 第1回黄砂モニタリング専門家ネットワーク会合(準備会合)の結果について